奈良に行くナラ、歩くシカない!?古代史オタク2泊3日旅行「若草山登山」編
こんにちは、編集部Iです。
過去に2回奈良へ古代史オタク旅を楽しんできました。あれから2年が経ち、歴史作家の関裕二さんの講座へも足繁く通い、いっぱしの古代史オタクを自認するようになっています。
今回は仕事で忙しいオットは置き去り。2021年12月3日(金)~5日(日)の日程で実施された新潮講座主催の「関裕二先生と歩く奈良~奈良市内・山野辺の道・飛鳥編~」に参加してきました。
今回の旅の醍醐味は「ヤマトの山を愛でる楽しさ」。すでに危険な匂いしかしないこのテーマですが、なんとか脱落せずに最後までついていきたい!
奈良を旅する新しい切り口として、今回の見どころ・おすすめポイントをダイジェストにご紹介していきたいと思います。以下、2泊3日旅行の行程です。
■新潮講座「関裕二先生と歩く奈良~奈良市内・山野辺の道・飛鳥編~」
<1日目:奈良市内編>
近鉄奈良駅・行基像前出発==興福寺三重塔==水谷神社参拝==若草山登山==東大寺・二月堂終了
<2日目:山野辺の道編>
近鉄天理線/JR万葉まほろば線・天理駅「東口ココフン広場」出発==石上神宮==内山永久寺跡==夜都伎神社==衾田陵==長岳寺周辺で各自昼食==崇神天皇陵==檜原神社==大神神社==恵比寿神社==JR三輪駅着終了
<3日目:飛鳥編>
近鉄橿原神宮前駅・東口改札口出発==甘樫の丘==万葉文化館==石舞台周辺で昼食==川原寺(一文字写経)==向源寺(豊浦宮)==甘樫坐神社==橿原神宮前駅着終了
奈良に行くなら高速バスがお得!特に1人旅なら
前回の旅もですが、今回もやっぱり高速バス。東海道新幹線は相変わらずお高い・・・。しかも奈良は往復割引に100㎞ほど届かない。片道は夜行バス、帰りは新幹線にしました。
高速バス料金を払って、アーリーチェックインとしてホテル1泊分予約しても新幹線片道料金より安い。ありがとう「スーパーホテルLohasJR奈良駅」、50歳以上の格安素泊まりプランがあってよかった。
前回の旅ではJR関東「プレミアドリーム号」でしたが、今回は東京冨士交通の「ナイトライナー(バスは三菱ふそう製)」。片道7,500円でした。シートの特徴は以下の通り。
- 3列独立シート、フット&レッグレスト付き
- 約150㎝×100㎝と大判でふっかふっかの毛布
- ペットボトル1本と今回だけ特別にフェイスマスクのプレゼント
- 無料Wi-Fi、充電用のコンセント
- プライベートカーテンで個別スペース確保
- トイレはバスの中央、階段下にあり
過去、いろいろな夜行バスを利用していますが、今回の座席は座面が幅広とかリクライニングがスゴイなどの特徴は特にないようでしたが、かなりラクチンでした。
過去最高レベルだったのは、ウィラーバスのリボーンですが、ナイトライナーもお尻が全然痛くならなかったし、しっかり眠れました。座席のシート、高級感もあり座り心地も素晴らしい。
そして何よりも良かったのがふっかふっかの毛布!足元は冷えやすいのでこれは嬉しいポイントでした。
東京冨士交通の「ナイトライナー」はリピーターが多いというのもうなずけます。
JR奈良駅についたらさっそく迷子、スーパーホテルは駅前に2か所あるので注意
夜行バスは時刻通り、6時20分にJR奈良駅東口に到着。さっそくホテルに向かいます。
ところがスーパーホテル、奈良駅前に2つあったのを忘れ、予約したのとは違うJR奈良駅・三条通りに行ってしまった・・・。すったもんだの末、ようやくチェックイン。
スーパーホテルLohasJR奈良駅の良いところは天然温泉「飛鳥の湯」があるところ。ナトリウム・カルシウム塩化物温泉で体を温め、すっかりリラックスできました。
関裕二さんからのモーニングコール「朝活行くよ!」
温泉入ってコンビニおにぎり食べて、ベッドで仮眠。関さんの軽やかなモーニングコールでたたき起こされ!?短い足を必至に動かし、急いで近鉄奈良駅に向かいます。
新潮講座のツアーは午後からですが、午前中は無料で関さんが奈良の町を特別ガイドしてくださいました。どこに連れて行ってくれるのかはお楽しみ。以下、実際に回ったルートになります。
<0.5日目:奈良市朝活編>
近鉄奈良駅・行基像前出発==聖武天皇陵・光明皇后陵==東大寺転害門==東大寺ミュージアム==奈良県庁舎==「うどん釜粋(かまいき)」でランチ・終了
まずは聖武天皇陵・光明皇后陵へ参拝
近鉄奈良駅から歩いて約4分ぐらい。きたまちエリアにある聖武天皇・光明皇后の御陵に到着しました。聖武天皇とえば、東大寺の大仏を建立詔を出した、ってことぐらいはご存じの方も多いのでは?
聖武天皇は藤原氏にとって待望の“藤原腹の子”。そして妻である光明皇后は、初めて皇族以外から皇后になった存在です。このことにより、藤原氏は天皇の外戚としての地位を築き、盤石な支配体制を維持していきます。
聖武天皇陵は松永久秀が築城した「多聞城」跡のすぐ西側にあり、東大寺の転害門からもすぐ近く。巨大な陵墓は奈良市内随一ともいわれているそうです。
実際に訪れてみると、ともかくきれいに整備され、凛として静謐な空気が流れていると感じました。参拝後、聖武天皇陵からさらに光明皇后陵へ向かいます。
聖武天皇陵に向かって左手に延びる参道を登り、少し奥まった場所にあるため、光明皇后陵まで参拝する方は少ないとか。聖武天皇を支え続け、病人や孤児の救済のための福祉施設を作り、慈善事業に邁進した光明皇后。
聖武天皇の御陵のそばでひっそりと眠るそのたたずまいに、柔らかでやすらかな空気を感じました。
光明皇后は藤原氏の娘でありながら、県犬養美千代(あがたいぬかいのみちよ)の娘でもありました。県犬養美千代は藤原氏の下、権勢を振るったといわれていますが、その実像はちょっと違うようです。
聖武天皇は光明皇后と県犬養美千代の子どもである橘諸兄に支えられながら、 ”藤原氏だけが栄える世“の思惑を破壊しようと邁進していきます。
史実では「病弱」「ノイローゼ気味だった」とか、大仏建立を無茶ぶりして民衆を苦しめたなどというイメージで語られることも多いですが、実際の聖武天皇の姿を知ると歴史を見る目ががらりとかわります。
詳しくは関裕二さんの著書「古代史に隠された天皇と鬼の正体(PHP文庫)」をぜひ読んでくださいね。
<Information>
聖武天皇陵・光明皇后陵
住所:奈良県奈良市法蓮町
東大寺の転害門(てがいもん)には、奈良時代の柱が残されている
東大寺を訪れるならぜひ行かねばならぬ転害門。一条通りを東へ歩くと正面に現れてきます。元々は平城左京一条大路に西面して建立され、佐保路(さほじ)門と呼ばれたそうです。
奈良時代の東大寺伽藍を偲ばせる遺構であり、本瓦葺・切妻造の屋根・八脚の円柱など、天平の香りと雄大な姿を今に伝えています。東大寺は何度か大火により燃えていますが、この転害門だけは無事でした。
鎌倉時代の改修により、八脚の柱の一部は付け替えられていますが、奈良時代当時のものも残っています。
聖武天皇は大仏完成に伴い、八幡神を東大寺の守護神として勧請したそうです。転害門から東大寺へ入った八幡神が諸神を手招き。そのしぐさが“手で物を掻く”ようだったことから平安時代後半頃は「手掻門」と呼ばれていたとか(なら旅ネットより)。
東大寺に八幡神を迎える様子を再現した行事が「転害会(てがいえ)」。現在では八幡神が鎮座する手向山八幡宮(たむけやまはちまんぐう)で、毎年10月5日の祭礼で行われているそうです。
転害門という呼び名は、 手向山八幡宮 の転害会がここをお旅所としたところからそう呼ばれるようになったとのこと。転害門は他にも「碾磑門」「手貝門」「景清門」など様々な名前で呼ばれています。
そして転害門の階段に開けられている穴。これは盃状穴(はいじょうけつ)と呼ばれ、民間信仰の一つとして意図的に彫られたものだそうです。
穴の中に油を入れて燈明替わりとし、お供え物をして病気の治癒や子宝に恵まれるよう祈った跡。雨だれでできたものではないそうです。
また、転害門の柱には数多くの矢弾の跡が残されています。火縄銃も使われたと思われるのですが、燃えずに残されているのはまさに奇跡。
転害門にまつわる様々なお話を聞かせてくださったボランティアガイドさん、ありがとうございました。
<Information>
東大寺・転害門
住所:奈良県奈良市雑司町406-1
東大寺ミュージアムで『東大寺の歴史と美術』展を見る
時間の関係で大仏殿はスルー。東大寺ミュージアムに向かいます。
東大寺ミュージアム(東大寺総合文化センター)は東大寺の歴史や文化を発信する拠点として、図書や美術品、研究所などを兼ね備えた複合施設です。
今回は『東大寺の歴史と美術』展として、重要文化財・木造千手観音立像や国宝 塑造日光・月光菩薩立像、木造多聞天立像などを間近に見るチャンス。ということで立ち寄ってきました。
通常、観音像や菩薩像などは正面からしか見ることができません。美術展のよいところは、横から斜めから後ろからも眺めることができるのが最大のメリット。
東大寺の至宝、仏像美術に興味がある方には魅力的なスポットになっています。
<Information>
東大寺ミュージアム
住所:奈良県奈良市水門町100番地
奈良市内を一望!意外な穴場の奈良県庁舎
ミュージアムの次に訪れたのは奈良県庁舎。屋上広場からは360度の大パノラマが広がる超穴場のスポットです。
おすすめは、展望広場からさらに階段を登るとある「展望室」。ここからの眺めはまさに絶景です。午後から登る若草山の他、生駒山、奈良公園、奈良市内が圧倒的な迫力で迫ってきます。
2008年(平成20年)から一般開放されているそうで、若草山山焼きや高円山大文字送り火などの行事が行われる際は、抽選で見学可能。奈良観光に訪れた際はぜひ忘れずに訪れてみましょう。
<Information>
奈良県県庁舎
住所:奈良県奈良市登大路町30
ランチは関さんおすすめのうどん専門店「釜粋」でランチ
奈良に来るたびに思うのは、おいしそうなお店がない・・・。もちろん知らないだけでいいお店はたくさんあるのだと思うのですが、これぞ奈良の名物というものに出会えませんでした。
今回、関さんがご案内してくださった奈良東向き商店街の中にある「釜粋」さんは、本場讃岐仕込みのうどん専門店。西の方のうどんはコシのないやわうどんが主流ですが、コシのある讃岐うどんとは!
メニューは「出汁」「つけ麺」「ぶっかけ」などのメニューがありますが、私は大好物のちく天だしを注文。予想を大きく上回る巨大なちくわの天ぷらがどどーんとのっていました。
国産小麦を使って打つうどんは毎朝切りたてで、コシが強く、もっちりとした食感も。澄んだ色のお出汁、揚げたてサクサクのちくわ天が絶妙でした。
<Information>
うどん専門店「釜粋」
営業時間:11時~15時/17時~21時30分(LO21時)、不定休
※売り切れ次第終了
住所:奈良県奈良市東向南町13-2
午後からいよいよツアー本番スタート「若草山」登山へ
いよいよ新潮講座のツアーがスタートです。再び行基像前集合。1日目のツアー参加者は27名だとのこと。皆さん、関裕二さんファン&古代史オタクの方々ばかりです。心強い・・・。
事前の案内では8㎞ほど歩くとありましたが甘い、甘い。そんなものでは済まなかったことを後程思い知ることになります(午前中ですでに1万歩も歩いていた)。
興福寺で有名な五重塔はスルーして、境内最古の建築物「三重塔」へ
興福寺はツアー参加者にとっては最大の敵!?である藤原氏のお寺。しかし、訪れたのには訳があります。
興福寺は何度も火事にみまわれており、中でも1180年(治承4年)に起きた南部焼討で多くのお堂が焼け落ちてしまいました。その後、この三重塔はすぐに再建され、当時の姿のまま残されているそうで国宝です。
興福寺の歴史の中では比較的新しい建造物(1143年建立)ながら、現存する最古の建築物という三重塔。内部は年1回の特別公開(七夕の日)で見学することができます。
一般的な観光客の方は五重塔を見て終りなため、まさに穴場。平安時代の建築様式を伝える、優美で静かなたたずまいは必見です。
<Information>
興福寺・三重塔
住所:奈良県奈良市登大路町48番地
まだまだ紅葉が残る若草山、春日山遊歩道から登山スタート
奈良公園を抜けていよいよ春日山原生林へ。水谷(みずや)茶屋は、大正時代に建てられたという茅葺屋根の建物で、スイーツやお茶などを提供しています。
周辺はまだ紅葉が残っており、風情あるたたずまい。鹿も心得顔でポーズを撮ります。ここから、若草山山頂へと通じる春日山散歩道がスタートです。
茶屋を過ぎるとまずは水谷神社に参拝。春日大社境内の一番北の端にあり、若草山と春日山の間を流れる水谷川のほとりにあります。
水谷神社は春日大社のご本殿・若宮に次ぐ格式の高いお社。龍神信仰が特に盛んな場所だったそうです。
現在の主祭神は素盞鳴命(すさのおのみこと)・大巳貴命(おほむなむみのみこと)・奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)。子宝の神、疫病から守ってくれる神様として地元からは信仰を集めています。
春日大社はご神体である御蓋山(みかさやま・春日山)の麓に、茨城県にある「鹿島神宮」から「武甕槌命(タケミカヅチノミコト)」をお迎えしたことが最初の「歴史」というのが公式見解。
社殿を建立する際に、茨城県「香取神宮」から経津主命(フツヌシノミコト)を、大阪・生駒山の山麓にある「枚岡神社」から天児屋根命(アメノコヤネノミコト)、比売神(ヒメガミ)を招き、「春日神」としてお祀りしています。
春日大社は藤原氏の氏神として一般的には知られています。しかしその裏に隠された真実とは?という関さんからの解説を聞きつつ先に進みました。
<Information>
水谷茶屋
営業時間:11時~16時
住所:奈良県奈良市春日野町30
水谷神社
住所:奈良県奈良市春日野町160
若草山山頂って車で行けるよね?あれれハイキングルートは30~40分だって書いてあるよ??
若草山に登る一般的なルートは「北ルート」「南ルート」があり、有料の若草山登山道と呼ばれています。階段や急な山道を登るので結構大変。しかし、約30~40分ぐらいで山頂まで登れるそうです。
そしてもう一つは車で登れる「新若草山自動車道」(奈良奥山ドライブウェイの一部)。普通の観光客はこちらを利用します。
そしてもう一つ、山頂へアクセスする方法として今回我々が登った春日山遊歩道。登山道のような急な階段はないものの、なかなかの距離を歩きます。
遊歩道は春日山原始林の中を抜けていくので景色としては大変気持ちいい!世界遺産「古都奈良の文化財」の一つとして登録されており、国の特別天然記念物にも指定されています。
登山当日は寒いという予報でしたが、上着はいらず、セーター姿で汗ばむぐらいの気候でした。
そして、体力・気力・脚力に自信がある方むけのとっておきルートとして、関さんが教えてくれたのは旧柳生道路・滝坂の道(東海自然歩道)から、春日奥山道路から若草山山頂へアプローチする方法です。
こちらのルート、春日大社のご神体である御蓋山の南側を通るルートなのですが、強力なパワーが感じられる特別な体験ができるとか。健脚な関さんですら、かなり厳しかったとのことなので、お出かけになる際はご覚悟を。
<Information>
※若草山頂駐車場はバス2台まで駐車可能、無料です。
若草山山頂に到着して思い出した!ここ、ずっと来たかったとこだ
おのれの体力のなさに絶望しつつ、ようやくたどり着いた若草山山頂。あれれ、ここなんだかすごく懐かしい。なんともいえないデジャヴュとこみ上げるような不思議な感情が湧いてきました。
この時すぐにはわからなかったのですが、確かにこの眺めは以前見たことがある。そしてなぜか頭に思い浮かぶのは女優の綾瀬はるかさん。
そうです。フジテレビ系で2008年に放送されたドラマ「鹿男あをによし(原作・万城目学)」のロケ地じゃないか・・・。ドラマ内では奈良のあちこちがロケ地になっていたものの、最も印象に残ったのがこの若草山山頂からの景色でした。
13年も前に見て、ぜひ自分もその場所に立ってみたいと思っていた景色がいま目の前に広がっています。なんて素晴らしい眺めなんでしょう。
この感動はこの場所に立ってみないとわかりません。
ちなみに山頂には国指定史跡「鶯塚古墳(前方後円墳)」もあります。奈良盆地と京都南部を見渡す、大変眺望のよい場所。枕草子に登場する鶯陵はここだともいわれているそうです。
<Information>
若草山
住所:奈良県奈良市雑司町469
帰りは有料の登山 「北ルート」 を下ります
無事下山しました~。芝に足をとられ、転んだら鹿の糞まみれという緊張感。必死に短い足を動かしたので、途中の写真はありません。
ちなみに若草山は1月の第4土曜日に行われる山焼きが有名ですよね。山に生えている芝生は日本芝の一種である“ノシバ”で、若草山付近が唯一の自生地だそうです。
ノシバの種は固い殻に覆われているため、鹿が葉と共に種を食べて体内で殻を消化。糞とともに山に散布されて発芽するというサイクルが千年という時を超えていまも保たれている奇跡なのだそうです。
やっぱり奈良には鹿が必要なんだ、と実感したエピソードでした。
東大寺二月堂で見る夕陽は神々しかった
旅のクライマックスはやっぱり東大寺で。ちょうど夕暮れ時なので二月堂に向かいます。
途中、紅葉の名所としても人気がある手向山八幡宮に立ち寄りました。冒頭の転害門のところでご紹介したあの神社です。
九州の宇佐神宮から東大寺守譲の神として迎えられ、東大寺境内の「上院」エリアに隣接する場所にあります。
そして東大寺二月堂の上に到着。お参りした後は夕陽を楽しみます。聖武天皇がこの場所を選び、東大寺を建てた理由。
関裕二さんの講座の常連&読者ならよくご存じのはず。まさに感慨深く、素晴らしい眺めでした。
この日の歩いた歩数は31,887歩。距離にして約20㎞でした。この後の懇親会で冷えたビールがおいしかったことは言うまでもありません。
皆さんも若草山に登り、あの景色を眺めて欲しい。山頂駐車場まで貸切バスで行ってもいいから・・・。そして、東大寺の一般的な観光ルートではない場所にもぜひ足を運んでみてくださいね。
■取材協力
新潮講座 神楽坂教室
関 裕二(せき ゆうじ)さんプロフィール
1959(昭和34)年、千葉県柏市生ま れ。歴史作家・武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。
仏教美術に魅せられ奈良に通いつめ、独学で日本古代史を研究。
『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』『神武天皇vs.卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など著書多数。
*2022年1月から新潮講座で新講座がスタート「騒乱の古代日本史-磐井の乱、壬申の乱、冤罪と謀反-」はオンラインでも受講できます!
また、2022年1月29日に〈東京の古代史を歩く〉武蔵国に残された天武と聖武の夢も開催されるので興味のある方はぜひ。
▼編集部Iの古代史オタク旅シリーズ
1.2017年奈良旅行
・団体旅行に、なぜ奈良は人気がないのか?
・夏に奈良に行ってはナラない!?「大化の改新の謎」に迫る!大人の修学旅行
・奈良にはナラった歴史と違うことがいっぱい!
2.2019年奈良旅行
・古代史ミステリーに迫る!いま再びの奈良2泊3日旅行
・奈良旅行!2日目は「日本書紀」にその名が残る山の辺の道へ
・奈良旅行!最終3日目は奈良中心部を爆走
3.2022年奈良旅行
・奈良に行くナラ、歩くシカない!?古代史オタク2泊3日旅行「若草山登山」編
・千里の道も天理から、古代史オタク2泊3日奈良旅行「山の辺の道」編
・あすからは仕事です、古代史オタク2泊3日奈良旅行「明日香村」編
4.2023年奈良旅行
・仏像見るなら奈良!今度は名古屋にも行っちゃった古代史オタク旅行「奈良市内」編
・薬師寺と唐招提寺で仏像を見る・古代史オタク旅行「西ノ京」編
・古代史オタク旅行2日目は貸切バスツアー!木津川が流れる「南山城(京都)」編
・古代史オタク旅行3日目は歩くよ、歩く「藤ノ木古墳・法隆寺・中宮寺・法起寺」編
・古代史オタク旅行4日目・番外編「室生寺と熱田神宮」編
5.2024年なら旅行
・古代史オタクが行く奈良2泊3日の旅~春はあけぼの・長谷寺編~
・古代史オタクが行く奈良2泊3日の旅~中将姫はいずこに?二上山遠足・當麻寺練り供養編~
・古代史オタクが行く奈良2泊3日の旅~高見の郷・丹生川上神社・玉列神社日帰りバスツアー編~
貸切バスで奈良観光を楽しむ場合の注意点
奈良の主な観光スポットを回る場合、バスの駐車場をあらかじめ確保しておく必要があります。奈良公園周辺の交通渋滞緩和のため、2019年(平成31年)より奈良公園バスターミナルの運用がスタート。
また平城宮跡歴史公園観光のために訪れる際は、平城宮跡前駐車場が利用できます。貸切バスの乗降のみは2,000円、駐車場利用の場合は3,000円です。
奈良に宿泊して観光をする場合と、日帰りの場合、送迎のみの場合では利用方法等が異なるので注意が必要です。
奈良までバスで送迎のみの場合
バスを乗降するのみ(乗車のみ、降車のみも同様)で駐車場の利用がない場合は、奈良公園バスターミナル(2,000円)と高畑駐車場(1,000円)のいずれかを利用できます。
奈良公園バスターミナルへは大宮通から入場し、北側から退場。乗降場所は12パース(予備としてプラス4パース、合計で16パースあり)あります。バスターミナルは乗降のみで駐車はできません。
観光シーズンで混雑がひどい場合は、高畑駐車場での乗降になる場合があります。
奈良まで日帰り旅行、バスは駐車場で待機する場合
送迎のみと同様、バスの乗降は奈良公園バスターミナルになります。その後、バスは上三橋駐機場(2,500円)もしくは高畑駐機場(3,000円)で待機となります。
乗降場所を高畑駐車場にする場合は上三橋駐機場(2,000円)もしくは高畑駐機場(2,500円)で利用可能です。
交通弱者団体については特例として大仏殿前駐車場を利用(特別予約・2,000円)できます。介護を要する障がいをお持ちの方、75歳以上の後期高齢者、未就学児団体(幼稚園・保育園等)の遠足などが該当します。
満車の場合は利用できませんのでご注意ください。
奈良県内に宿泊しての観光の場合
奈良県内に宿泊する団体の場合は、大仏殿前駐車場の利用が可能。奈良公園団体バス駐車場予約システムからの予約時に、宿泊が確認できる行程表の提出が必要です。
また、バスの夜間留め置きもOK。奈良公園団体バス駐車場予約システムからの予約が必要で、高畑駐車場もしくは大仏殿前の駐車場が利用できます。
いずれの場合も事前完全予約制なので、旅行の行程が決まったらすぐに予約を取りましょう。平城宮跡前駐車場の利用も下記から予約できます。
バス会社の比較がポイント!