新型コロナウイルス感染予防のヒントがいっぱい!「第6回バステクin首都圏」
2020年10月30日(金)埼玉スタジアム2002「東駐車場」で、ぽると出版主催「第6回バステクin首都圏」が開催されました。出展者・来場者ともに新型コロナウイルス感染予防に努めつつ、盛況のうちに終了。
会場でのデモンストレーションも、新型コロナウイルス感染症対策に力を入れた内容になっており、来場者の大きな関心を集めていたのが印象的でした。
今年はYou Tubeによるライブ中継も実施されたとのこと。来場できなかったっ方もゆっくり楽しめたのではないでしょうか。
駆け足ではありますが、イベント当日の様子をレポートしたいと思います。
1. 浮遊ウイルスに効果を発揮!オゾン発生器搭載のバス
2. 新型コロナウイルス感染症対策を施した日野セレガで、車内換気デモを実施
3. いすゞ自動車ではエルガミオAT車(路線バス)で車内換気デモを実施
4. ヒュンダイユニバースの換気性能・新型コロナウイルス感染症予防装置の展示
5. CO2削減に電気バス!静かで走りもパワフルなオノエンジアリングの路線バス
6. オノエンジニアリングのEVバス採用!小江戸川越のイーグルバス
7. 二次架装で新柄コロナウイルス感染を防ぐ!エムビーエムサービス
8. 抗菌コーティングや飛沫防止用アクリル板取り付けデモを行ったエムシー
9.独自の二次架装で快適なシートレイアウト&コロナ対策!中京車体
10.その他の展示や催しをダイジェストにご紹介!
浮遊ウイルスに効果を発揮!オゾン発生器搭載のバス
「オゾン(O3)」は安定した酸素(O2)に戻りたがる性質を利用して除菌・脱臭するもの。酸素は細菌や悪質物質と結びつきたがるので、スピーディに浄化します。
空気中に浮遊しているウイルス(インフルエンザやノロウイルスなど)を不活性化する作用があるので、これからの季節にもぴったり。オゾンの良いところは自然界にも存在するもので、残留毒性もありません。
今回、オーニットが坂本自動車とともに展示した東京シティ観光の日野セレガで、オゾン発生器の展示とデモを行いました。
オゾンは目に見えないので、写真には写りませんが・・・。車内は爽やかな感じを受けた気がします。
こちらのバスは衝突防止補助システム・モービルアイも搭載されています。
ドライバー異常時対応システム、車線逸脱警報システム、衝突被害軽減ブレーキ搭載のASV(先進安全自動車)に、後付けできるモービルアイの追突警報システム、ドライブレコーダーを搭載。安心・安全を高めたバスになっています。
もう1台、坂本自動車/オーニットではオゾン発生装置を装着した路線バスタイプの日野ブルーリボンハイブリッド(中日臨海バス所有)を展示。
運転席と客席の間は飛沫防止板を設置しています。4席分の座席を折りたたみ、車いすを固定できる仕様です。
新型コロナウイルス感染症対策を施した日野セレガで、車内換気デモを実施
続いてご紹介するのは日野自動車。新型コロナウイルス感染症対策品を施した観光バス日野セレガで、車内換気のデモを行っていました。
舞台演出などにも使われるスモークをバス後方でたき、車内に白い煙を充満させて実験開始。外気導入モードを最強に設定し、何分で視界がクリアになるかを見せていただきました。
デモは外に設置されたモニターで確認。バスの中に充満したスモークは、みるみるうちに排出され、車内がクリアになっていくのがわかります。
外の新鮮な空気はバス前方床下と屋上エアコンユニットから導入。車内の空気はバス後方(下記写真の向かって右側)にある換気ファンが回り、強制的に排気されます。
またバス前方上部(上記写真の向かって左側)からも排気。車内換気が不安で観光バスの利用をためらっている方には、日野自動車が提供している動画もありますので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
日野自動車の展示ブースでは、バスに装備した感染症対策品を詳しく紹介していました。
体温を自動で計測できる「体表面温度計測サーマルカメラ」やオゾン発生発生装置、手指の消毒液などなど。こちらも大勢のお客様が立ち寄り、説明を受けていました。
いすゞ自動車ではエルガミオAT車(路線バス)で車内換気デモを実施
日野セレガに続いていすゞエルガミオでも車内換気デモを実施。路線バスの場合は、停留所で人の乗り降りがあるため、電車同様比較的換気状況は良好といわれています。
こちらも車内後方でスモークを焚き、何分で車内がクリアになるかを実験。2分と経たないうちにみるみるスモークが見えなくなりました。
いすゞ自動車でもエルガの換気デモの様子を撮影した動画を公開しています。
お客様が安心して利用できるよう、こちも活用してみてはいかがでしょうか。
展示されていたエルガミオは2020年発売のアリソン製6速トルコンATを搭載した中型路線バス。車内には随所に新型コロナウイルス感染症対策が工夫されています。
運転席と客席の間には飛沫防止板(試作品)を設置。
バス車内の天井3か所にプラズマクラスターイオン発生装置、各出入口に消毒液ボトルを設置しています。ボトルはどんな形状、サイズにも適用できるようマジックテープのようなもので固定できるよう工夫されていました。
また上部引き違い窓バイザーが左右に2個ずつあり、換気扇ステッカーも用意。利用者へ安心を「見える化」する工夫が施されていました。
ヒュンダイユニバースの換気性能・新型コロナウイルス感染予防装置の展示
現代自動車ジャパンは、2019年に発売されたユニバース6速AT仕様のマイナーチェンジモデルを展示。排気量9.96リットル、最高出力430PS のエンジンを搭載しています。
衝突被害軽減ブレーキAEBS、車線逸脱警報装置LDWS、車両安定性制御装置VDC標準装備です。
バス車内では新型コロナウイルス感染予防装置を展示。運転席後方だけではなく、客席のシートにもアクリルボードを設置することで安心感を高めています。
ヒュンダイユニバースは強制換気を行うことで、車内の空気を約4分弱で入れ替え可能(窓を閉め切った状態で)。バス前方の運転席デフロスター部とルーフ上部に設置されたユニットクーラー、天井換気扇(吸気モード)から新鮮な外気を導入し、車両前方下部(入口ステップ部)・車両後方天井に設置された換気扇(廃棄モード)より排出します。
今回のイベントではデモはありませんでしたが、公式ホームページで動画が配信されています。ぜひ、そちらを参考になさってください。
現代自動車ジャパンでは試乗用にもう1台展示。2列×1列シートのレイアウトでゆったり静かな乗り心地が体験できました。
CO2削減に電気バス!静かで走りもパワフルなオノエンジニアリングの路線バス
中国・揚州亜星(ヤーシン アジアスター)製のバスを「第2回バステクin首都圏2016」で、初めてお目見えして話題をさらったオノエンジニアリング。プレミアム仕様の観光バスは姿を消した小型の観光バスに代わるポジションとして、注目を集めました。
今回は欧州でも次々転換が進んでいる電気で走る路線バスを2タイプ展示していました。10.5mの中型車と7mの小型車は、それぞれ試乗車として運転&乗車体験が可能。
コースを走っているのを見ていましたが、ともかく静かでパワフル。加速や停止もスムーズで乗り心地は最高でした。
7m車はコミュニティバスにぴったり。展示車は乗降口が2か所設けられていましたが、1か所に変更することも可能だそう。
ノンステップフロアでバリアフリー仕様。3席分が自動跳ね上げ式になっていて車椅子やベビーカーで乗車した場合もスムーズです。
非常口は2か所でバス右側にシートを傾けて脱出する出入口と、後部天井にある換気扇を外して脱出てきる欧州式機能が採用されています。
続けて10.5mタイプをご紹介。見た目は国産の路線バスと変わりありません。
車線逸脱警報や衝突被害軽減ブレーキを標準装備。バスが万が一横転しても脱出口が確保できるように、こちらも天井にリフト式の脱出口兼換気扇が備わっています。
また窓ガラスを割り脱出できるようハンマーがあるところも欧州スタイル。バリアフリーのノンステップはもちろん、座席4席分を跳ね上げ、車椅子スペースもしっかり確保されています。
EVバスというと走行距離やパワー、充電時間が心配という方もいらっしゃるかもしれません。その点、ヤーシン社のバスはヨーロッパでも大人気のメーカー。
1回の充電で約250㎞以上の走行が可能で、最高速度80㎞とスピードも充分です。急速充電器を使えばなんと30分で充電が完了するとか。
2025年を目標にディーゼルバスを電気バスに転換が進んでいる欧米都市。日本でも今後は電気バス、水素バスが主流になっていくはず。
メンテナンスもしっかりしてくれるオノエンジニアリングの電気バスは、選択肢の一つとして魅力的ですね。
オノエンジアリングのEVバス採用!小江戸川越のイーグルバス
イーグルバスは「小江戸・蔵の町」で人気の観光路線バスを“小江戸巡回バス”を運行しています。以前からレトロな雰囲気たっぷりのボンネットタイプのデザインで街並みに溶け込み、観光客の目を楽しませてくれていました。
今回、環境にもやさしいEVバスで、オノエンジニアリング協力のもとオリジナルデザインのボンネットバスを開発。見た目はクラシカルですが、中身は最新式の性能を備えています。
イーグルバスがボンネットバスを導入したのは1997年。この度、経年劣化により買い替えを検討していたところ、すでに販売終了となり困っていたとか。
ボンネットバスのメンテナンスを引き受けてきたオノエンジニアリングに依頼し、今回展示されたEVボンネットバス開発につながったそうです。
日本初となる本格的な電気で走るボンネットバス。すでに川越の町を走っているとのこと。ぜひ、イーグルバスで小江戸・蔵の町を楽しんでみては?
二次架装で新型コロナウイルス感染を防ぐ!エムビーエムサービス
三菱ふそうバスの二次架装でおなじみのエムビーエムサービス。今回は新型コロナウイルス感染症予防に有効な装備を紹介していました。
アルペン交通所有の三菱ふそうローザ・ロングに、運転席後方に飛沫防止ガードを設置。
さらに車内にはプラズマクラスター、光触媒除菌・脱臭機(壁掛けタイプ)、自動で噴霧してくれる消毒器、光触媒除菌・脱臭機能付きLED灯、雨天でも車内換気が可能な側窓ウィンドバイザーを設置しています。
抗菌・抗ウイルスに効果的といわれているコーティングはエムシーの施工。発光ダイオード(LED)や蛍光灯の光でも反応する可視光応答型で、車内でも効果を発揮してくれるそうです。
エムビーエムサービスではもう1台、抗菌コーティングの実演用として大型観光バス・エアロエースを出展。
車内で実際にコーティングする様子をデモンストレーションで見せていただきました。
新型コロナウイルスの影響で日々清掃や消毒に追われるバス事業者さんにとって、抗菌コーティングも有効な手段。お客様への安心アピールにもおすすめです。
抗菌コーティングや飛沫防止用アクリル板取り付けデモを行ったエムシー
エムシーの光触媒コーティングを実際に施行しているところをデモンストレーションしていたのが、白山きたさきバス提供の日野セレガ。2種類の液剤を吹き付けて定着させると約2年間は効果が持続するそうです。
運転席後に設置できるL型アクリルボード、平型アクリルボード、センサー式消毒器なども展示されていました。
また、バスに乗降する際に足元を除菌できる「アルカウイル」をしみこませたマットも展示。アルカウイルはホタテ貝殻焼成パウダーを使用した天然成分で、ウイルスの不活性化に優れた効果を発揮します。
バスの中に菌やウイルスの持ち込み低減が期待できるそうですよ。事務所の出入り口に設置する足拭きマットにも活用できます。
独自の二次架装で快適なシートレイアウト&コロナ対策!中京車体
二次架装で有名な中京車体工業からは、日野リエッセⅡスーパーロング。メーカー標準仕様では、後方にトランクルームが設置されていますが、独自のシートレールを装着し、後方まで純正シートをレイアウトしています。
この他、新型コロナウイルス感染症対策として手首をかざすだけで体温が図れる装置や、運転席と座席を遮る飛沫感染防止シートなどを施しています。
実際に装備されているのを見ると、イメージが湧きやすいですね。
その他の展示や催しをダイジェストにご紹介!
シートを中心に小型バスの内装を手掛ける丸菱工業からは、車内のイメージチェンジを気軽にできるフリーデザイン・シートカバーの紹介。三菱ふそう・ローザにイラストやPR文などをプリントしたシートカバーを架装して展示していました。
イラストや写真、QRコードなどのプリントが自由自在。観光地の紹介などにも役立ちますね。
この他にも安全運行をアシストする装置や新型コロナウイルス感染予防策に役立つ装置、バリアフリーをアシストする装置など、バスの運行をスムーズにするアイデアがいっぱい!
さらに会場では沖縄・北部観光バスの元男性バスガイド・吉原治雄さんによる唄と三線の演奏も行われました。
晴れ渡る青空の下に響く三線の音色は心地よく、すっかりリラックスした気分になりました。
会場では国土交通省関東運輸局・自動車技術安全部の皆川幸太氏による「安全なバス輸送に向けて」をテーマにしたセミナーが午前と午後に2回開催されました。
新型コロナウイルス感染症の影響で次々とイベントが中止される中、無事開催された「バステクin首都圏」。例年よりも少ないバスの展示となりましたが、その分、内容の濃いイベントとなりました。
次回の開催も楽しみにしています!
■取材・撮影協力
株式会社ぽると出版
「バスラマインターナショナル」
「第6回バステクin首都圏」
【開催日時】2020年10月31日(金) 10時~16時
【開催場所】埼玉県さいたま市緑区美園2-1 埼玉スタジアム2002 東駐車場
【協賛】公益社団法人日本バス協会、一般社団法人東京バス協会
【後援】国土交通省関東運輸局
【主催】株式会社ぽると出版
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