2024年は“逆打ちお遍路”の年、香川2泊5麺の旅番外編~田村神社~
久しぶりに古代史オタク旅行じゃない旅をしている編集部。大学時代のサークル同期&後輩7名で香川県へお遍路&うどんツアーを楽しみました。
ツアーは金曜日スタートだったのですが、ジェットスターを利用して木曜の夜から前乗りしていた私。昼過ぎに高松空港で待ち合わせしているので、午前中はちょっと寄り道しようかと田村神社を訪れてみました。
その番外編をお伝えします。
■逆打ちお遍路(1)~うどん2麺・根香寺・白峯寺~
高松空港集合==山越うどん==手打ち麺や 大島==根香寺==白峯寺==崇徳天皇御陵==丸亀城==本行寺(虎に翼)==骨付き肉 一鶴 丸亀店/羊苑==「スーパーホテル丸亀駅前」着・終了
■お遍路お休み~うどん1麺・女木島・男木島~
<女木島編>
古奈や(坂出市・がもううどんがダメだった)==高松港からフェリーで「女木島」へ==鬼ヶ島大洞窟==フェリーで「男木島」へ
<男木島編>
男木島着==たこ飯昼食==豊玉姫神社==男木島灯台==フェリーで高松港へ==史跡高松城跡==瀬戸内味処 活==「コトリコワーキング&ホステル高松」宿泊
■逆打ちお遍路(2)~うどん2麺・大窪寺・長尾寺・志度寺~
「スーパーホテル高松・田町」集合==うどんバカ一代==大窪寺==長尾寺==志度寺==久米池うどん==高松空港==成田着終了
■番外編~田村神社・宇都伎神社~
瓦町「コトリ コワーキング&ホステル高松」==田村神社==瓦町でモーニング==高松空港
LCCで初めてジェットスターを高松まで使ってみた
石垣島まで初めてLCC・ピーチを使ってみて、意外にアリだな、と思った私。今回もLCCで高松まで移動してみることに。
トータル金額を比べてみて【JALのセールで航空券を購入>ジェットスターで夜高松に前乗り+宿泊】という結果でしたので、ジェットスターにします。行きは木曜の18時20分成田発・高松20時着で、帰りは日曜日の16時20分発・17時45分着です。
宿泊先は高松市内の瓦町駅から徒歩約7分「コトリ コワーキング&ホステル高松」。こちらの宿は最終日の土曜日もお世話になりました。
成田空港 ターミナル3 フードコートでビールとたこ焼き。くうぅぅぅー、しみるねぇ。
ピーチは京成スカイライナーの成田空港からすぐで便利でしたが、ジェットスターは「空港第2ビル」で下車し、徒歩(約6分・300m)で第3ターミナルまで向かうか、シャトルバスを利用します。
思ったよりアクセスがスムーズでさほど不便を感じませんでした。
高松空港はやっぱりうどんだなっ
飛行機は時刻通りに高松空港へ。預けた荷物が出てくるのを待ちます。
こちらは荷物とともにうどんが出てくることなく終了。ただし、空港内にはうどん出汁が飲める蛇口があります。
しかし、旅の間そのことをすっかり忘れ、飲めませんでした・・・。がっかり。
「瓦町」までことでんの空港リムジンバスを利用
空港からホテルのある瓦町まではリムジンバスでスムーズに移動できます。リムジンバスは高松市内の主要なスポット(栗林公園や高松築港、高松駅など)を通るので意外に便利かも。
リムジンバスは琴平線「瓦町駅」に到着。ここから歩いて宿まで向かいます。
本当は居酒屋で1杯やりたいところだったのですが・・・。このところ持病の糖尿病が悪化しているため、夜はなるべく控えなければなりません(涙)。
おしゃれで快適な「コトリコワーキング&ホステル高松」
駅からさほど遠くはないのですが、大きな道路(観光道路)を渡らなければなりません。駅よりの交差点で渡っておけばよかったのですが、その先でも渡れるだろうと思ってたら渡れなかった。
結局、遠回りすることに・・・。
古いビルを改築し、1階がコワーキングスペース、2階以上が宿泊施設になっていました。私は個室を予約しましたが、ドミトリータイプもあります。
シャワー、洗面室、コインランドリー、冷蔵庫のある食堂などは共用。翌日は朝一で「讃岐国一宮 田村神社」を訪ねる予定です。
ことでんに揺られて「讃岐国一宮 田村神社」へ
早朝(6時に起きちゃいました・・・)、瓦町駅からことでんで神社最寄りの一宮駅に向かいます。ここから歩いて約10分ほどで神社に到着。
高松では道ですれ違う方皆さん「おはようございます」とご挨拶してくれます。
旅にでる少し前、髪をショートにした上、還暦祝いに赤く染めていた私(美容師さんいわく、ワンピースに出てくる赤髪のシャンクスのイメージね)。小学生がガン見しながら通り過ぎていきました。
「讃岐国一宮 田村神社」の御祭神は「倭迹迹日百襲姫命」!?
古代史オタクっぽいところに1か所でも行っておきたかったので、田村神社を訪れてみました。御祭神は以下の5柱。
- 倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)
- 五十狭芹彦命(いさぜりひこのみこと、吉備津彦命とも)
- 猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)
- 天陰山命=天香具命(あまのかごやまのみこと、高倉下命とも)
- 天五田根命 (あめのいたねのみこと、天村雲命とも)
倭迹迹日百襲姫命は奈良の箸墓古墳に眠っているとされ、近畿邪馬台国説によれば「卑弥呼=倭迹迹日百襲姫命」ということになっています。第7代孝霊天皇と倭国香媛(やまとのくにかひめ)の間に生まれた人物。
「日本書記」では大物主神(三輪山の神、大神神社祭神)の妻と紹介されています。
五十狭芹彦命は倭迹迹日百襲姫命の弟で、崇神天皇が派遣した四道将軍の1人であり、吉備地方を平定。おとぎばなし「桃太郎」のモデルといわれ、岡山県の吉備津彦神社の御祭神です。
天香具命は神武天皇東征の際に助けた人物で、熊野の神倉神社の御祭神。天五田根命は天香具命の子どもといわれています。
どの神様も古代の豪族・尾張氏(東海系)縁の人物。でもなんで讃岐なんだ?
どうやら、倭迹迹日百襲姫命が8歳の頃、讃岐国に派遣され、農業開発(ため池をつくる)を手伝ったという伝承が地元ではあるようです。同じ頃に弟の五十狭芹彦命は吉備(岡山)で鬼退治してて、讃岐まで姉に会いに行ったという話が残されているとかいないとか・・・。
鬼(海賊のことともいわれてる)は岡山県側だけでなく、香川県側でも暴れてたってことで、2日目に行く女木島にも鬼の住家とされる洞窟が残されています。
倭迹迹日百襲姫命は岡山と香川の鬼退治に知恵を貸した後、日本海側の祟りで疫病がまん延している大和(奈良)に戻り、大物主の妻となることで平和を守った(!?)ということのようです(ちょっと乱暴な説明ですが)。
「日本書記」ではほとんど語られていない謎の一族・尾張氏という豪族の正体に迫る関裕二先生の著書「消された王権 尾張氏の正体」が、PHP新書から8月16日(金)に発売となります。興味のある方はぜひぜひ!
「讃岐国一宮 田村神社」は龍神が棲むという深淵がご神体
さっそく随神門を抜けて田村神社に参拝します。7時頃でしたので境内には人影もまばら。鳥の声に癒されます。
創建は709年(和銅2年)といわれる田村神社は、水が豊富な聖地といわれ、地下水が潤沢に流れていたそうです。このため、水神様を祀る自然崇拝が始まりといわれています。
神社奥殿の床下には深淵があり、龍が住んでいるという言い伝えが(ご神体)。この淵をのぞいたものは絶命するとされており、厚板で覆い開かれたことはないそうです。
香川県は雨が少なく、降ってもすぐに海に流れ込むため、昔から水不足に悩まされてきました。香川県内にたくさんの溜め池があるのは灌漑用水としてつくられたもの。
田村神社には3つの湧き水があったそうですが、現在はご神体の淵と境内東方にある袂井(たもとい)の二つのみです。
辰年だし、年女だから龍神さまに小判を奉納でしょう
田村神社に参拝したもう1つの目的はこの龍神様。今年は辰年だし、年女だし・・・。
こちらの龍神様の像は高さ約5.7mほどあるそうで、足元には大判小判がざっくざっくと奉納されています。「小判を龍神様に奉納する者、必ず長者になる」という言い伝えがあるとかないとか・・・。
強欲な私も負けずに奉納!いっぱいもうかりますように。
この後、怒涛の神様ワールド。テーマパークのような田村神社
ともかくたくさんのお社があり、田村神社の中はまるで神様のテーマパークのようなにぎやかさ。ダイジェストでご紹介していきましょう。
姫の宮・宇都伎社(うつきしゃ)・わらべ七福神
本殿向かってすぐ右手には「姫の宮」。縁結びの神様として信仰されています。
その隣には宇都伎社で、金ぴかの布袋様や大黒様、金箔を張り付けることができる大黒様もいらっしゃいました。
宇都伎社の御祭神は、田畑をつかさどる大地主神、五穀・食物をつかさどる倉稲魂神をお祀りしています。
そしてそのお隣りはわらべ七福神。鳥居の奥に七福神がぎゅっと置かれてありました。
淡島社鳥居・素婆俱羅社
続いてそのお隣にある「素婆倶羅社(そばくらしゃ)」。医薬の祖神・少名毘古那神(すくなひこなのかみ)をお祀りしています。
女性と子どもの守り神として親しまれ、安産、病気平癒などの御利益が。
さきほどの姫の宮でご縁を授かって今度は子宝に恵まれるようお祈り、安産祈願にここにお参りする、という無駄のない流れ。淡島社の鳥居の下に長いゴザが敷かれていて、妊婦さんがここをくぐって祈願する、ということらしい。
鳥居の隣には耳の大きな「ぐち聞きわらべ」さんがいる・・・。妊婦さんや子育てで大変なお母さんのたまりにたまったぐちを受け止めてくれるということでしょうか・・・。
学問の神様・道真さんをお祀りした「一宮天満宮」
学問の神さまとして信仰される天神様・菅原道真公を祀る「一宮天満宮」。道真公の使いといわれる勝牛がくわえている玉を回すと合格できるとか。
子どもが育ち、お受験時期を迎えたらお隣で無事合格を祈る。うーん、すごくよくできたシステム(!?)です。隙がない。
宮島社(厳島社)・弁財天・神池・稲荷社
海の神・水の神・芸能の神様といわれる市杵嶋姫命(いちきしまひめ)をお祀りした宮島社。美人祈願でお参りする人も多い神様です。
市杵嶋姫命は宗像三神の一柱であり、神仏習合で弁財天と同一視されています。こちらの弁財天さまには水をかけてお参りすると美しくなれるそうです。
もう美はいらないから、お金が欲しい・・・。
宮島社の前にある神池。田村神社に湧く豊富な地下水を引いているそうです。
神池の周りにも七福神がぐるりと配置されているので、ここでコンパクトに七福神巡りもできます。
でもってこぢんまりとしつつもたくさんの鳥居をくぐった先に稲荷社。
こちらのお稲荷さん、ご眷属の狐さんが小判をくわえてる!意外と見ごたえのある神社です。
大鳥居から北参道にかけてもお腹いっぱいに見どころが続きます
実は田村神社、もう1つの入口(参道)があります。駐車場がある大鳥居から本殿まで、こちらも見ごたえ十分の演出。
お迎え布袋尊・大楠
大きな鳥居をくぐると正面に見えてくるのが巨大な布袋様。その後ろには大きなクスノキがそびえ立っています。
鐘楼門・十二支巡り
大楠の奥には「鐘楼門」。梵鐘には大祓詞(穢れを祓う祝詞)が彫られているそうです。
鐘楼門を抜けると赤い鳥居がずら~り。でもって八咫烏さんがお出迎え。
さすが尾張系とひとりでニヤニヤしちゃいました。
鳥居の両脇には十二支をモチーフにした像がずらりと並んで置かれているので、歩きながら自分の干支を探してみるのもいいですね。
冒頭で紹介した倭迹迹日百襲姫命と五十狭芹彦命のモニュメントは北参道側にありますので、お見逃しなく。
Information
田村神社
住所:香川県高松市一宮町286
問合せ先:087-885-1541
空港リムジンバスのバス停への近道を教わるも、目の前でバスに行かれてしまいました・・・
お参りを終えて、宮司さんに空港に戻ることをお話をすると、空港行きリムジンバスのバス停までの近道を教えてくださいました。神社の脇から田んぼのあぜ道を抜けていくと近いということで、えっちらおっちら・・・。
赤髪の女が大きな荷物を背負って通り過ぎていくのを、田んぼ仕事をしている農家さんが目を丸くしていました。
しかーし。ここでまた香川の大きな通りを渡る横断歩道があまりないマジックに阻まれ、目の前でリムジンバスに行かれてしまいました・・・。しょんぼり。
しかたなくことでんの「空港通り駅」まで歩きます。待ち合わせの時間まで、だいぶ余裕があるので瓦町へ戻り、モーニングを食べることにしました。
瓦町で人気の「南珈琲店」でモーニング
「南珈琲店」は高松市民なら知らない人はいないほど有名な老舗喫茶店なのだそうです。朝7時からオープン。
南新町商店街の中にあります。喫煙OKとのことなので店内はちょっとモクモク。
モーニングの時間はコーヒーを注文するとトーストが半きれ付いてきます。カフェオレを頼みました。
かなり分厚いトーストはジャムかバターの2種類を選べました。私はバター!これでワンコイン以下とは都内ではありえないお値段。
ゆっくりコーヒーを飲んで、瓦町駅からリムジンバスで高松空港へと向かいました。
Information
南珈琲店
営業時間:7時~20時
住所:香川県高松市南新町3-4 2階
問合せ先:087-834-2065
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