100周年を迎えた都営バス、特別ラッピングバスが東京タワーに大集結!

100周年を迎えた都営バス、特別ラッピングバスが東京タワーに大集結!

都民の足として親しまれている都営バス。1924年(大正13年)に東京市営乗合バスとしてその歴史をスタートさせました。

今回はその100周年を記念して行われた「都営バス100周年記念イベント」に潜入。歴代の懐かしい特別ラッピングバスを激写してきましたのでぜひお楽しみください。

東京タワー屋外特設会場で行われた「都営バス100周年記念イベント」

東京タワー屋外特設会場に集結する都営バス

「都営バス100周年記念イベント」が開催されたのは2024年1月20日(土)。場所は東京タワーの南側駐車場です。

100周年記念イベントでは「旧塗装ラッピングバス・オリジナルデザインラッピングバスお披露目撮影会」「都営バス100周年記念シークレットバスツアー」が開催されました。

「都営バス100周年記念シークレットバスツアー」は歴代の塗装デザインや、100周年オリジナルデザインを施したラッピングバスに乗車して、特別なルートを巡るというもの。

180名招待という枠に対して、なんと約12,000人の応募があったとか。かく言う私も応募していました(もちろん落選)。約67倍という倍率を潜り抜け、当選された方、おめでとうございます!

イベント当日は数多くのメディアが取材に訪れ、入場者数もかなり多くなることが見込まれたことから、整理券を配布するなどの入場制限が行われました。

旧塗装ラッピングバス・オリジナルデザインラッピングバスをご紹介!

旧塗装ラッピングバス・オリジナルデザインラッピングバスのご紹介

それではさっそく、旧塗装ラッピングバス・オリジナルデザインラッピングバス全5台を順番にご紹介していきましょう。

都営バス100周年を記念したラッピングバス

都営バス100周年を記念したラッピングバス

最初にご紹介するのが「都営バス100周年を記念したラッピングバス」です。100周年を迎えることができたことを感謝し、その思いを利用者と分かち合いたいとデザインされたもの。

都営バスカラーをベースにした100周年記念ロゴ

クリーム色の地色に都営バスのカラーである緑とオレンジ、人気キャラクターのみんくるを組み合わせたオリジナルロゴが描かれていました。

1951年カスケードブルーに塗装された都営バス

1951年カスケードブルーに塗装された都営バス

続いてご紹介するのが1951年採用の、カスケードブルーと呼ばれる基本色を採用した都営バス。帯色はオレンジと白を使用しています。

帯色はオレンジと白になっている

1951年に採用される前は、車体によりデザインが異なり、いくつかのカラーが混在していたのだそうです。この時から全車両で統一されたカラーになりました。

実は私の母、昭和30年代に都営バスの車掌をしておりました。母が車掌をしていた時期はちょうど東京タワーができた頃(1958年)。

乗っていたバスはきっと、このカラーリングだったのではないかと思います。

1959年クリーム×マルーンカラーの都営バス

1959年クリーム×マルーンカラーの都営バス

続いてご紹介するのが1959年に採用されたクリーム×マルーンカラー(暗い茶色から紫がかった赤の色合い)の都営バス。都電とおそろいのデザインとして誕生しました。

明るいカラーが当時、とても斬新だった

明るいカラーが当時、とても斬新に感じられたようです。

1968年アイボリー×スカイブルーカラーの都営バス

1968年アイボリー×スカイブルーカラーの都営バス

1968年に採用されたのがアイボリー×スカイブルーカラー。発展した東京の色と調和を考慮したデザインとして誕生したものだそうです。

当時の知事・美濃部カラーの名前で呼ばれたことも

当時、東京都知事を務めていた美濃部良吉さん(1967年4月23日~1979年4月22日在任)の名前を冠して“美濃部カラー”と呼ばれたこともあり、都民から親しまれたラッピングでした。

1980年イエロー×マルーンカラーの都営バス

1980年イエロー×マルーンカラーの都営バス

歴代のラッピングの中で一番不評だったといわれているのが、この1980年イエロー×マルーンカラー。高度経済成長期を迎えていた当時、自動車の交通量が増加する中で、事故の防止とバスの利用促進をアピールするために、視認性の高いデザインとして導入されました。

都民に不評だったカラーリング

しかしこのデザインには、見やすいという評価がある一方で、野暮ったいという意見や、車体だけを目立たせるのではなく、都市景観全体の調和を考えるべきだという色彩の専門家からの指摘など、多くの声が寄せられ、論争となったバスでした(参照元:都営バスホームページより)。

1982年クリーム×グリーンカラーの都営バス

1982年クリーム×グリーンカラーの都営バス

現在の都営バスといえばこの黄緑色のカラー。1982年に採用されたクリーム×グリーンカラーが初めなんですね。

途中でグリーンのラインが折れ曲がるデザイン

車体横に入っている黄緑色のラインが、後輪の上で折れ曲がるというデザインは他のバス会社にも影響を与えたそう。“ナックルカラー”と呼ばれました。

小池百合子都知事とコラムニストの泉麻人さんが来場、記念セレモニー開催

記念セレモニーと点灯式を開催

会場で11時から小池都知事、泉麻人さん、東京都交通局町・久我英男さん、みんくるによる記念セレモニーがスタート。泉麻人さんは現在、都営バス広報誌「TOKYO 都バス乗り隊歩き隊」にコラム「ふらり都バスの旅」を執筆されています。

「TOKYO 都バス乗り隊歩き隊」と都バス路線案内
写真向かって左が都バス路線案内、右が広報誌「TOKYO 都バス乗り隊歩き隊」

司会進行を務めたのがなんと、都営バス車内案内放送の「声」を担当されている鐵井静寿子(てついしずこ)さんです。

お三方のご挨拶の後、知事の合図でイベント限定方向幕が点灯。大いに盛り上がりました。

どこを周るかは内緒、都営バスに乗って「シークレットバスツアー」に出発

歴代塗装デザインのバス5台に乗って「シークレットバスツアー」に出発

12時35分には「シークレットバスツアー出発式」を開催。事前に応募して当選された180名の方が、5台の歴代塗装バスと100周年記念オリジナルバス1台に分乗し、特別なルートをを巡るバスツアーに出発します。

泉麻人さんもこのツアーに参加。100周年記念オリジナルバスに乗車されていました。

全部で6ルートありますが、行き先やルートは内緒。参加された方はぜひ教えて欲しいです。

最後に都営バス車両、4台の撮影会が行われました

別の都営バス4台が展示

特別塗装が施された都営バスがシークレットバスツアーに出発してしまったので、別の都営バス4台が入れ替え展示。こちらもダイジェストでご紹介していきましょう。

ノンステップバス

都営バス ノンステップバス

1996年(平成8年)から導入をスタートし、2013年(平成25年)には、すべての車両(1452両)をノンステップバスに入れ替えた都営バス。バリアフリー化の第一歩となりました。

フルフラットバス

都営バス・フルフラットバス

2018年(平成30年)からは車内後方の通路段差を解消したフルフラットバスを導入しています。

フルフラットバスの運行は日本で初めて都営バスがスタートさせました。路線バスはどうしてもバスの前方が混雑します。

フルフラットになったことで、バス後方まで移動しやすくなったのがメリットですね。

燃料電池バス

燃料電池バス・都営バス

都営バスで全国に先駆けて水素燃料電池バスを導入したのは2018年3月。2023年6月現在で73両を運用しています。

2024年(令和6年)までには80両まで拡大目標を掲げ、国内初となる営業所内ステーションを有明自動車営業所に整備予定。運用開始は2025年4月頃を予定し、他社のバスも利用できるようにするそうです。

都営バスが保有する観光バス

都営バス保有の観光バス

私、初めて見ました!都営バスが所有している貸切バス(観光バス)です。全部で3両あるそう。車いすの方でも利用できるもので、リフト付きタイプもあります。

路線バスとして運行しているバスも都内近距離の運行なら貸切もできるとのこと。幼稚園の遠足や子ども会の遠足などにいかがですか?

特別ラッピングバスを含め、それぞれ所属する営業所が異なるため、今回のようにいろいろなバスが一堂に会するのはなかなかないチャンス。ファンにとっては嬉しい一日でしたね。

都営バス100周年記念イベントに出展していたブースを駆け足でご紹介

都営バス100年のあゆみ

都営バスファンの方には何よりも楽しみなグッズなどを販売するブース。今回のイベントで出店していたブースを駆け足でご紹介していきましょう。

都営バスの物販ブース
都営バスの物販ブース

なんといっても人気だったのが都営バスグッズを販売するブース。長い長い列ができていました。

都営バス100周年記念ピンバッチやみんくるメラミンカップ、かわいいみんくるぬいぐるみブランケットなどなど。ICカード乗車券専用パスケース「タッチアンドゴー」は円太郎バスやトロリーバスなど3タイプのデザインを販売していました。

都営バス広報誌やノベルティグッズの配布など

そして、100周年記念ノベルティグッズや広報誌「乗り隊歩き隊」100周年記念号などを配布するブース。

都営バス100周年記念ノベルティグッズ

私もお土産にかわいいみんくるデザインのボールペンやリングノート、クリアファイルをいただきました!嬉しい。

バスグラフィックのブース

この他、ネコ・パブリッシングが発行するバス雑誌「バスグラフィック」のブース。

バスイベント「バステクフォーラム」などを主催しているぽると出版。「バスラマインターナショナル」でおなじみです。

バスマガジン

バスファンのための総合情報誌「バスマガジン」のブース。

クラフト木つつ木と合同出展

こちらは「クラフト木つつ木」と共同出展でした。

日本にバスが誕生したのが120周年、都営バスは100周年と歴史を感じるイベント

都営バスが運行を始めた1924年(大正14年)は、関東大震災により、路面電車が大打撃をうけたことがきっかけ。市民の足を確保する応急処置としてアメリカから輸入したトラックを改造し、44両の乗合バスとして運行を開始したそうです。

日本で初めてバスの運行が行われたのは京都で、1903年(明治36年)のこと。現在、バスの日として親しまれている9月20日でした。

都営バスの歴史は都内におけるバスの歴史そのもの、といっても過言ではないと感じられるイベントでした。

普段の日常生活において大事な足でもあり、また、災害やトラブル等で電車が止まってしまった時の代替輸送として機動力を発揮するバス。私たちの暮らしになくてはならない公共交通機関であり、最も身近に感じられる乗り物として、これからも愛され続けていくのではないかと思います。

また、みんくるの頭についている赤いあのアンテナ(触角!?)のようなモノがにょきにょきと「動く」というのを今回初めて気が付きました。謎多きキャラクターですが、どんなパワーが秘められているのかこれからも注目したいと思います。

■取材協力

東京都交通局

この記事を書いた人
ちくわ

旅行メディア編集長兼ライター、総合旅行業務取扱管理者、旅行会社勤務経験あり、目黒区ボランティアガイド見習い中。プライベートでも古代史オタクとして年に数回フィールドワークに出かける旅好き。時々バス愛がさく裂!?

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