東京レストランバス再び!今度は川崎工場夜景&バス萌えの旅
WILLER EXPRESS株式会社(以下、ウィラーエクスプレス)が運行している「東京レストランバス」。2016年から日本各地の魅力を伝えるため「ここにしかない日本を食べよう」をコンセプトに期間限定で運行をスタートさせました。
編集部では2016年に東京で特別運行されたレストランバスに乗車。
食事と観光のワクワク体験をレポートさせていただきました。
その後、2018年からは京都や東京でレストランバスの通年運行を開始。東京や京都の名所めぐりを食事と共に楽しめるコースが話題となっています。
今回は、期間限定で東京レストランバスの「川崎工場夜景コース”フレンチとお酒と川崎工場夜景を楽しむ夜”」を運行するのに先駆け、メディア向けのお披露目会に参加してきました!当初は6月・7月のみの運行でしたが、あっという間に完売。
第2弾として8月、9月運行が決定しています。参加したい方は、まずは急いで予約がいいかもしれませんよ~。
工場夜景ブームの先駆け、川崎工場夜景とは?
美しく幻想的な夜景の中でもトップクラスの人気を誇る川崎市の工場夜景。2011年には「全国工場夜景サミット」が川崎市で開かれ、「日本五大工場夜景」として川崎市も選出されています。
ちなみにその他、五大工場夜景に選ばれたのは「北海道室蘭市」「三重県四日市市」「福岡県北九州市」「山口県周南市」です。
川崎市の臨海部に広がる京浜工業地帯には、7つの人口島、16の運河があり、屋形船を使った夜景クルーズやバスツアーなどで回ったことがあるという方も多いのでは?
今回は東京レストランバスで優雅にフレンチコースとお酒をいただきながら、この川崎工場夜景が楽しめるという贅沢さ。東京丸ビルを出発し、都内観光もちょっぴり楽しみつつ、扇町・水江町・千鳥町・浮島の4カ所で工場夜景を満喫する旅でした。
ひときわ目立つラッピングで人々の視線をくぎ付け!東京駅丸ビル前をいざ出発
2階建てのオープントップバスで、透明なルーフは開閉可能。天井高は約3.8mで座席に座ると約3mという高さから見渡せる景色は格別です。
ビビッドな色使いで、たくさんのビル群や観光名所、食のシーンを組み合わせたポップなラッピング。東京らしさをイメージしてデザインされています。道行く人たちが思わず目を奪われていました。
1階はキッチンとトイレ。
2階は2人掛けから4人掛けの対面式テーブル席です。
バス前方にはツアーをガイドしてくださるスタッフ席、階段を上がりきった場所にお料理をサービスしてくれる配膳スペースが設けられています。
18時に丸ビル前を出発、まずはオードブルをいただきながら東京観光へ
今回はフレンチのフルコース付きのツアーです。まずはオードブル(上写真向かって左から真鯛のカルパッチョ、ベークドエッグポテト、キスのエスカベッシュカレー風味、カマンベールチーズのフリット)とサラダがサービスされました。
オードブルとともに楽しむお酒として、ツアー限定で販売される「工場夜景ビール“黒に浮かぶ”」を注文してみました。
こちらのビール、黒ビール(スタウト)にコーヒーとマンゴーを入れて醸造しています。川崎区本町のにある「東海道BEER川崎宿工場」が、2020年開催の「第11回全国工場夜景サミットin川崎」に合わせて商品開発したもの。
工場夜景を見たときに感じる暗闇の中のまばゆい光を表現したとのこと。黒ビールならではの焙煎された麦芽の香ばしさと深みのあるコク、コーヒーとマンゴーがもたらすまろやかな甘みと酸味、香り立ちが楽しめ、とても飲みやすかったです。
ビールが苦手という方でも楽しめるのではないかと思いました。
運行日は快晴でさわやかなお天気。東京レストランバス名物、ルーフトップオープンです。手動で一気に開けていくのを見て、びっくりされた方も!
こんなところもエンタテイメントの一つとして楽しめるポイントですね。
再開発で劇的に変わる都内の様子を一つ上の目線から見物
丸ビル前を出発し、バスは皇居外苑前から桜田門、虎ノ門方面に向かいます。皇居周辺では大勢のカップルがウェディングフォトを撮影中!
最近はこの皇居前周辺でウェディングフォトを撮影するのが大ブームなようです。平日でしたが、5~6組のカップルが譲り合いながら撮影していました。
実はレストランバスでもフォトとパーティーがセットになったウェディングプランがあるそうです。これから結婚式を予定されているというカップルの方、コロナで式が中止になってしまったという方。ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。
引き続きツアーガイドの方が次々と都内の見どころを案内してくれます。
現在、日本一の高さを誇るビルは大阪にあるあべのハルカスですが、それを超える高さ390mのビルが建設中だそうです。2027年竣工を予定している「トウキョウ トーチ」で、三菱地所が東京駅日本橋口前にて開発中。
そして、虎ノ門・麻布台も現在再開発中で、2023年に新しい街として生まれ変わる予定となっています。都内の様子が劇的に変わってきており、あと数年でがらりと違う印象になるかもしれません。
バスは東京タワーのすぐ脇を通過!昭和世代にはやっぱりここが東京のシンボルです
2012年に開業した東京スカイツリーにすっかりお株を奪われた印象の東京タワーですが、昭和世代にとって東京のシンボルは今も昔も東京タワー!1958年(昭和32年)に観光名所として誕生しました。
以前「都バスに車掌さんがいた風景」で当時の様子をご紹介したことがあります。
大勢の人が東京タワー見たさに押しかけ、都営バスでは臨時の送迎バスを運行し、運転手・車掌ともに深夜まで乗務したそうです。
陽が少しずつ傾き、美しい夕暮れの時間が訪れます。
2杯目は麦わら色に輝くスパークリングワインを注文。
東京タワーに乾杯です。
お食事は、冷たいじゃがいものスープ「ビシソワーズ」。そして「ムール貝のプロバンス風」と温めたパンが提供されました。
ムール貝のソースをパンにつけていただくと絶品です。バスの車窓から眺める景色や夕陽もご馳走に。この後は首都高速道路に乗り、一路川崎を目指します。
首都高を降り、川崎工場夜景スポットに向かいます
すっかり陽が落ち、辺りは暗くなってきました。川崎工場夜景スポット、今回のツアーでは扇町・水江町・千鳥町・浮島の4カ所を巡りことになっています。
その前にメインディッシュ。「牛フィレ肉のロースト シャリアピンソース」です。
シャリアピンソースはタマネギのすりおろしにお醤油やお砂糖、にんにく、赤ワインなど使用した和風の味わい。日本人好みのソースとして人気があります。
彩り豊かなお野菜やマッシュポテトが添えられていました。そして牛フィレ肉はともかく柔らかで、脂っぽさが控えめ。さっぱりとしたソースとよく合います。
お肉に合わせて赤ワインをいただきました。飲みやすくてついついグラスを重ねてしまいます。
ちなみに、高速道路走行中は信号などの停車箇所がないため、お料理や飲み物のサービスも一時ストップします。このため、首都高速道路を降りた後にメインがサービスされたというわけです。
SDGsに配慮した工場がずらり、川崎工場夜景ゾーンへ
個人で夜景を見に行く場合、自分たちで見どころスポットなどを探して出かけるかと思います。今回のツアーではプロのガイドさんが案内してくださったので、より深い知識を得ることができました。
どの工場でどんなものが造られているのか。工場の造りのヒミツ。環境に配慮したものづくりのため、ペットボトルからペットボトルへリサイクルしている工場やバイオマス燃料を使った発電などなど。
中でも川崎工場夜景で目立つ「フレアスタック」については見どころの一つです。
フレアスタックは、石油コンビナートなどで出る有害な余剰ガスを焼却した際にでる炎。無害化するために行うものです。
燃焼したガスが空気中に拡散しやすくし、大気汚染対策としても貢献。赤い炎が工場夜景をより一層幻想的なものにしています。
そしてもう一つの注目ポイントは「フレキシコーカー(重質油熱分解装置)」。
フレキシコーカーとは、貴重な資源である原油を余すところなく利用するため加工する装置のこと。日本ではここ千鳥町に1か所とアメリカなど世界で5か所しかない装置なのだそうです。
フレキシコーカーを有する東亜石油では、原油を処理した後に発生する残渣油を他製油所からも受け入れ、ガソリンや軽油を生産しているとのこと。すでに40年以上の稼働実績を誇っているそうです。
この他、東京電力、日本触媒、旭化成ケミカルズが3社合同で設立した「川崎スチームネット」についても紹介。東京電力川崎火力発電所が発電に使用する蒸気を再利用し、工場用エネルギーとして近隣の千鳥・夜光地区に集積する工場10社に供給しているそうです。
このことにより、各企業が独自にボイラーで作りだしてきた蒸気を一括で供給することができ、年間で1.1万klの燃料(原油換算)、約2.5万トンのCO2を削減できたとか。東京電力川崎火力発電所から直径64㎝、全長約6.4㎞に及ぶ配管が各工場へと張り巡らされ、SF映画のような光景を作り出していました。
バスは水江町へ、工場夜景撮影のため1回目の停車
扇町では車窓から工場夜景をたっぷり楽しみました。続いて水江町ではバスを停車しての撮影タイム。車窓からだと窓に反射してうまく撮影できないので、車外を出て幻想的な風景を狙います。
しかし、スマホ撮影ではこれが限界・・・。
皆さんにはぜひ直接足を運んでいただき、美しい工場夜景をその目で楽しんでいただければと思います。
再び東京レストランバスに乗車、最後のデザートがサービスされました
乗客が外で工場夜景に夢中になっている頃、バス車内ではシェフの荒井さんがデザートの準備中。こっそり隠し撮りしちゃいました。
デザートはなんと2品!1品目は先ほどシェフが仕上げていたミルクレープです。ラズベリーソースの甘酸っぱい味わいがおいしい。
そして2品目はパンナコッタキウイソースです。こちらがとてもさっぱりしていて気に入りました。
すでにお腹はパンパンなはずなのに、ペロリと完食です。コーヒーもしくは紅茶もサービスされます。
テーブルの中央にあるドリンクホルダーは、足つきのワイングラスなどが倒れないようにおけるもの、グラスやボトルなどを入れるホルダーが大きさ違いで2つあります。コーヒーカップもすっぽり収まるように設計されていてちょっと感動!
バスは2か所目の停車場所・千鳥町へ、線路越しに夜景が撮影できる人気スポット
続いて東京レストランバスは2か所目の停車場所、千鳥ヤード前に到着しました。ここは川崎工場夜景ではおなじみの場所。
線路が日本触媒工場の脇にあるため、線路越しに工場夜景が撮影できる人気スポットとなっています。
道ファンにとってもここはかなりの”萌え”スポット。人気なのがわかりました。
こちらは車窓見学スポットですが、道路状況や天候に恵まれたラッキーな方は降車できるそうですよ。
川崎工場夜景コース最大のハイライトは浮島の夜景
いよいよ川崎工場夜景ツアーも残りわずか。バスは多摩川スカイブリッジを渡り、最後の夜景スポット浮島へ向かいます。
多摩川スカイブリッジは羽田空港と川崎臨海部を結ぶ橋で、2022年(令和4年)3月12日(土)に開通しました。原付は通行不可ですが、歩道・自転車道が設けられています。
多摩川スカイブリッジを利用すると羽田と川崎がなんと徒歩10分で渡れるとか!ライトはLEDでレールに照明を内蔵し、車道側に照射することで川面に明かりがなるべく漏れないようにしているとのこと。
また、橋脚の数も減らすなど多様な生き物が暮らす多摩川の生態系に配慮しているそうですよ。
そしていよいよ浮島の夜景スポットを通過!もうただ、ただ圧巻です。バスの窓越しに広がる夜景はまるでSF映画の世界のよう。
首都高速神奈川6号川崎線の浮島~殿町間は、工場地帯を左右に分断するように通過。この感動は実際に見なければ伝わらないかもしれません。
いかがでしたでしょうか。ウィラーエクスプレスの運行する東京レストランバス「川崎工場夜景コース“フレンチとお酒と川崎工場夜景を楽しむ夜”」の魅力、少しは伝わったでしょうか。
現在予約できるのは、6月~9月までとなっており、専用サイトから受け付けています。
そして東京レストランバス、実は貸切もできます。バスの乗降場所については応相談。全コース最大で24~25名乗車可能です。おいしいお料理やお酒を楽しみながら、観光も楽しめます。
もちろん、今回限定運行する「川崎工場夜景コース”フレンチとお酒と川崎工場夜景を楽しむ夜”」も貸切可能です。
他では味わえない景色に出会えそうですね。
【東京レストランバス・フレンチとお酒と川崎工場夜景を楽しむ夜】
<催行期間>2022年6月~2022年9月
<料金>大人税込12,800円(小学生以下3,000円引き)
※詳しくは予約サイト「WILLER TRAVEL」で確認ください。
■取材・撮影協力
WILLER EXPRESS株式会社
川崎工場夜景コースを貸切バスで巡ることもできます!
東京レストランバスは期間限定での運行。予約が取れなかったという方、ぜひ貸切バスをチャーターしてオリジナルの川崎工場夜景ツアーを楽しんでみてはいかがですか?
発着場所も自由に設定可能ですし、日帰りや1泊2日コースなどお好みのプランを企画することができます。社員旅行や町内会、サークル旅行など、ぜひ楽しいバス旅行を実施してみてはいかがでしょうか。
バス会社の比較がポイント!