西武バス90周年大感謝祭をレポート

「西武バス90周年 大感謝祭」を12月11日(日)開催!3扉のA7-403号車を笹カラーで復元展示など、過去最大級の車両展示で大盛況

皆さん、こんにちは!編集部Iです。この度、西武バスが90周年を迎え、大々的なイベントを2022年12月11日(日)に開催するというニュースをキャッチしました。

早速、取材すべく埼玉県にある西武園ゆうえんち駐車場へ。過去最大級の展示台数を予定しているとのことで期待値マックスです。

また、90周年企画として西武バスに里帰りした3扉車も笹カラーに復元後、初展示するとのことでこちらも楽しみです。

イベント会場は大々行列!3,000人を超える来場者があった模様

3000人を超える来場者で大盛況

イベントは10時スタートということで、本当はあさイチで訪れたかったのですが、予定があり12時頃に来場。到着時にはイベント会場が密になりすぎないよう、入場制限がかかっていました。

西武バスの方に伺ったところ、来場事前登録された方の人数が2,600名を超えたため、12月8日(木)には登録終了。登録なしで当日来場された方も一定数いらしたため、おそらく3,000名は超えていたのではないでしょうかとのことでした。

西武バスが感謝祭を開催するのは、2017年以来の5年ぶりとのこと。皆さん、待ち望んでいたのでしょうね。バスファンはもちろん、若者、ご年配者、小さなお子様連れのご家族などなど、多彩な顔ぶれでイベントを楽しまれていました。

西武バス90年の歩みとこれからの期待を込めて制作された記念ロゴ

西武バス90周年記念ロゴ
西武バス90周年記念ロゴ

西武バスが産声を上げたのは、1932年12月19日のこと。浦和町 (現さいたま市)に「東浦自動車」の名で設立されたのが最初です。

東京都西部、埼玉県南部を中心にバス事業を展開し、1969年に現在の「西武バス」に名称を変更。地元からこよなく愛され、2022年で設立90周年という歴史を刻んできました。

90周年を記念して作られたロゴは、西武バスのイメージカラー「ピーコックブルーの笹の葉」と、2020年に登場した新カラーリング「S-tory」デザインをモチーフに作られたもの。

これまでの感謝とこれからの期待をクラッカーで表現したそうですよ。

「西武バス90周年記念 大感謝祭」の様子をダイジェストでご紹介!

西武バス90周年記念大感謝祭会場マップ
(画像提供:西武バス株式会社)

それでは早速、イベント当日の様子をダイジェストでご案内します。今回は西武バス以外に、ゲストとして小田急バス・関東バス・国際興業・東武バス・レシップ・伊豆箱根バス・近江鉄道・西武鉄道・西武ライオンズが出展。

展示バス台数は過去最大級の16台となりました。

一番人気は「帰ってきた三扉車」A7-403号車

「帰ってきた三扉車」A7-403号車
A7-403号車(画像提供:西武バス株式会社)

今回のイベント、注目を集めていたのは「帰ってきた三扉車」A7-403号車です。日産ディーゼルスペースランナーUA(KC-UA460HSN/PG6/ロッドシフト/17型 E/3扉)1997年式のもの。

A7-403号車は、保谷駅発着系統の狭隘箇所および混雑に対応するため、西武バスで初めての短尺3扉車として上石神井営業所に1997年5月に新車を導入したのが始まりです。

その後、2009年に近江鉄道株式会社に譲渡。2022年7月に引退後、8月に西武バスへ戻ってきました。

近江鉄道に譲渡された
近江鉄道から戻ってきたA7-403号車(画像提供:西武バス株式会社)

そして、9月には飯能営業所で貸切車両として登録。笹カラー復元を始め、内外装整備し、今回の西武バス90周年大感謝祭にてお披露目されたというわけです。

帰ってきた短尺3扉車

3扉車は、前扉・中扉・後扉が付いた路線バス車両。前扉から乗車し、終点では中扉・後扉の両方を開けて降車をスムーズにと考えられたものです。

最近のノンステップバスだと、中扉から後方が一段高くなっているため、バスの乗客が奥まで詰めにくいという欠点があります。しかし、この3扉車の場合は後方まで段差がないため、詰めやすいというメリットがあったそうです。

2000年(平成12年)に施行された交通バリアフリー法(高齢者、身体障碍者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律)により、バスメーカーが製造しなくなったため、街中で見かける機会がなくなってしまいました。

「珍しい」「懐かしい」そんな思いで大勢の来場者の注目を集めた一台です。

もう1台注目を集めていたのが三角バス!

三角バス(いすゞCOEバス BF20)
三角バス(いすゞCOEバス BF20)(画像提供:西武バス株式会社)

そしてもう1台、人気を集めていたのが三角バス「いすゞCOEバス BF20(車体構造は川崎航空機重工業株式会社)」です。所属は西武バス 秩父営業所。

天井がすぼまっている独特の形

年式は1966年(昭和42年)で、狭いトンネルなどを通り抜けしやすいように、屋根を狭くした特注の車体なのだそうです。今まで、ボンネット型やキャブオーバータイプは見たことがありますが、この形状は初めてです。

三角バスの車内は天井が低い

天井はかなり低く、小柄な女性でも手が届きそう。とてもきれいに保存されています。

日産ディーゼルスペースランナーがもう一台、A9-375号車

A9-375号車
A9-375号車(画像提供:西武バス株式会社)

西武バスA9-375号車は、日産ディーゼルスペースランナーRA(PKG-RA274KAN)の2009年式の路線バスです。希少となった日産ディーゼル工業のバスを直接見るのはちょっと感激です。

日産ディーゼル工業は旧・日産自動車の関連会社で、現在はスウェーデンにあるトラックメーカー・ボルボ社の子会社「UDトラックス」。2011年でバス事業から撤退しています。

日産ディーゼルスペースランナーRA(PKG-RA274KAN)の2009年式の路線バス

こちらは西日本車体工業が架装したもの。ノンステップバスでバリアフリー仕様となっています。

A2-875号車「西武ライオンズクラシックラッピング」

西武バスA2-875号車「西武ライオンズクラシックラッピング」
A2-875号車「西武ライオンズクラシックラッピング」

西武バスA2-875号車「西武ライオンズクラシックラッピング」は、三菱ふそうのエアロスター(QKG-MP35FK)2012年式です。正面は笹カラーのままで、レジェンドブルーの車体にライオンズマークをデザイン。

所沢営業所管内を限定運行したものだそうです。

A9-389号車(いすゞエルガ PKG-LV234L2)、オリジナルトミカでも発売

A9-389号車(いすゞエルガ PKG-LV234L2)
A9-389号車(画像提供:西武バス株式会社)

続いてご紹介するのは、笹カラーのA9-389号車(いすゞエルガ PKG-LV234L2)です。今回、西武バスでは初めてオリジナルトミカを2種類発売。

1台はこちらのA9-389号車です。

新塗装「S-tory」A0-185号車(三菱ふそうエアロスター)

A0-185号車
A0-185号車(画像提供:西武バス株式会社)

オリジナルトミカ、もう1種類発売したのがこのA0-185号車。「S-tory(エストリー)」は西武バスが67年ぶりに路線バスカラーデザインを変更して、2020年4月から順次導入されているものです。

A0-185号車の車内

都心部から多摩・埼玉県西部に横へと広がる鉄道路線を、縦に走る路線バスが結ぶ西武バス事業エリアの特徴を生かし、縦横に伸びる交通網をコンセプトにしたデザイン。

西武グループの一員としてのコーポレートブランドカラーが基調です。こちらのカラーデザインは、2020年のグッドデザイン賞を受賞しました。

普段はめったに見ることができない研修車「S-tory prologue」J-001号車

研修車「S-tory prologue」J-001号車
J-001号車(画像提供:西武バス株式会社)

「S-tory prologue(エストリー プロローグ)」は西武バスが運転士の技能レベル向上を目指して、デジタル技術を活用したフルオーダーの研修車両です。

いすゞ エルガ(2KG-LV290N3)2022年式路線バスで、新カラーリング「S-tory」のデザインをオリジナルアレンジした車体となっています。

J-001号車の車内

運転士の運転傾向を計測し数値化する機能を持たせてあり、安全確認の状況等もデータ化されるいという仕組み。以下、研修車両に搭載されている主な装備と機能です。

  • Object(オブジェ):車両と運転士の体の一部にセンサーを取り付け、運転士の行動や車両速度を計測
  • アイマークレコーダー:運転士が運転中にどこを見ているかを計測
  • 距離計測機能:前方や側方の車、障害物との距離を測定
  • 動揺計測機能:加速度を計測し、車内の揺れを計測

これまで、運転指導教官の経験に基づいた指導に頼ることが多かった指導ですが、客観的なデータに基づく研修が可能に。新人運転士だけではなく、ベテラン運転士の運転技術や安全確認の癖を再認識させることも可能となっています。

西武バス初のハイブリッドバス、西武総合企画へ移籍したS-448号車

西武バス初の日野ブルーリボンシティ・西武総合企画へ移籍
西武総合企画・S-448号車(画像提供:西武バス株式会社)

S-448号車は、西武バスが初めて2008年に導入したハイブリッドバス・日野ブルーリボンシティ(BJG-HU8JLFP・2008年四季)です。商業施設・学校・自治体・企業の専用送迎バスを運行している株式会社西武総合企画(西武バスグループ)川越営業所の所属。

西武バスには2台のみ導入されたという貴重な車種なのだそうです。このハイブリッドバスは、ディーゼルエンジンと電気モーターの2つの動力源を持っています。

通常走行時はディーゼルエンジンで走行、減速・制動時には発電機を兼ねる電気モーターで減速エネルギーを回生しバッテリーに蓄電、発進・加速時にはモーターがエンジンをアシストするパラレル式ハイブリッドシステムを備えているもの。

以前、日野オートプラザを取材した際に、日光で「わたすげ号」の名前で運行していた展示車両を見たことがあります。

発売当時は床下にあったバッテリーもかなり軽量化され、屋根の上に載せられるように。最新のタイプはモーターだけでも走れるようになったため、とても静かになり、ノンステップバスとして走行できるようになりました。

少なくなってきたレオカラーの西武観光バス・1869号車

西武観光バス1869号車
西武観光バス・1869号車(画像提供:西武バス株式会社)

西武観光バスの1869号車は、白をベースにライオンマーク、青・赤・緑を使ったレオカラーのバス。

西武観光バスは練馬・大宮・狭山・秩父・軽井沢の5営業所で貸切バス、大宮営業所・軽井沢営業所で高速バス、秩父営業所・軽井沢営業所で路線バスを運行しています。

今回展示されているのは、日野セレガの中型観光バス(HD-9 BDG-RU8JHAA)2018年式。一時、西武バスといえばこのラッピングだったなと懐かしく思います。

ハイグレードな貸切バス「レグルス」、西武観光バス・1213号車

西武観光バス1213号車「レグルス」
西武観光バス1213号車「レグルス」(画像提供:西武バス株式会社)

西武観光バス「レグルス」はいすゞガーラ(QPG-RU1ESBJ)2012年式、豪華仕様の貸切バスです。ゆったりとした足元の正席26名乗り、高級リクライニングシートを採用。

通常の観光バス座席であれば、前後約79㎝のシートピッチですが「レグルス」はなんと約110㎝と広々です。

レグルスのこだわりシート

フットレスト・レッグレスト・アームレスト付き、ピローが可動式なので長距離移動も楽々。

さらに大型洗面台付き化粧室で、ドライヤーや各種アメニティも充実していると至れり尽くせりです。

洗面台付きの化粧室

エンターテイメントとして、通信カラオケ、地デジ放送・DVD、100Vコンセント付き。大型液晶モニター3台があり、パソコン接続も可能なので、会議や研修、打ち合わせなどにも活用できます。

ライオンズのラッピングバス、西武バス・1781号車

西武バス・1781号車
西武バス・1781号車(画像提供:西武バス株式会社)

西武バス練馬営業所所属の1781号車は、いすゞガーラ(QRG-RU1ESBJ)2017年式で、ライオンズのラッピングが施された高速バス。2012年に導入されたレジェンドブルーカラーが施されています。

独立3列シートを装備し、新潟線・富山線などの長距離高速路線で活躍中。

3列独立シートの長距離高速バス

こちらのバスは交替運転士の仮眠室が付いており、中をのぞくことができました。

交替運転士の仮眠室
交替運転士の仮眠室

仮眠室はちょうどバス中央ぐらいに位置しており、バス車内にあるトイレ脇のドアから出入りできます。

バス車内に通じているドア
バス車内に通じているドア

「地面からの衝撃や音、振動などは気になりませんか?」と、バスドライバーさんに話をうかがったところ、大変快適だとのこと。

快適に休めるという仮眠室

小窓からは外を走る車のタイヤなどが見えるので、最初はちょっとびっくりするそうですが、慣れてしまえば特に気にならないとおっしゃっていました。うーん。ぜひ一度、体感してみたいものです。

かなり駆け足で紹介してきましたが、それでもこのボリューム!

今回のイベントがかなり大掛かりだったことがわかります。この続きは、数々のバスまつりの取材を体験してきたアルバイトのN子にバトンタッチ。

ゲストで参加された各企業さんのバス、ブース、バスまつりのにぎわいをお届けします。こうご期待!

■取材協力

西武バス株式会社

西武バス90周年大感謝祭ポスター
(画像提供:西武バス株式会社)

【開催日時】2022年12月11日(日)10時~15時
【開催場所】西武園ゆうえんち駐車場
【イベント概要】
(1)車両展示
(2)新作グッズ販売
(3)オリジナルグッズ販売
(4)バス部品販売(初オークション)
(5)90周年パネル展
(6)こども縁日(小学生以下対象)
(7)謎解きイベント

西武バス90周年大感謝祭特設サイトはこちら≫

この記事を書いた人
ちくわ

旅行メディア編集長兼ライター、総合旅行業務取扱管理者、旅行会社勤務経験あり、目黒区ボランティアガイド見習い中。プライベートでも古代史オタクとして年に数回フィールドワークに出かける旅好き。時々バス愛がさく裂!?

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