「貸切バス」とは何か?乗合バスとどう違う?

「貸切バス」とは何か?乗合バスとどう違う?

貸切バスを自分たちで運転手付きで借りて、オリジナルの観光旅行(バスツアー)に出かけるという人が増えてきました。これまでバスツアーというと旅行会社が企画したものが多かったのですが、行き先がある程度決まっているから、バスだけ借りて出かけたいという要望に応えてくれるのが「貸切バス」です。

今回は貸切バスについて、よくわからないという方のために詳しく解説していきましょう。また、私たちが普段よく利用している路線バス・高速バス(=乗合バス)との違いについてもわかりやすくお伝えします。

▼貸切バスの豆知識シリーズ
借上げバスとは?
「観光バス」とは何か?
貸切バスは1日何時間まで運転してもよい?
貸切バスは1日何キロまで運転してもよい?
貸切バスで移動する場合、休憩時間はどのように取る?
バスは何人から貸切できる?
バスの2024年問題とは?

「貸切バス」とは運転手付きでレンタルできるバスのこと、どなたでも自由に利用できます

運転手付きでレンタルできる貸切バス
(撮影協力:アビコ西武観光)

「貸切バス」とは読んで字のごとく、自分たちだけで「貸切」して好きな行き先へ自由に移動できるバスのこと。通常はバス会社から運転手付きでレンタル(チャーター)します(マイクロバスだけは運転手なしでレンタカー会社から借りることが可能)。

貸切バスはどなたでも借りることができ、使い方も行き先も走らせるコースも、利用者の方が自由に決められます。貸切バスの主な利用方法は以下の通り。

  • 旅行会社:日帰りや宿泊を伴う観光旅行(バスツアー)
  • 企業(会社):社員旅行や社員研修、工場見学、社員送迎などの移動手段として
  • 自治体:視察や研修の移動手段として
  • 学校:校外学習や修学旅行、遠足、スクールバスなど
  • サークルやクラブ:部活や試合、遠征、合宿送迎など
  • 各種団体:イベントや見学会、演奏会・選手送迎など
  • TVや映画などの制作会社ロケバス、バスを使った番組制作など
  • 個人冠婚葬祭の送迎、個人(家族)での団体旅行

実に多彩な使われ方をしているのがわかりますね。貸切バスは利用者がお金を払って、バス会社にバスを希望する行程で運行してもらうもの。

運転手付きのレンタル(チャーター)料金さえ支払えば、利用者がたとえ1人であっても運行してもらえますよ。

貸切バスを目的・用途で選ぶ≫

路線バス・高速バス(=乗合バス)と「貸切バス」はどう違う?法律の話もちょっぴり

路線バスは乗合バスと同じ意味

私たちの身近にあるバスといえば、路線バスや高速バス。停留所(バス停)が決まっていて料金も事前にわかる乗り物なので、安心して利用できますね。

路線バスや高速バスは「乗合バス」といって、不特定のお客様を乗せて、あらかじめ設定された運行ルートを走行。停留所(バス停)で乗客が自由に乗り降りできる運行形態のことをいいます。

路線バスは比較的近距離(町内や市内など)を結ぶルートで、学校や病院、駅など通勤・通学・通院などに便利な足として活用されているものです。高速バスは比較的遠距離で、東京と大阪など離れた都市間を移動するのに便利なバス。

高速バスとは離れた都市間を移動するのに便利な乗合バス

路線バスも高速バスも不特定のお客様を乗せて走らせることから「乗合=他のお客様と同乗する」バスと呼ばれているというわけです。タクシーや船なども他のお客様と一緒に利用する時は「乗合」といいますね。

法律上、バス会社は貸切バスを運行する場合は「貸切」の、路線バス・高速バスを運行する場合は「乗合」のバス事業認可(ライセンス)が必要になります。厳密にいえばもう一つ、スクールバスや社員・介護施設などの定期送迎を請け負う「特定」というライセンスも。

「乗合」のライセンスしか持たないバス会社は、路線バスを「貸切バス」として運行することはできません。同様に「貸切」のライセンスしか持たないバス会社は、路線バス・高速バスを運行することはできないのです。

「貸切」「乗合」のライセンスを両方持つバス会社なら、路線バス・高速バスを貸切バスとして利用できる

乗合・貸切両方のライセンスを持っていれば路線・高速バスの貸切可も可

テレビ番組などで“路線バスの旅”というものがあり、貸切(他の乗客は乗せず、タレントさんだけ乗っている)で使われているのを見かけるかと思います。

運行するバス会社が「乗合」「貸切」両方のライセンスを持っていれば、路線バスを貸切して利用するのはOK。詳しい条件は以下の記事を参考になさってくださいね。

同じ「乗合バス」である高速バスもバス会社が貸切事業で認可を得ていれば、貸切運行は可能。ただし、路線バス・高速バスを貸切運行する場合は、「貸切バス」としての料金体系で運行することになるのでご注意を!

例えば、「路線バスでA駅からB駅まで1人220円、40人×220円=8,800円で貸し切れるでしょ?」と思うかもしれませんが、そうでないということ。

それぞれのライセンス(事業許可)ごとに料金体系が決まっており、路線バス・高速バスと同じ料金を貸切バスに適用することはできないからです。

高速バスの場合、路線バスと違って売り出しと同時にすべての座席を抑えることができれば「貸切状態」で利用できます。事前に相談すれば、大人数での座席予約にも対応しているバス会社もあるそうですよ。

ただしこの場合はあくまでも「乗合バス」としての運行になるため、運行時間や立ち寄り先の変更は不可。事前に決まっているルート・時間を守って走らせなければなりません。

自分たちの決めたルートで自由にバスを使いたいなら断然「貸切バス」!

自由な使い方が楽しめる貸切バス
(撮影協力:アルモニア)

例えば聖地巡礼やオタクツアーなど、通常の観光ルートに乗らない場所へ旅行したい時などは貸切バスがとても便利ですよね。

また学校の入学説明会や工場・店舗視察など、公共の交通機関を利用すると効率が悪い場所を回る時など貸切バスは特に機動力を発揮します。

結婚式法事送迎など、高齢者や小さなお子様がいるときなどは自宅近くまで迎えに来てもらえるので便利。自分たちだけの貸切空間なので、他のお客様に気兼ねなくくつろげます。

初めて貸切バスを利用するのでもっと詳しく知りたいという方は、以下の記事を参考になさってくださいね。「貸切バスの達人」を活用して、バスをもっと身近な移動手段としてお気軽にご利用ください。

この記事を書いた人
バス観光マガジン編集部

バス観光マガジンの中のヒト。貸切バスについての基礎知識やバス旅行のヒント、バスファンのための情報など、バスに関する楽しいコンテンツを日々お届けします。

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