カンボジアをバスが行く③ バイヨン寺院からライ王のテラスへ
宇宙の中心ともいわれている仏教寺院「バイヨン寺院」。「クメールの微笑」と呼ばれる、慈愛に満ちた柔らかな笑みをたたえる大観音像が有名です。「バイヨン」は「美しい塔」という意味。
どんどんと近づくとあった、あった、顔。中央祠堂をはじめ、塔の4面に彫られている人面像(観世音菩薩といわれている)が見えてきましたー。
内部に進むと壁一面に精細なレリーフが刻まれています。
12世紀ぐらいの人々の生活が活き活きと表現されています。
レリーフが刻まれた回廊を抜けると遠くに四面塔が見えてきます。第二回廊を進むとその先には急傾斜の階段が出現!
えっちらおっちら登ります。
階段を登るとついに四面塔が間近に。その巨大さと多さに圧倒されてしまいます。
でもって民俗衣装を着た、かわいらしい子どもに注意!
うっかりカメラを向けると「10ドル」
ってお金を請求されちゃいますのでご注意を。
四面塔「クメールの微笑」を後に、再び急傾斜の階段を下りてライ王のテラスに向かいます。
これが階段?ボルダリングじゃなくて??歳取ったらむりだなぁ。
途中、象タクシー?が観光客を乗せてゆったり巡っていました。予約が必要らしいので、あらかじめ申し込んでおく必要があるそうです。
三島由紀夫最後の戯曲の題材になった「ライ王のテラス」へ
バイヨン寺院からライ王のテラスへの移動中、南国特有のスコールが通り抜けていきました。降りは強いものの雨が降っている間は、気温が下がって気持ちいいものです。
アンコール・トムを建設したジャヤ・ヴァルマン7世が12世紀末に建てたものといわれている「ライ王のテラス」。
テラスにある王の像の手に指がなく、らい病にかかって亡くなったという伝説に由来し、そう呼ばれているそうです。
三島由紀夫は、実際にこのテラスを訪れ、戯曲「癩王のテラス」を書き上げました。
現在この像、閻魔大王であったことが判明。ここにあるものはレプリカで、本物は首都プノンペンの国立博物館の中庭にあるそうな。
高さは6mあるライ王のテラス壁面には、ナーガ(蛇)や象、神々などの彫刻がびっしりと施されていて圧倒されます。
新しいテラスの奥には古いテラスが残り、二重の壁面になっています。
そして有名な「象のテラス」。
象の像があるってことでその名前がついている。象って変換しようとすると像ってでてくる・・・。像って変換しようとすると象がぁぁ・・・・。
300m以上の壁に象やガルーダの彫刻がずらりと並んでいます。ガルーダは顔が鳥で身体が人間の伝説上の生き物。インド神話に登場する怪鳥でヴェシュヌ神の乗り物だそう。
そういえば、インドネシアにガルーダという名前の航空会社がありましたよね。
テラス中央の階段には、蓮の花を食む象をモチーフにした石造が。かわいい。
さて、いよいよ次は、アンジェリーナ・ジョリー主演の映画「トゥーム・レイダー」の舞台でも有名な観光スポット「タ・プローム」にバスで向かいましょう!
樹木に飲み込まれている?支えられてる?どっち?
バスを降り、深い森の中を進むと見えてきました!ジャヤヴァルマン七世が母のために造った僧院「タ・プローム」寺院。
アンコール遺跡群のひとつです。スポアンの樹(ガジュマルの仲間)が遺跡を覆っている光景がおなじみです。
侵食が進み、樹木が遺跡を壊しているのか、それとも、もしかしたら支えになっているのかよくわからない。どのように修復するか迷い中だとか・・・。
スポアンの樹は静かに寺院を取りこむように成長し、いつの日か寺院そのものを包み込んでしまうのでしょう。そう考えると何か神秘的なものさえ感じてしまいます。
寺院内部の壁に刻まれたきれいなデバターが出迎えてくれます。
寺院の内部、そこは異次元への入口。血管のように張り巡らされているスポアンの根、苔むした寺院が織りなす、とてもミステリアスな風景が広がります。
この世のものとは思えない、なんとも不思議な余韻が残りました。
さあ、お次はいよいよアンコール・ワットへ
って、日の出鑑賞に一度いってますが・・・。あらためて、じっくりと見学してきたいと思います!
--続く--
(Photo by Kota)
バス会社の比較がポイント!