初めての法事(法要)!準備や心得、マナーは?【ことばの意味編】
法事(法要)は「冠婚葬祭」のうち「祭」にあたる行事。祖先を祀り、故人を忍び、冥福を祈るために行われるものです。
お葬式に出席した経験はあるけれど、法事(法要)は幼かった頃に数回体験しただけという方も多いのでは?自分の身内が亡くなったのは初めてというとき、どのように準備して進めていけばいいか迷いますよね。
法事(法要)についての解説と準備、心得、マナーについて詳しくご紹介するシリーズ。1回目は聞きなれないことばが多い法事(法要)の用語解説をします。
法事と法要の違いは?意味は?
「来月はお父さんの〇回忌だからお坊さんにお経をあげてもらわなきゃ!親戚の▲▲さんに連絡しないといけない」
そんな時に使うのは法事?それとも法要??法事と法要の違いってなんなんでしょう。
実は法要とはお坊さんにお経をあげていただく行為をいいます。法事は、法要の後に行われる会食(お斎=おとき)とも呼びます)までを含めた行事を指すことば。
もし、お坊さんにお経をあげていただいた後、会食までを含めて案内するようであれば“〇〇の●回忌の法事にあたり”と案内するのが正しいですね。
会食は「お斎(とき)」?「精進落とし」じゃないの?
「精進落とし」は、寺社や神社にお参りした後や祭事・神事の後、通常の食事や生活に戻ることを意味します。精進料理は殺生が禁じられている仏教において、肉・魚を使わず野菜や豆、穀類を工夫して調理した料理のこと。
かつて身内が亡くなると、四十九日の忌明けまで精進料理で過ごすものでした。このため、四十九日の法要明けに精進料理から通常の食事に戻すという意味で「精進落とし」「精進明け」などと呼んでいました。
最近では忌明けまで精進料理で過ごすことはほとんどなく、初七日法要後に提供する会食を「精進落とし」と呼ぶように。
しかも初七日の法要は参列者への負担を軽減するため、葬儀の時に合わせて行われる(繰り上げ法要)のがほとんど。このため「葬儀の時の会食=精進落とし」といわれるようになったようです。
初七日の法要以外に行われる法要後に提供する会食は、精進落としとはいわず、お斎ということばを使うのが通例だそう。広い意味では、お斎も精進落としと同じということができるかもしれません。
お斎の“斎”は仏教用語の「斎食(さいじき)」がもとになりできたことば。決まった時間に食事をとるという意味だそうです。
ちなみにお通夜で提供される食事は「通夜ぶるまい」。神社で執り行う葬儀の場合は「直会(なおらい)」というそうですよ。
法事はいつ行う?何回忌までやるべき?
親しい人が亡くなり、葬儀を行った後の法事まで一般的な流れを一覧にしてみました。
- お通夜
- 告別式(お葬式)
- 初七日
- 四十九日(お墓の準備が間に合えばここで納骨)
- 新盆(亡くなって初めてのお盆=初盆)
- 初彼岸(亡くなって初めてのお彼岸)
- 一周忌(満1年目)
- 三回忌(満2年目)
- 七回忌(満6年目)
- 十三回忌(満12年目)
- 十七回忌(満17年目)
- 二十三回忌(満22年目)
- 二十七回忌(満26年目)
- 三十三回忌(満33年目=年忌止め)
地域や宗派によっては五十回忌、百回忌、百五十回忌まである場合も!最近では三回忌までは行い、以降は省略する場合も多いようです。あるいは、親戚縁者は呼ばず、兄弟姉妹だけでというケースも。
年忌法要で重要なのは三回忌までといわれています。その理由は、四十九日に閻魔大王から悪い裁きを受けた場合でも、より良い道へ進めるよう功徳を積むためにあるとか。
来世への道が決まる10回目の裁きのうち、一番最後が三回忌のタイミングだといいます。少なくとも三回忌まではきちんと法事を行うべきといわれるのは、そんな意味が込められていたのですね。
お寺やお墓までの送迎や会食の準備を整えたりするのは、お金も労力もかかるもの。事情がある場合は、無理のない範囲で執り行うでもよいのではないでしょうか。
各弔事の意味を解説していきます。
お通夜とは?
葬儀(告別式)の前日に行われるのがお通夜です。もともとは夜伽(よとぎ)とも呼ばれており、故人との別れを惜しみ、夜通し霊を慰めるために行われていた行為でした。
最近では、仕事の関係等で告別式に参列できない方も多いため、家族や親せきだけではなく一般の方も参列するケースがほとんどではないでしょうか。
通常であれば、亡くなった日の夜に仮通夜が行われ、翌日の夜が本通夜、翌々日に告別式という流れになります。ただ、葬儀場や火葬場の空き状況、参列者の事情により、週末にずらしたりする場合も。
また「友引」は弔事には避ける」という考え方もあり、告別式が友引にあたらないようずらすこともよくあります。
告別式とは?葬儀とどう違う?
葬儀とは故人の冥福を祈り葬る儀式のことをいいます。つまり亡くなった人が仏様に弟子入りし、戒律(かいりつ)を与え、浄土へ導く意味が込められた宗教的儀式を意味します。
告別式は故人と親交があった人々が最後にお別れを告げるもの。いうなれば社会的な儀式(式典)。「お別れの会」という言い方もよくします。
つまり「葬儀=お坊さんにお経をあげてもらう儀式」「告別式=故人とお別れをする会」という意味。
最近では葬儀と告別式を同時に行うのが一般的になってしまっています。
初七日とは?
初七日(しょなのか・しょなぬか)とは故人が亡くなった日から7日目に行う法要を意味します。
仏教では亡くなってから四十九日までを中陰(ちゅういん)と呼び、閻魔大王からのお裁きを7日おきに受けるとされています。
中陰はもともと輪廻転生の四有の「中有(ちゅうゆう)=死んでから次の生を受けるまで」から来ていることばだそうですよ。
輪廻転生の四有は他に「本有(ほんぬ)=現生」「死有(しう)=臨終」「生有(しょうう)=生まれた瞬間」があります。
四十九日とは?
人が亡くなって7日ごとに裁きを受けます。本来は初七日の後、二七日(ふたなのか=14日目)、三七日(みなのか=21日目)、四七日(よなのか=28日目)、五七日(いつなのか=35日目)、六七日(むなのか=42日目)、七七日(なななのか=49日目)と続きます。
最期の七七日がつまり四十九日。満中陰ともいいます。
死んでから49日目に新しく生まれ変わる、来世への道筋が決まるとされているので、重要視されている法要のひとつになっています。
お位牌の開眼(故人の魂を仮位牌から本位牌へ移す)やお墓への納骨は、この四十九日の法要で行うのが多いようです。また、四十九日までを「忌中」といい、通常の食事や生活に戻る一区切りでもあります。
納骨とは?
故人のご遺骨をお墓に納めることを納骨といいます。特にいつまでに埋葬しなければならないという決まりはありません。
お墓に遺骨を納める場合は「納骨式」と呼ぶこともあるようです。
最近では、お墓を持たずに納骨堂に預けるケースも。また、自然葬(樹木葬や散骨)を選ぶ方も多くなってきました。
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新盆(初盆)とは?何をする?
新盆(初盆)とは、四十九日の法要を終えた後、初めて迎えるお盆のこと。お盆は亡くなった人が年に一度、家族のもとに帰ってくる期間とされています。
言い方は地域によって新盆・初盆さまざまですが、通常のお盆に加えて、丁寧にお祀りしたり、お経をあげていただくことも多いようです。
基本的には精霊棚(しょうりょうだな)を用意します。精霊棚は故人が滞在する場所。きゅうりやなすで作った精霊馬やお膳、果物、盆提灯などを机の上に飾ります。
お盆明けには送り火を焚き、精霊棚を片付けます。
初彼岸(ひがん)とは?何をする?
彼岸とは向こう岸を意味することば。煩悩を断ち切った悟りの世界に到達する(極楽浄土に行く)ことを意味します。初彼岸は故人が極楽浄土に行く日ということ。お墓参りにいくのが通例です。
お仏壇やお墓をきれいにお掃除し、お花やお線香、故人の好物などを供えます。
お彼岸は春分の日・秋分の日の前後3日間。初日を彼岸の入り、春分・秋分日当日を中日(なかび)、最期の日を彼岸明けと呼びます。
ところでなぜお彼岸におはぎやぼたもちを食べるのでしょうか。
昔は砂糖が貴重で、甘いものを食べるのは贅沢でした。故人がお腹を空かせないよう供えられたものであり、大切な人にふるまうものとして準備されたようです。
また小豆の赤い色には魔除けの力があるとされ、邪気払いという意味もこめられているようですよ。
おはぎとぼたもちの違いは諸説あるようですが、季節の違いというのが有力。春に食べるものをぼたもち(牡丹餅)、秋に食べるものをおはぎ(御萩)というようです。
一周忌とは?
一周忌は満1年目の命日に行われる法要のことです。その後、三回忌・七回忌と続きますが、なぜ1回忌といわないのでしょうか?
「回忌」とは「命日」のこと。つまり一回忌=1回目の命日を意味します。一周忌は2回目の命日のこと。言い換えれば2回忌ということです。
一周忌は喪が明ける節目でもあります。身内だけではなく、知人や友人も参列し、故人をしのぶための法要を行うのが一般的です。
お墓の準備が間に合わなかった場合、一周忌の法要で納骨する場合もあります。
三回忌とは?
三回忌とは3回目の命日をいいます。亡くなったその日が1回目の命日(一回忌)、2回目の命日(一周忌)。
三回忌は亡くなってから二年後に行うというのはこのためです。三回忌は故人の行く末を決める節目となる法要のため、お墓詣りから会食まできちんと行う場合が多いようです。
七回忌とは?
七回忌とは7回目の命日のこと。亡くなってから六年後に行う法要です。大体の場合、参列者を絞り、家族だけで行うことが多いようです。
十三回忌とは?
十三回忌とは12回目の命日。七回忌以降は、他のご先祖様の法事と合わせて行う「併修(へいしゅう)」が増えてきます。
併修は1年に二つ以上の法要が重なった場合に、一緒に行うこと。参列者の負担も軽減することができます。
十七回忌とは?
十七回忌とは16回目の命日。故人を知る人も少なくなってきますので、家族だけでお墓参りということもあるようです。
ちなみに法要がなぜ「三」「七」のつく年なのかは諸説ありますが、仏教にとって大切な数字だからといわれています。
「三」は2を超える数字だから。2というのは「有・無」「損・得」という極端な意味を示すもので、それを越えて中道(偏った慮極端ではない中間)の生き方をするということを意味してるとされています。
「七」は仏教で説かれる六道(ろくどう・りくどう)の世界を越えて、悟りに入る、つまり6を超える数字だから。六道とは、輪廻転生する6種の世界のことで、地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天上界があります。
二十三回忌とは?
二十三回忌とは22回目の命日。遺族も高齢になってきますので、行事として行うのは難しくなってきます。
二十七回忌とは?
二十七回忌とは26回目の命日。他の法事と合わせて行う(併修)ことが一般的になるでしょう。
三十三回忌とは?
三十三回忌とは32回目の命日。年忌法要では、三十三回忌をもって弔い上げ(この先は行わない)とするケースが多いです。
初めての法事(法要)!準備や心得、マナーは?【ことばの意味編】まとめ
法事(法要)には独特の言い回しがあり、よくわからないことがたくさんあります。また、なぜそのようなやり方をするのか知らずにいることも多いのではないでしょうか。
いずれにせよ、法事(法要)は故人を忍び、心からの冥福を祈る大切な行事。また、普段なかなか顔を合わせない家族や親せきとの縁(つながり)を感じる貴重な機会です。
普段地元を離れていたり、お墓参りをする機会も少なくなっていますので、法事のついでに家族そろって観光を楽しんだり、温泉に出かけるのもいいですね。
そんな時はぜひ、法事(法要)送迎用に貸切バスを活用してください。
お寺からお墓、会食場所までの送迎。ついでに温泉地まで送ってもらい、1泊2日で観光を楽しむのもOK。見積りは無料ですので、どうぞお気軽に「貸切バスの達人」からお問合せください。
次回以降、法事(法要)の流れや準備、費用、服装やマナーなどを順次解説していきます。
■初めての法事(法要)!準備や心得、マナーは?
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