日の丸自動車興業×ユーグレナ、バイオ燃料で走る「スカイバス」「無料巡回バス」運行スタート
「バイオ燃料活用における事業化推進支援事業」を行っている東京都。東京の脱炭素化推進と、バイオ燃料関連産業の活性化への寄与を目指して実施されているものです。
2024年5月には、東急バス×東京都市大学×ユーグレナの「産学連携による混合バイオ燃料の普及事業」が採択され、一部の路線バスでユーグレナのバイオ燃料「サステオ」を使用し、2025年2月まで運行する予定になっています。
そして、同じ「バイオ燃料活用における事業化推進支援事業」の支援を受け、2024年10月から日の丸自動車興業×ユーグレナによるバイオ燃料を給油したスカイバス・無料巡回バスの運行をスタート。
10月7日(月)、三菱スカイビルで行われた記者説明およびスカイバス試乗会に参加してきましたのでご紹介しましょう。
日本が掲げる温室効果ガス46%削減目標達成と、バイオ燃料のPRに取り組む日の丸自動車興業
まず初めに日の丸自動車興業・富田哲史社長より、株式会社ユーグレナと共に取り組む東京都「バイオ燃料活用における事業化推進支援事業」についての説明がありました。
バイオ燃料「サステオ」を給油して走らせるバスは、元旦以外は無料で走らせている巡回バス(年間で150万人以上が利用)「丸の内シャトル」「メトロリンク日本橋」「メトロリンク日本橋Eライン」、都市観光で乗り降り自由の「スカイホップ」「スカイバス」(両方合わせて年間16.4万人が利用)の5種類。
東京都から助成が受けられる期間は約1年半。日本が掲げる温室効果ガス46%削減目標には届きませんが、その第1歩として約10%のC02排出抑制効果が見込めるとのこと。ただし、コスト面で「サステオ」を使用した場合、軽油の2倍強となり、運行コスト全体では約12%高くなるという課題が。
このため有料運行している「スカイホップ」「スカイバス」の料金(運賃)見直し、運賃外収入の獲得(ラッピング広告など)を検討。無料巡回バスに関しては新規協賛企業獲得、協賛金の積み増し等を検討しているそうです。
今後は助成期間(1.5年)の間にコスト差をカバーできる体制をつくり、CO2排出削減に継続的に取り組んでいくとのこと。また、条件が整い次第、対象車両を広げていきたいとおっしゃっていました。
また、「スカイバス」「スカイホップ」「丸の内シャトル(無料巡回バス)」側面にバイオ燃料を使用していることをアピールするラッピング、HP、車内、チケットカウンター等で啓蒙ポスターの掲示なども実施。
より多くの方に次世代バイオ燃料「サステオ」を知ってもらうべく、認知度アップに貢献していきたとおっしゃっていました。
ユーグレナが提供する「サステオ」は、今あるタンクへそのまま継ぎ足しOK!
日の丸自動車興業がユーグレナの次世代バイオ燃料「サステオ」を採用した理由は、もちろんバス事業者としてC02排出削減に取り組みたいという想いからですが、インフラ整備のための投資や準備が全くいらない、というのも大きな理由の一つ。
ユーグレナの「サステオ」は国内軽油規格をすべて満たしているので、日の丸自動車が所有する軽油をストックする地下タンクにそのまま継ぎ足し給油が可能。
特に新しくタンクを設置する必要がなく、従来の設備・バスをそのまま使えて、すぐに運行できるのが最大のメリットです。
ユーグレナの次世代バイオ燃料「サステオ」の特長
食との競合や森林破壊につながらない「サステナブルなバイオマス燃料」である「サステオ」。バイオマス原料を利用して作られています。
バイオマス原料は主に植物等に由来します。「サステオ」は燃焼時にCO2を排出しますが、主な原料である植物は光合成でCO2を吸収するため、化石燃料のように一方的に二酸化炭素を排出して増やすものではありません。
また、通常のバイオディーゼル燃料はエンジンなどへの影響を考慮して上限5%まで混合できないのに対し、「サステオ」は分子構造が市販軽油と同じなため、100%使っても問題ないとされています。
バイオ燃料「サステオ」で走る「スカイバス」試乗会でプチ東京観光
記者発表会の後「スカイバス」で試乗会が行われました。「スカイバス」は2階建てのオープントップバス。
普段は皇居・国会議事堂・銀座丸ノ内を巡るお手軽定番コース、東京タワー・レインボーブリッジ・お台場・築地・銀座・東京港をぐるりと一周する一番人気コース、休日限定の「お江戸東京コース」「お江戸夜景コース」の4コースあります。
今回の試乗会では皇居・国会議事堂・銀座・丸ノ内・東京タワーを周遊するスペシャルコースを体験させていただきました。
少し曇りがちなお天気でしたが、開放感たっぷり。「お約束」の大迫力・東京タワーを間近に眺めつつツアー終了です。
虎ノ門や麻布台など巨大なビルが立ち並び、移り変わっていく東京の風景を定期観光バスで楽しむのもいいものです。皆さんもぜひいかがでしょうか。
特に皇居側のイチョウ並木は東京駅舎とコラボした美しい紅葉が11月下旬~12月上旬にかけて楽しめますよ。
■取材協力
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