バスの貸切は何人から?一般的な貸切バスの乗車人数について

バスの貸切は何人から?一般的な貸切バスの乗車人数について

初めて貸切バスを借りる場合、何人まで乗車できるのか。あるいは貸切の条件として何人以上というルールがあるのか気になりますね。

結論からお伝えすると、乗車人数が1名でも貸切バスを運行することはできます(料金は高くなりましが・・・)。また、バスには大型バス・中型バス・小型マイクロバスの3種類あり、それぞれ乗車人数が異なります。

今回は観光バスやマイクロバスなどを運転手付きでチャーターした場合、乗車人数はどのぐらいが適正なのか。最大でどのぐらいまで乗車できるのかについて解説していきます。

▼貸切バスの豆知識シリーズ
貸切バスとは?
借上げバスとは?
「観光バス」とは何か?
シャトルバスとは?
貸切バスは1日何時間まで運転してもよい?
貸切バスは1日何キロまで?
貸切バスで移動する場合、休憩時間はどのように取る?
バスの2024年問題とは?

1人から最大で60人ぐらいまで乗車できる貸切バス

貸切バスを1人の運転手で運転してもよい距離は500㎞まで

貸切バスには大きく分けて3つの大きさ(種類)があります。どのバスであっても1名から貸切が可能。人数が変更になっても、乗車可能人数内であれば1台当たりの貸切バス料金は変わりません。

それぞれのバスの特徴と乗車できる人数についてまとめてみました。

大型観光バス

奢安た観光バス
(撮影協力:東都観光バス)

貸切可能なバスの中で最も大きなサイズが「大型バス」。ちなみに貸切用の観光バスは1台、1台がオーダーメイドで、各バス会社により仕様も座席数も異なります

大型バスの座席レイアウトは、2席×2列で一番後部座席が5席というというのが一般的なパターン。この2席をいくつ設置にするかによって以下のような座席数が考えられます。

  • 2席×10×2列=40席+最後部5席(11列目)=45席
  • 2席×11×2列=44席+最後部5席(12列目)=49席

ここに補助席をいくつつけるかで最大乗車人数が決まる、というわけです。最も多い49席で補助席を11付けたパターンが60人乗りの大型バス。

ただし、この座席レイアウトだとかなり座席と座席の間(シートピッチ)が狭くなってしまうため、観光バスとして利用されることがあまりありません。一般的にはスクールバスや企業の送迎バスなどに利用されることが多く、所有しているバス会社が少ないのが現状です。

しかし、最近では65人乗り大型バス、というのも登場しています。それが三菱ふそうトラック・バスから発売された「エアロクィーン」の特別仕様(ハイデッカー車に設定)です。

「エアロクィーン」の特別仕様 13列仕様(ハイデッカー車に設定)
(画像提供:三菱ふそうトラック・バス)

こちらのバス、なんと2席×12×2列=48席+最後部5席(13列目)=53席。補助席を12付けたら最大で65人も乗車可能になるというわけです。

(画像提供:三菱ふそうトラック・バス)

通常なら座席と座席の間が狭くなってしまうのですが、シート形状を改良することで「2席×11×2列=44席+最後部5席(12列目)=49席」のバスとほぼ同じ空間を確保。リクライニング機能はありませんが、居住性としてはかなり向上させつつ、乗車人数を増やすことに成功しています。

最大で65名乗れて、かつ居住性を向上
(画像提供:三菱ふそうトラック・バス)

こちらのバスを持っているバス会社はまだまだレアですが、大勢で同時にできる限り快適に移動したいという要望に応える画期的な提案となっていますね。

大型観光バスのポイント

  • 一度に大人数を運ぶ(移動する)のに最適なバスタイプ
  • 最大で45名程度が乗車人数の目安
  • 後部座席が回転するサロンバスタイプもある
  • 稀に送迎用として49名乗車できるタイプもある(補助席含めて60人)
  • バス1台当たりの料金はいちばん高くなるが、大勢で頭割りにすると最もリーズナブル

■取材協力

三菱ふそうトラック・バス株式会社

中型観光バス

中型観光バス
(撮影協力:アルモニア)

大型観光バスの長さ(約12m)をそのまま短くした(約9m)のが中型観光バス。貸切可能な観光バスの中でサロン席を設けている場合がある、最も小さなサイズです。

こちらも1台、1台がオーダーメイドですので、各バス会社により仕様も座席数も異なります

中型バスの座席レイアウトは、2席×2列で一番後部座席が5席というというのが一般的なパターン。この2席をいくつ設置にするかによって以下のような座席数が考えられます。

  • 2席×6×2列=24席+最後部3席(7列目)=27席
    ※最後部が4席の場合は28席、5席の場合は29席
  • 2席×7×2列=28席+最後部5席(8列目)=33席

基本的には補助席を付けない中型バス。最も多いのは33席となっており、一般的には観光バスではなくスクールバス等の送迎用としてつくられています。

こちらも所有するバス会社はほとんどありません。というのも、高速道路料金等がバスの座席数で区分が変わるから。

定員数が30人以上になると大型バスと同じ「特大車(30人以下なら大型車の区分)」になり、料金が高くなってしまうのです。このため、中型観光バスには補助席を付けず、30人以下の定員数で作るバス会社がほとんどです。

中型バスは足元が広々
(撮影協力:シティアクセス)

大型観光バスに比べ、座席と座席の間が広いのが中型観光バスの特徴。眺望が良く、かつ、足元もゆったりしているので長距離・長時間の移動もラクラクです。

中型観光バスのサロンタイプ
(撮影協力:シティアクセス)

そして後部座席がコの字型に回転するサロンバスで最も小さいサイズのバスは中型観光バス。少ない人数の利用で、かつ、サロンバスが良いという時は中型観光バスをおススメします。

中型観光バスのポイント

  • 少ない人数でゆったり移動したい時に最適なバスタイプ
  • 最大で27名が乗車人数の目安
  • 後部座席が回転するサロンバスタイプもある
  • 稀に送迎用として33名乗車できるタイプもある
  • バス1台当たりの料金は最大人数で利用すればリーズナブル

小型マイクロバス

小型マイクロバス
(撮影協力:アビコ西武観光)

基本的に送迎用として開発された小型マイクロバス。最もコンパクトで小回りの利くバス(長さ約7m)として人気の高い車種です。

貸切バス料金の中では最もリーズナブルになります(2024年3月現在)。こちらも1台、1台がオーダーメイドですので、各バス会社により仕様も座席数も異なります

小型マイクロバスの座席レイアウトは、2席×1席で一番後部座席が4席というというのが一般的なパターン。ロケバスのように撮影に特化し、座席数を減らしたものも存在します。

  • (2席×5)+(1席×4)=14席+最後部4席=18席
  • (2席×6)+(1席×4)=16席+最後部4席=20席

18席に補助席が付いた場合は23席、20席に補助席が付いた場合は26席が最大乗車人数となる小型マイクロバス。一般的には観光バスではなく簡便な送迎用として活用されているものなので、車内は窮屈に感じるかもしれません。

サロンタイプや冷蔵庫、マイクなどを備えているところは少ないので、観光バスのようにゆったり移動したい場合は、中型観光バスをおススメします。

小型マイクロバスのポイント

  • 貸切バスの中でも最も小さく、お値段が安いバスタイプ
  • 最大で20名程度が乗車人数の目安(補助席利用で最大26名まで)
  • 後部座席が回転するサロンバスタイプはありません
  • 原則、簡便な送迎用のため、観光バスが良い場合は中型観光バスがおススメ

中型観光バスをさらに短くした(約7m)の小型観光バスというのもありましたが、20年以上前に製造終了。排ガス規制をクリアしたエンジンではないため、所有するバス会社がほとんどありません。

値段を抑えたいなら「小型マイクロバス」、観光バスを希望するなら「中型観光バス」がおすすめ。値段を比較したい場合は、両方で見積りをお願いしてみましょう

ちなみに高速バス(高速乗合バス)の定員数は?

高速乗合バス

高速バスで一般的に使用されているのは一番大きな大型バス(約12m)です。こちらももちろん1台ごとにオーダーメイドで、運行するバス会社により、仕様が異なります。

豪華なものから比較的近距離を移動する簡便なものまで、さまざまなタイプが存在。最も少ない座席数で11席ぐらいのものから最大で65席(補助席含む)まで存在するようです。

高速バスは原則、高速道路を利用することが多いため、全員着席してシートベルト装着を想定して作られています。ちなみに高速バスを所有しているバス会社が「貸切バス」の認定を受けていれば貸切も可能。

ただし、料金は「貸切バス」のものが適用されます。高速バスの魅力は値段の安さなので、その料金で利用したいなら発売日に大勢の人で一斉に予約を取るか、高速バスを運行しているバス会社と相談してみましょう。

路線バス(乗合バス)の定員数は?

路線バス(乗合バス)の定員数は

私たちの日常的な足として最も身近にあるのが路線バス。不特定多数の人が利用し、同じ路線を決められた時間通りに運行するものとして「乗合バス」とも呼ばれています。

路線バスの定員数ですが、高速バスとは異なり、大型(約11m)・中型(9m)・小型(7m)と3サイズ。地方の場合さらに小さなハイエースタイプ(コミュニティバス)のものも運行していることがありますね。

路線バスは高速道路を使わないため、シートベルト着用の義務はありません。このため、立ったまま乗車が可能となっています。

  • 大型乗合バス(路線バス):約75名前後まで乗車可能
  • 中型乗合バス(路線バス):約60名前後まで乗車可能
  • 小型乗合バス(路線バス):約50名前後まで乗車可能

さらに小さなハイエースタイプ(コミュニティバス)の場合は、立ったまま乗車が難しいため、補助席を入れて11~13名程度といったところでしょうか。

こちらもバスメーカーやバス会社の仕様により、やはり異なるので定員数は目安と考えていただければと思います。路線バスは所有しているバス会社が「貸切バス」の認定を受けていれば貸切も可能。

短い距離をできるだけ多くの人をピストン輸送したい時などは便利です。この場合、使用するバスは「路線バス」タイプですが、料金は「貸切バス」として計算しますのでご注意を。

貸切バスの定員数はバスの大きさやバス会社により、多少異なる

バス旅行での休憩の取り方まとめ

初めて貸切バスを利用する場合、何人まで乗車できるのか、人数が少なくなったらどうしたらよいのか迷います。結論からいえば、人数が少なくなった場合でも料金さえ支払えば、どんなバスでも運転手付きでレンタル可能。

しかし、できるだけリーズナブルに借りたい場合は、以下の乗車人数が目安です。

  • 大型観光バス:28~43名程度
  • 中型観光バス:21~27名程度
  • 小型マイクロバス:10~20名程度

もちろんこれ以下の人数でも利用できるのでご安心を。最初は「大型」で予約したけど、人数が極端に減ってしまって「中型」「小型」にしたいという場合は、バス会社とよく相談しましょう。

貸切バスの達人」には全国のバス会社が参加中。どの出発地でも簡単に見積り・予約が可能です。

利用日に空きがない場合は、いったんキャンセルして、別のバス会社で探さなければならなくなることもありますので、そんな時はまたぜひ頼ってください。

バスの利用が決まったら、なるべく早く参加人数を確定するのが安心ですね。こちらの記事も参考になさってください。

この記事を書いた人
ちくわ

旅行メディア編集長兼ライター、総合旅行業務取扱管理者、旅行会社勤務経験あり、目黒区ボランティアガイド見習い中。プライベートでも古代史オタクとして年に数回フィールドワークに出かける旅好き。時々バス愛がさく裂!?

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