東京から貸切バスで2時間強で移動できる日帰りバスツアー。宝徳寺とあしかがフラワーパークへ
貸切バスをチャーターして日帰り観光を楽しむなら、片道約2時間程度でアクセスできるところがベスト。自動車運転者の労働時間等の基準改正により、それを超えるとワンマン運行で日帰りが厳しくなってしまうのです。
1人の運転手で運転できるのは1日9時間まで。片道2時間で往復4時間、残り5時間で食事、休憩、観光、アクティビティを盛り込んだバス旅行プランにするというのが1つの目安といえます。
2024年11月21日(木)に参加したはとバスツアーをモデルコースとして、立ち寄ったスポットやグルメなどをご紹介。東京から日帰りで楽しむバスツアーの参考にしてくださいね。
<バスツアーの内容>
京橋エドクラン11時出発==「新田乃庄」でおっきりこみランチ==群馬・宝徳寺「床もみじ」鑑賞==あしかがフラワーパーク==東京駅着20時終了(所要時間:約9時間/走行距離:270㎞)
イルミネーション鑑賞に合わせて、少し遅めの出発にして工夫
今回私(ちくわ)が参加したのは、はとバスの日帰りバスツアー。「あしかがフラワーパーク」のイルミネーションは日本三大イルミネーションに認定されており、500万球を超える装飾は迫力満点と毎年話題に。
これはぜひ見てみたい、ということであしかがフラワーパークを含めた日帰りバスツアーを検索。ちょうど紅葉が美しい時期だったので、「床もみじ」で人気の宝徳寺を訪れるコースに参加してみました。
2024年の紅葉の見ごろは終わっているので、これからなら「あしかがフラワーパーク」周辺で他のスポットと組み合わせていくのがおススメです。
イルミネーションを鑑賞してから都内に戻るため、少し遅めの11時出発。バス出発場所は「京橋エドクラン」からでした。
群馬県の郷土料理“おっきりこみ”が楽しめる「新田乃庄」へ
11時に京橋を出発したバス。少し渋滞があり、予定よりも少し遅めの昼食となりました。
訪れたのは群馬県太田市にある「新田乃庄」で、郷土料理である“おっきりこみ”が有名です。“おっきりこみ”は幅広の生麺を、旬の野菜やきのこなどと一緒に煮込んだ料理。
麺の生地を麺棒などに巻いて、包丁で“切り込み”を入れることから名づけられたとか。2014年「群馬の粉食文化・オキリコミ」として、「群馬県記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に採択されています。
群馬は年間通して晴れの日が多い気候と、水はけのよい土壌に恵まれているため古くから小麦栽培が盛んでした。そのため焼きまんじゅうやうどんなど小麦を使った「粉もの食」が盛んなのだそうです。
忙しい農家の主婦が限られた時間でおいしいものを作ろうと広がった“おっきりこみ”。幅広麺と野菜を使うことは決まっていますが、麺の具体的な太さや野菜の種類、さらに味付けに細かい決まりはなく、しょう油味やみそ味など味付けは様々です。
麺は無塩で下茹でせず、そのまま鍋に入れて煮込んで食べるのは珍しく、群馬の他に埼玉・山梨・長野などに限られているとか。
今回いただいたのは「名物おっきりこみ」と「もっそ飯(せいろ蒸しごはん)」「豚冷しゃぶサラダ」「お新香」のランチ膳。
「もっそ飯」とは木層筍飯(もっそけめし、勝ち飯)とも呼ばれ、群馬県の郷土料理の一つ。平安時代から食べられている武将弁当で、1人分を木箱に入れて出陣の際に携帯しました。
新田義重公が山菜の味を加えて宮廷で披露したのが始まりなのだそう。野菜や魚・肉等を素材としてふんだんに使用し、お米と一緒に蒸して調理します。
固形燃料で温めてくれるので、アツアツで頂けます。
幅広麺はやわらかく、味がシミシミでした。今回はおしょう油味のスープです。
群馬には桐生地方の郷土料理として「ひもかわうどん」があります。
薄くて幅広い麺が特徴で、麺の幅はお店によってさまざまなようですが、厚みは薄いというのが共通しているようです。こちらも下茹でせずに具材と煮込めば“おっきりこみ”となるそうで・・・。
基本的には同じもののようです。ひもかわうどんは麺をこねる際に塩を加えるところが違いという感じでしょうか。
団体向けのメニューもあるので、貸切バスで訪れる際は事前に予約がおススメです。
Information
新田乃庄(寒山亭)
住所:群馬県太田市寺井町690-2
問合せ先:0276-37-4711
バス駐車場:あり
愛らしいお地蔵さんがいっぱい!床もみじで有名な「宝徳寺」
宝徳寺は群馬県桐生市にある臨済宗の禅寺。宝徳年間の1450年頃に創建されました。
地元から親しまれているお寺ですが、最近で本堂の床に映るもみじ(春・新緑・紅葉)と多彩な御朱印で話題に。美しい枯山水の石庭やいろいろな表情のかわいいお地蔵さんが飾られている「地蔵のこみち」も人気です。
紅葉にはちょっと早かった「床もみじ」
今年は秋になっても暖かい日が続いた関係で紅葉が今一つ進んでいなかったのが残念。それでも大勢の方が無心にシャッターを切っていました。
2024年の「床もみじ」は10月19日(土)~12月11日(水)まで。例年だと11月下旬頃には赤や黄色に色づく「紅葉浄土」の世界を楽しめるとのことです。
煩悩まみれ!?で眺める禅の庭
市松模様になった中庭の石庭。「水琴窟 滴水の庭(てきすいのにわ)」という名がつけられており、わずかな水滴でも絶えず落ち続けると、固い石にも穴をあけるという意味です。
「継続は力なり」を伝える庭となっています。
上写真は「碧層々の庭(へきそうそうのにわ)」。石庭は省略できるもの全てを省略し、水を使わずに、石と砂などで、自然の美を表現した庭園です。
宝徳寺の石庭は山々を借景とした、不老長寿と吉祥を願う鶴亀蓬莱の庭になっています。神の山である蓬莱山を模した築山や長寿のシンボルである鶴や亀を現わした石組、手前の島は私たちのいる煩悩の世界を表現。
こちらは期間限定でライトアップもされるそうです。
床紅葉でごった返す境内で、心静かに庭を眺めるとはいきませんでしたw
かわいらしいお地蔵さんに癒される
集合時間にはまだ余裕があったので境内をぶらぶら。かわいらしいお地蔵さんが50体ほど飾られている「地蔵のこみち」を散策します。
赤や黄色に色づく小路には表情や姿もいろいろなお地蔵さんたちが出迎えてくれます。
この間参加したバスツアーで「大黒様」「亀の像」を撫でまわし、運気アップを狙った小娘。今回もお地蔵さんの頭を“念を込めて”なで回します。
なんということでしょう。その後小娘が引いたおみくじは「大吉」。私は「小吉」でした・・・。
種類豊富な御朱印の中から、小娘がいただいたのはもみじをあしらったデザインのもの。季節ごとに変わるそうなので、それも楽しみですね。
Information
大光山 宝徳寺
住所:群馬県桐生市川内町5-1608
問合せ先:0277-65-9165
バス駐車場:あり、マイクロバス以上は5.000円(要予約)
※予約が無い場合は拝観出来ませんのでご注意下さい
「あしかがフラワーパーク」に到着、先に腹ごしらえをして日が落ちるの待ちます
今回、最も楽しみにしていた「あしかがフラワーパーク」のイルミネーション。まだ日が残っているので最初に腹ごしらえしちゃいます。
正面ゲートを抜けてすぐ右手にあるスープ&フードコーナーへ。
私は一番人気の「佐野ラーメン」をいただきます。
小娘は濃厚スープの横浜家系ラーメン。
そして佐野市の名物「いもフライ」。こちらはふかしたじゃがいもを一口大の大きさにカットして衣を付け、串に刺して揚げたものです。
特製ソースをかけていただきます。
毎年好評価を得ている「あしかがフラワーパーク」のイルミネーション「光の花の庭」
「あしかがフラワーパーク」のイルミネーションは約100,000㎡という広大な園内に、500万球をこえるイルミネーション装飾を施し、見る人を圧倒する演出で有名。
2011年に日本夜景遺産に認定、2023年には「International Illumination Award」で「イルミネーションイベント部門優秀技術賞」にて全国第1位を獲得、前年の優秀ストーリー賞部門に続き、2年連続1位を獲得し、2冠達成の快挙となっています。
園内をダイジェストでご紹介していきましょう。
2024年の新作「スノーワールド」
2024年に新登場した「スノーワールド」。山の斜面を利用して映し出す“光の壁画”で、クリスマスを目前にしたサンタクロースの物語や煌めくオーロラの世界、スノーマンたちが登場します。
煌めく25mのイルミネーションタワーと連動して、躍動感ある演出で楽しませてくれました。
童話の世界に入り込むような「フラワーキャッスル」がリニューアル
2021年にリリースした「フラワーキャッスル」。童話の世界に登場しそうなお城と光の花畑、光の花火による壮大な演出が楽しめるイルミネーションスポットです。
お城の中に実際に入ることもでき、イルミネーションエリアを眺望することも。煌めく光のお花畑をたっぷりと楽しめます。
2022年リリースの「光のバラ園」
「光の花の庭」のコンセプトにふさわしいバラのイルミネーションが立体的に広がる「光のバラ園」。約5,000本の光のバラが煌めきます。
幅120m、高さ4.5mの光る壁画とバラ園のコラボレーションを楽しみました。
「あしかがフラワーパーク」のシンボル「奇跡の大藤」
「あしかがフラワーパーク」のシンボルである藤。栃木県指定天然記念物となっています。
1991年足利市中心部にあった樹齢130年、幹回り3.6m、棚面積600㎡の大きさの藤棚は、町の再開発に伴い移動せざるを得なくなりました。幹の直径1m以上の藤を移植成功させた前例がなく、困難を極めたそうですが、延べ2,000人の人々の努力と協力により1996年に無事移植。
日本初の成功例「奇跡の大藤」として現在では樹齢160年を超え、広さ1,000㎡の大藤棚に成長しています。イルミネーションイベントではこの大藤をモチーフにした神秘的な空間演出を。
花の咲き始め~満開~舞い散るまでのストーリーで再現して見せてくれました。
水鏡に映し出されるファンタジーの世界「みんなの地球」
2013年に初登場した「みんなの地球」。水面を利用することで光の量を2倍にした「水鏡効果」を利用して、幻想的な空間演出が魅力となっています。
人間も動物も植物もみんなで1つの「地球」というテーマで、地球の周りに色々な仲間達が楽しく現れます。船に乗り、ファンタジックな1枚が撮れるフォトスポットもありました。
来園時期により変化する「あしかがフラワーパーク」のイルミネーション
2024年の「あしかがフラワーパーク」イルミネーションは、10月18日(金)からスタート。2025年2月16日(日)まで開催されます。
11月中旬までは光と花のコラボレーションとして「光とアメジストセージの融合」が開催中でした。
11月下旬から12月下旬までは「クリスマスファンタジー」、元日から期間終了まではニューイヤーイルミネーション「光と冬咲きボタンの競演」を予定しています。
本物のお花畑のように光り輝くエリアや、光の花手水など、フラワーパークならではの演出がとても素晴らしい。
初めて訪れたあしかがフラワーパークですが、人気の理由がとてもよくわかりました。皆さんもぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。
Information
あしかがフラワーパーク
営業時間・入園料はこちら≫
住所:栃木県足利市迫間町607
問合せ先:栃木県足利市迫間町607
*20名以上の団体で割引あり、15名以上の同一メニュー・昼食予約で入園料が無料になります(イルミネーション期間の夕食は対象外)
観光バス駐車場:あり、無料
※団体バスは事前に予約(0284-91-4939)
イルミネーション「光の花の庭」
【開催期間】2024年10月18日(金)~2025年2月16日(日)
※12月31日(火)は休園
【夜の部営業時間】15時30分~20時30分(土日祝は21時まで)
※11月1日(金)~翌1月5日(日)は平日21時、土日祝21時30分まで
【点灯開始時間】17時~
※11月1日(金)~翌1月5日(日)は16時30分~点灯開始
【入園料】大人1,400円、子ども700円
人数が多いグループはツアーバスより貸切バス
今回のバスツアー、実はとても残念なことがありました。20名近いご年配者の団体・グループが参加されており、それ自体は何も問題ないのですが・・・。
ともかくツアー開始からおしゃべりがひどく、しかも大声でひたすら大騒ぎされていました。せっかくバスガイドさんが見どころを一生懸命ガイドしてくださっていたのに、全く聞こえません。
とても残念に感じたのは私だけではなく、個人で参加されていた他の方も同じ気持ちだったようです。またお昼の後、バスに戻るのが遅れるなど、周りの方への配慮が感じられませんでした。
ガイドさんから「乗合バスなので周りの方への配慮をお願いします」という呼びかけがあったのにも関わらず相変わらず無視。
たまりかねたバスドライバーさんから少し厳しめの注意があり、ようやく少し静かに。その後は午前中よりはトーンダウンしたものの、やはり大声でのおしゃべりは続いていました。
20名いらっしゃるならツアーバスではなく、貸切バスで楽しまれた方がよかったのではと老婆心ながら思います。自分たちのペースで観光できますし、バス車内でワイワイ騒いでも問題なし。
観光先で車いすを利用されているグループの方が「こんなに歩かされるとは思っていなかった・・・」というつぶやきも耳にしていた私。まとまった人数で楽しくバス旅行したいなら、断然貸切バスですよ!
東京から片道2時間前後で移動できる日帰りバスツアー特集
・宝徳寺とあしかがフラワーパーク
・埼玉・群馬の名所・テーマパークを周遊
・大洗磯前神社・酒列磯前神社・御岩神社3社詣で
貸切バスで同じコースを周遊したらいくらぐらいになる?
貸切バスの料金(運賃)は、2023年8月から単価が変更になり、バス会社が季節や需要に応じて自由に料金を決められるようになっています(下限は決まっていますが上限はなし)。
正確なバス料金は見積りを取り寄せない限りわかりませんので、あくまでも目安とお考えください。
今回のバスツアーを貸切バスで運行した場合の参考料金(距離270㎞、運行時間9時間)は、以下の通りです。
- 大型バス 127,138円(税込)~
- 中型バス 108,856円(税込)~
- 小型マイクロバス 93,357円(税込)~
※上記金額は2023年8月25日に国土交通省が公示した「新公示運賃額(最低基準額)」に基づき、計算した最低基準額です。実際のバス料金は、各バス会社が関東運輸局に届け出た単価で計算します。
※バス運行前・運行後の安全確認を行う2時間を含めて11時間で計算しています。
※バス会社からバス乗降場所までの回送分は含みません。
大型バスは上限43名、中型バスは27名、小型マイクロバスは20名です。参加人数で頭割りすればおよその金額がわかるかと思います。
この料金以外に、高速代・駐車場代・施設入場料・食事代などが実費としてかかるので、だいたい1人あたり10,000円前後で催行できるのではと思います。実際のはとバスツアーも参加費は1人11,000円でした!
「あしかがフラワーパーク」周辺には魅力的な観光スポットがたくさんありますので、ぜひ貸切バスでお出かけくださいね。
※今回のバスツアーは途中渋滞等があり、トイレ休憩を多く取ってくださったため、帰着時間が21時を回ってしまいました。実際に貸切バス旅行を計画される場合は、ドライバーさんの運転時間を配慮して余裕のあるスケジュールで催行されることをおススメします。
★栃木県内でおススメの観光地情報★
バス会社の比較がポイント!