
【貸切バス料金が11月から値上がり】複数のバス会社から相見積もりしないと絶対損をする「新公示運賃額」について
貸切バス料金を算出するための単価が2023年9月下旬以降から順次変更。2023年6月27日に国土交通省から「新公示運賃額」が発表されました。
その後2025年3月に再び改定となり、新しくコミューター車(ミニバス)区分が設けられています。
そして2025年9月26日(金)に国土交通省より、運賃・料金見直しの公示があり、11月1日(土)から適用される新しい基準額が発表になっています。
どこが大きくかわるのか。貸切バス料金はどのぐらい値上がりするのか。気になる新しい料金制度について詳しく解説するとともに、11月1日(土)から適用される新しい貸切バス運賃・料金の下限額についてもご紹介しましょう。
バスの利用が決まっているようならいますぐ見積りを取り寄せ、値上げする前に予約してしまうことをおススメします。
【目次】
- 「貸切バス運賃・料金制度」では、バス会社の利益が確保できていなかった!?
- 「新公示運賃額」では下限単価を引き上げ(値上げ)、「上限」をなくすことに
- 2025年3月にはかねてより要望が多かった「コミューター(ミニバス)」の料金設定が導入
- 2025年9月26日(金)からの運賃改定は、貸切バス運転手確保のため
- 2025年11月1日(土)から適用される貸切バス新公示運賃額は?
- 貸切バス料金は見積りを取らないと、正確な金額はわかりません
「貸切バス運賃・料金制度」では、バス会社の利益が確保できていなかった!?

これまで、貸切バス料金を算出する際に使われてきたのは、2014年(平成26年)4月にスタートした「貸切バスの運賃・料金制度」です。

高速ツアーバス事故を踏まえ、安全・安心な輸送サービスを提供するために「時間・キロ併用性運賃(時間×単価+距離×単価)」に変わりました。
時間と距離、各運輸局ごとに下限から上限までの範囲を決めて公示。各バス会社がそれを基に単価を届け出て運用してきました。
しかし、日本バス協会を通じて貸切バス事業者に行ったアンケートによると、ハイシーズンでも基準額(原価ライン)を下回った金額での契約が約7割、通常期でも約9割が基準額を下回った契約(原価割れ)になっていることが判明。
現状のままではバス事業の経営を圧迫することにもなりかねないことが浮き彫りになりました。
実は「下限額」でバスを走らせた場合、原価割れになってしまう(原価ラインよりも10%安い)基準になっています。バスの利用が少なくなる時期に、少し安い金額で走らせることができるように設定された金額でした。
1年を通じて、この「下限額」で走らせ続けると実はバス会社、赤字になるという金額なのです。安全性を担保しつつ、利益が確保できるのは下限~上限の中間ぐらいの単価以上を適用した場合といわれています。
「新公示運賃額」では下限単価を引き上げ(値上げ)、「上限」をなくすことに

国土交通省では「貸切バス運賃・料金制度ワーキンググループ」フォローアップ会合を2015年2月からスタート。「貸切バスの運賃・料金制度」を実際に運用してみてどのような課題があるのかが話し合われてきました。
その結果、社会情勢や経済状況に合わせた運賃の見直しが必要であること。深刻な運転手不足、安全性能の高い新型バスへの買い替えなどを進めていくためには、運賃制度の見直しが必要であるという結論に。
これを踏まえて、2023年6月27日より国土交通省から「新公示運賃額」が発表。今までの上限~下限額を公示してきたものを、下限額のみの公示に変更となりました。

また、今までの下限額でバスを走らせると赤字になってしまうということを踏まえ、原価ラインを割り込まない(基準額)を下限額に変更。これにより、貸切バスの最低金額が10~22%程度値上がりすることになりました。
各貸切バス会社はこの基準額を下回らないよう、運輸局に「単価」を届け出て、9月末以降順次適用しています。
「上限額」が撤廃されたことで、バスの利用が増える時期やなど、需要と供給のバランスに見合った価格設定が可能に。また、社会情勢に合わせて柔軟な料金を提示することができるようになっています。

また「新公示運賃額」を運用後、貸切バス運行のコストを踏まえ、適宜見直しが図られることになり、2025年9月26日(金)にその見直された新公示運賃が発表された、というわけです。
(引用元:「公示運賃の見直しについて」第10回「貸切バス運賃・料金制度ワーキンググループ」フォローアップ会合・国土交通省)
2025年3月にはかねてより要望が多かった「コミューター(ミニバス)」の料金設定が導入

マイクロバスよりも小さく、ジャンボタクシーよりも乗車人数が多い「コミューター(ミニバス)」。国土交通省が定めた「新公示運賃額」には大型バス・中型バス・小型マイクロバスの3種類しかありませんでした。
このため、ミニバス(コミューター)を利用しても料金は小型マイクロバスと同じ料金。しかし、マイクロバスよりも小回りがきいて、ガソリン代なども安く済むので、少し安い料金で利用できないかという声があがっていました。
そこで、2025年3月1日(土)に公示運賃が改正され、新たな車種区分として「コミューター車(車両の長さ6m未満で、かつ旅客席数14人以下」が追加になりました(10名以上乗れるタイプはバス会社、9名以下はタクシー会社で手配できる貸切ジャンボタクシーになります)。
暫定措置として、バス会社でコミューター区分を新設する場合、小型マイクロバスの料金はちょっと高くなるなどのちょっとわかりにくい料金体系でした。
しかし、11月1日(土)からは1本化されたので混乱はなくなりそうですね。
2025年9月26日(金)からの運賃改定は、貸切バス運転手確保のため
貸切バス料金は社会情勢や経済状況により、2年ごとに見直しをされるということで行われた今回の改定。
このところの運転手不足で路線バスが廃線になったり、減便されるなど私たちの移動手段に大きな影響が出ているのは皆さん、ヒシヒシと感じておられるはず。
バス運転手の平均給与額は、全産業平均給与額を下回る状況が続いており、担い手不足を解消するためには賃金水準を引き上げることは不可欠。
このため、2025年11月1日(土)から新しい運賃・料金の適用を順次スタートさせるということになりました。
もちろんすでにバス会社と契約済、という場合は契約した金額での運行が可能ですのでご安心くださいね。
2025年11月1日(土)から適用される貸切バス新公示運賃額は?

各都道府県により若干の差はありますが、全体的に7~8%の値上げ率という結果になりました。
各バス会社は10月24日(金)までに運賃・料金の変更を届け出。届け出以降は任意の日から適用が可能となっています。
遅くとも11月1日(土)以降に契約をした場合は、上記の新公示運賃が最低基準額(下限)として計算されますのでご注意ください。
貸切バス料金は見積りを取らないと、正確な金額はわかりません

かつては「貸切バス運賃・料金制度」では、下限~上限までの範囲が示されており、その基準よりも極端に安かったり、高かったりすることはありませんでした。
およその時間・距離を調べ、最も安い金額と最も高い金額の平均値として計算すればバス料金のイメージはだいたいつかめていたのです。
しかし、2023年9月以降に上限が撤廃されて以降、最低料金はわかっても、実際にバス会社が届け出ている単価はわからないため、見積りを取らない限り正確な料金はわかりません。また、季節変動や利用条件によっても異なっていきます。
つまり、1社だけに料金を聞いただけでは、それが安いのか・高いのかわからないということ。必ず複数のバス会社から見積りを取り寄せ、しっかり比較することが重要となっています。
今回の新公示運賃改定についても下限料金が値上げされただけなので、相見積もりを取る重要さは変わりありません。「貸切バスの達人」からしっかり見積りを取り寄せ、きちんと比較し、賢くバスを手配しましょうね。
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