新型コロナウイルス感染予防で気になるマイクロバス・ヒュンダイバスの「換気性能」は?
新型コロナウイルス感染症の影響で、泣く泣く貸切バスでの旅行や研修などを諦めた方も多かったはず。「貸切バスの達人」アンケートでもキャンセルの連絡が続々。
アフターコロナの旅行や移動、そろそろ実施や計画を練り始めている幹事さんもたくさんいらっしゃいますよね。
そこで、1回目は各バス会社が独自に取り組んでいる「新型コロナウイルス感染予防対策」についてご紹介。
2回目は三菱ふそうの外気導入モードの性能テストについて、3回目は中央交通が独自に日野自動車・セレガの換気性能をチェックした様子をレポート。
窓を開けなくてもわずか5~7分で車内の空気が入れ替わる、という結果が動画を通じて視覚的にわかりやすく体感できましたね。
中央交通ではさらなる安心につながればということで、日野自動車のマイクロバス「リエッセⅡ」、現代自動車「ヒュンダイ・ユニバース」、日野自動車「セレガR」でも独自テストを実施したそうですよ!
今回も提供いただいた動画を基に解説していきます。
日野自動車のマイクロバス「リエッセⅡ」の換気性能は?
三菱ふそうがメーカー自身で行ったマイクロバス「ローザ」のテストでは、換気扇なしタイプで約6~7分、ありタイプならなんと約3分で室内の空気が入れかわるという結果になりました。
それでは日野自動車のマイクロバス「リエッセⅡ」はどうでしょうか?ちなみに「リエッセⅡ」はトヨタ自動車の「コースター」のOEMです。
中央交通(沖縄)では、2019年5月に購入した「リエッセⅡ」ロングボデー(天井換気扇のオプション付き)を使用し、独自に検証を行いました。
中央交通が独自にテスト!マイクロバス「リエッセⅡ」の車内換気能力
中央交通は埼玉県川口市に本社を置くバス会社。今回の実験は中央交通 沖縄で行ったものです。
「外気導入モード」でエアコンを運転し、天井についた換気扇をONした状態で約6分で視界がクリアになりました。日野自動車から公式発表ではないので、あくまでも目安として参考になさってください。
マイクロバスは20名までのグループ旅行や視察・研修などの移動に人気の車種。雨や高速道路走行時に窓を開けて換気が難しい時でも、外気導入モード・換気扇を併用すれば、安心できる目安になりました。
現代自動車の大型観光バス「ヒュンダイ・ユニバース」の換気能力は?
安全性能の高さとコスパの高さでメキメキ売り上げをのばしている、現代自動車の大型観光バス「ヒュンダイ・ユニバース」。
現行モデル2DG-RD00の車内換気能力(停車時)では約7分(メーカー公表では7分未満)で空気が入れ替わるとあります。
そのメカニズムはバス前面についているデフロスター、天上に設置されたユニットクーラーから外気を取り込み、車内を循環。
バス前方の床下から排出するとともに、バス後方についている電気換気ファンを使って排出するというものです。
ただ、2010年~2018年9月発売の前モデルLDG-RD00に関しては換気扇がついていません。国内に流通しているヒュンダイ・ユニバースのほとんどはこのモデル。
中央交通 沖縄で行ったのもは2014年式のヒュンダイ・ユニバースです。バス後方の電気換気ファンは装備されていないタイプではどのぐらいの換気性能があるのでしょうか?
天井に換気扇がないヒュンダイ・ユニバースの換気能力をチェック!
実験の条件は、前回日野セレガで行った場合と同じにそろえて実施しています(同じスモークマシンで約3分間噴霧)。エアコン・デフロスターを「外気導入」に切り替え。
約4~5分で換気が完了し、視界がクリアになりました。
メーカー発表によると、天井換気扇がついていない前モデルで窓が開かない車種も約2割ぐらいあるようでが、「外気導入」モードを使用すれば安心できるレベルといえそうですね。
日野セレガR中二階(大型バス)でも実験!
中央交通 沖縄では、2002年11月年式の日野自動車・セレガRでも実験をしています。こちらのバスは現在「みやこ下地島エアポートライナー」として運行しているそうですよ。
日野セレガRは、国土交通省「観光バス及び路線バスの車内換気能力」によると約7分で空気が入れ替わるとあります。
バス前方と床下にあるエアコン(サブエンジン)から外気を取り入れ、車内を循環した後はバス後方・左右についている排気口から排出されるしくみになっています。
こちらもスモークマシンを使用して実験。同社が所有しているジェイ・バス製大型観光バス「日野セレガ」と条件をそろえて約3分間噴霧しました。
エアコン・デフロスターを「外気導入」に切り替えて換気スタート。約4~5分で視界がクリアになり、換気が完了しました。
ハイデッカータイプ(中2階)と天井が高い車内であっても、問題なく換気されるのがわかりました。
≫大型バスのハイデッカータイプとは?
≫日野自動車の観光バスもっと詳しく
アフターコロナの移動に貸切バスは有効!マイクロバスやその他のバス「換気性能」まとめ
貸切バス会社それぞれが独自に取り組む新型コロナウイルス感染予防策。今回は、トヨタ自動車の「コースター」OEMである日野自動車「リエッセⅡ」、現代自動車「ヒュンダイ・ユニバース」、ジェイ・バス製の観光バス「日野セレガR(ハイデッカータイプ)」についての換気性能について詳しくご紹介しました。
天井換気扇がついていない前モデルのヒュンダイ・ユニバースや、中2階と天井高が高いタイプの日野セレガR三菱ふそうの観光バスでも、窓を閉め切った状態で問題なく換気ができました。
また、マイクロバスでも同様に充分な換気が可能です。
実験の条件、乗車人数により、換気のスピードは異なりますが、とても参考になりましたね。
アフターコロナの移動をより安全に、各バス会社それぞれが一生懸命取り組んでいますので、ぜひ参考になさってくださいね。
■動画提供
中央交通株式会社 沖縄
住所:沖縄県豊見城市伊良波157-1 みどりマンション 1-F
問合せ先:098-851-4900
★中央交通株式会社 沖縄が取り組む感染症対策についてはこちらを参考に★
▼アフターコロナの移動は貸切バスで安全に!
・貸切バスの「新型コロナウイルス感染予防対策」について
・三菱ふそうの大型観光バスやマイクロバスの換気性能について
・日野自動車の大型観光バス(ジェイ・バス製)の換気性能について
・マイクロバス「日野リエッセⅡ(トヨタコースター)」「ヒュンダイ・ユニバース」「日野セレガR(ハイデッカータイプ)」の換気性能について
・アビコ西武観光の新型コロナウイルス対策をご紹介
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