空港や駅からの送迎、貸切タクシー・貸切バスではどちらが安い?お得の境目について
荷物が多い場合、空港や駅への送迎をタクシーにするか、貸切バスにするか迷う場合があります。特に1台のタクシーに乗り切れない人数の場合、2台・3台と複数台手配した場合が安いのか、マイクロバス1台をチャーターした方が安いのか知りたいですね。
今回は、人数が10名前後の場合、貸切バスにするか貸切タクシーを複数台利用した方がいいのか、迷う場合について徹底解説。料金の目安やよくある質問などにもお応えします。
貸切タクシーの種類・大きさ・定員数について
乗用車タイプの一般的な貸切タクシーでは、最大定員数は4名。しかし、全員がスーツケースを持っている場合などは、最大定員数で乗車するのは無理です。
またコロナ禍でもあり、密を避けるという意味でもできれば2~3名で利用するのが安心です。
定員数が多い貸切タクシーには「ワゴンタクシー」「ジャンボタクシー」があります。以下、乗車人数についてまとめてみました。
貸切タクシーの種類と定員数
タクシーのタイプ | 定員数 | 最適な利用人数 |
貸切タクシー(普通乗用車タイプ) | 4名 | 2~3名程度 |
貸切ワゴンタクシー(ミニバンタイプ) | 5~6名 | 4名程度 |
貸切ジャンボタクシー(ワンボックスタイプ) | 7~9名 | 5~8名 |
貸切ワゴンタクシー(ミニバンタイプ)の仕様について
タクシー会社によりますが、一般的にはトヨタのアルファードやヴォクシー、ヴェルファイア、日産セレナなどがよく使われているようです。
トヨタのヴェルファイアは、2代目アルファードの兄弟モデルとして誕生した高級感のあるミニバンです。
ワゴンタクシーとして使われる場合は、運転手を含め7名乗り・8人乗りの2タイプ。お客様が乗車できる最大人数は6~7名までとなります。
もし、スーツケースがある場合は、後部座席をたたんで使用するため、乗車人数は最大でも3名となります。
ワゴンタクシーの場合、一般的なタクシーとあまり変わらない印象です。
貸切ジャンボタクシー(ワンボックスタイプ)の仕様について
タクシー会社によってさまざまですが、一般的にはトヨタのハイエースや日産キャラバンなどのワンボックスタイプがよく使われているようです。
ワンボックスタイプの座席は通常3列で、後部座席をたためばスーツケースを積むことも可能。この場合、乗車人数は最大で5~6名となります。
ワンボックスカータイプはサイズバリエーションが豊富ですが、タクシーとして使用できるのは乗車可能人数9名まで。10名を超える場合は、タクシーではなく「貸切バス」会社として申請・登録が必要になるからです。
10名以上一度に乗れる車両を希望する場合は「貸切バス会社」で手配しましょう。
タクシー会社で手配できる車両は、1台当たり最大乗車人数9名までと覚えておきましょう。
ワゴンタクシーやジャンボタクシーは、タクシー会社によって所有している・所有していないことがあります。また、所有していたとしても台数が少ないため、事前予約制がほとんど。
利用したい場合は、早めにタクシー会社に連絡して予約するのがおすすめです。
貸切バスの種類・大きさ・定員数について
貸切バスは小型マイクロバス・中型観光バス・大型観光バスの3種類。10名以上で利用する、移動で高速道路・有料道路を使用するなら、タクシー複数台よりも貸切バス1台がおすすめです。
タクシーと小型マイクロバスの間に10~13名乗れる“コミューター(ミニバス)”というのも存在しますが、料金は小型マイクロバスとまったく同じです。所有しているバス会社がほとんどないため、ほぼ手配できないと思ってください。
また、小型の観光バスタイプというのも存在しますが、15年以上前に各メーカーとも生産終了。所有しているバス会社がほぼない上、排ガス規制をクリアしていないので、規制が厳しい大阪都心部などは通行できません。
小型観光バスもマイクロバスと料金はまったく同じで、むしろ安くなる場合がほとんどです。
以下、乗車人数についてまとめてみました。
貸切バスの種類と定員数
貸切バスのタイプ | 定員数 | 最適な利用人数 |
小型マイクロバス | 20名(補助席入れて26名程度) | 20名程度 |
中型観光バス | 27名(補助席なし) | 27名程度 |
大型観光バス | 43~45名(補助席入れて53名程度) | 43名程度 |
小型観光バス | 21~25名(補助席なし) | 20名程度 |
ミニバス | 10~13名(補助席なし) | 10名程度 |
貸切マイクロバスには荷物室がありません
バス会社によりさまざまですが、一般的には三菱ふそうローザ、日野自動車リエッセⅡ(トヨタのコースターのOEM)がよく使われています。
ボックスタイプのジャンボタクシーを大きくしたようなイメージです。正席で20席、補助席利用で最大25~26名の場合がほとんど。
ジャンボタクシー同様、荷物室はないので、スーツケースなどの荷物がある場合は、座席をつぶして載せます。このため、乗車人数は14~16名ぐらいを目安にするとよいでしょう。
リエッセⅡ(トヨタコースター)の一部の車種に、後部座席に荷物スペースを設けたタイプが存在します。
この場合、大型スーツケースが12個まで乗せることができました。しかし、20名全員がスーツケースを持っている場合は、やはり座席をつぶして載せるしかありません。
安全上、座席と座席の間の通路に置くことはできませんので、14~16名での利用となります。
貸切中型バスには貫通式トランクルームあり!
バス会社によりますが、一般的には日野自動車の日野セレガやいすゞ自動車のガーラ(いずれもジェイ・バス製)、三菱ふそうのエアロエースがほとんどです。
貸切バスとして使われる場合は、27名乗りがほとんど。補助席はありません。
貫通式トランクルームが2本ついているので、スーツケースがあっても大丈夫。また、座席と座席の間がゆったりしているので、長距離・長時間の移動もラクラクです。
貫通式トランクルームの1本に10個のスーツケースが入りましたので、2本で20個までは大丈夫。ただし、乗車人数27名の場合はやはり載せきれないため、24~15名での利用が最適ということになります。
≫トランクルーム実験第3弾!中型バスにスーツケースは何個積める?
貸切大型バスは貫通式トランクルームが2~3本
バス会社によりますが、一般的には三菱ふそうのエアロエース・エアロクィーン、日野自動車の日野セレガ・いすゞ自動車のガーラ(いずれもジェイ・バス製)となります。
貸切バスとして使われる場合は、43~45名定員で補助席を利用した場合は53~55名まで乗れます。
大きめのトランクルームが2~3本ついているので、スーツケースがあっても大丈夫です。空港送迎用のリムジンバスでよく使われています。
とはいえ、乗車人数全員がスーツケースを持っている場合はやはり載せきれません。大サイズで36個、特大サイズで32個が限界という実験結果に。
30名~35名ぐらいであれば問題なく利用できるというのが目安になります。
▼貸切バスの種類・大きさ・定員数はこちらを参考に
貸切バスの種類|大型観光バス|中型観光バス|小型マイクロバス|小型観光バス|ミニバス|
貸切タクシーの料金計算
通常のタクシー料金は初乗り運賃があり、その後は走らせた距離で計算。しかし、走行速度が10㎞/h以下になった場合、走行時間を距離に置き換えて計算する「時間距離併用性」に切り替わるようになっています。
空港送迎や観光の場合、時間貸しや定額料金で運行しているタクシー会社がほとんど。事前に申請してリーズナブルな料金で運行できるようにしているようです。
羽田空港から東京都内の場合、日本交通株式会社の例を見ると6,100~11,300円とありました。いくらかかるのか正確な料金を知りたい場合は、タクシー会社から見積りを取り寄せてみましょう。
貸切バスの料金計算
貸切バスの場合、走らせた距離と時間の併用制で計算。料金単価は国土交通省が定めた「新しい運賃・料金制度」に基づき、上限から下限までの間で決められており、それより安く・高くすることは原則できません。
また、貸切バスは最低の利用時間は3時間から。30分だけ、1時間だけという場合でも料金は3時間として計算されるので、移動時間が短い場合は割高になる可能性があります。
さらに、バスは大勢の方の命を預かることから、安全対策のための点検時間として、運行前・運行後にそれぞれ1時間ずつ(計2時間)とることが義務付けられています。こちらの時間もバスの利用時間として加算されるので、貸切バスの最低料金は5時間から計算されると覚えておいてください。
▼都道府県別送迎バス料金の目安
北海道(札幌)|青森|岩手|仙台(宮城)|秋田|山形|福島|茨城|栃木|群馬|埼玉|千葉|東京|横浜(神奈川)|山梨|長野|新潟|富山|金沢(石川)|福井|静岡|岐阜|名古屋(愛知)|三重|鳥取|島根|岡山|広島|山口|滋賀|京都|大阪|兵庫(神戸)|奈良|和歌山|徳島|香川|愛媛|高知|福岡|佐賀|熊本|大分|宮崎|長崎|鹿児島|沖縄
貸切タクシー・貸切バスお得に利用する人数の境目は?
貸切タクシー1台では乗り切れない場合、複数台手配するのと、貸切バス1台手配するのではどのぐらい料金が違うのでしょうか。 以下、場合分けしてみました。
貸切タクシーの方がお得になるケース
- 人数が9名以下で荷物が少ない
- 近距離、短時間の利用
- 少ない人数で空港や駅まで片道だけの利用(行きだけ、帰りだけの利用)
貸切バスの方がお得になるケース
- 人数が10名以上で荷物多め
- 利用時間が3時間以上
- 高速道路や有料道路を利用する
貸切バスと貸切タクシー料金の境目は?
羽田空港から渋谷駅まで5名で移動する場合(深夜・早朝を除く)を例に料金を比較してみましょう(日本交通の場合)。
■定額タクシー:6,800円×2台=13,600円(税込)~
■通常タクシー:7,060円×2台=14,120円(税込)~
■貸切マイクロバス:32,835円(税込)~
羽田空港から渋谷駅までは、近距離・短距離移動のため、タクシー2台の方がお得となります。
成田空港から渋谷駅まで5名で移動する場合(深夜・早朝を除く)を例に料金を比較してみましょう(日本交通の場合)。
■定額タクシー:20,000円×2台=40,000円(税込)~
■通常タクシー:31,800円×2台=63,600円(税込)~
■貸切マイクロバス:47,355円(税込)~
この場合、距離も時間も伸びるため、タクシーよりも貸切バスの方が安く済む可能性がでてきました。ぜひお見積をとって比べてみましょう。
もちろん、8~9名でもスーツケースが人数分ある場合や、新型コロナ対策として座席を空けて利用したい場合におすすめです。マイクロバスなら11名まで隣の座席を空けて利用できますよ。
貸切バス料金は2023年8月25日に国土交通省から発表された「新公示運賃額(最低基準額)」に基づき計算しています。実際の料金は各バス会社ごとに単価を決めて計算しますので、正確な料金は見積りを取らない限りわかりません。
どのぐらいの費用がかかるかは見積りをとって、しっかり料金を比較するのが最安値で手配するコツ。
見積りは無料で取り寄せできますので、ぜひお問合せください。
※記事内で紹介しているバス料金は、バス会社から乗降場所までの回送分は含みません。
※また、高速道路代等の実費は別途精算となります。
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≫貸切バス(送迎バス)のキャンセル料は?
最近、空港送迎でよくあるミスについてまとめた以下の記事もぜひ参考に!
空港や駅への送迎用に、貸切タクシー・貸切バスを手配するまとめ
会社の研修やスポーツ合宿、遠征などで空港からの送迎が必要な場合。荷物が多い時はタクシーでは乗り切れません。
また、コロナ禍ということもあり、できるだけゆったりとしたスペースを確保したいですよね。
人数や送迎する移動距離(時間)、利用方法によりどちらがおすすめか、お得かは条件によってさまざまん。しかし、いずれの場合でも「貸切」であれば、希望するルートで送迎してもらえるのが嬉しいポイントです。
以下、記事のポイントをまとめました。
- 乗車人数が9名以下なら貸切タクシー、10名以上なら貸切バスがお得な場合が多い
- 長距離、長時間移動、荷物が多いなら9名以下でもバスが安い場合がある
- マイクロバスは荷物室がないため、スーツケースは定員数よりも少ない人数で利用する
- 中型バスや大型バスの場合でも人数分のスーツケースがある場合は、定員数よりも少ない人数で!
貸切タクシーも貸切バスも、出発する地域(エリア)により、金額が異なります。しっかり見積りを取って比較しないと損をしてしまうかも!見積りの取り寄せは無料ですので、ぜひお気軽にどうぞ!
各バス会社とも、新型コロナウイルス感染症対策に一生懸命取り組んでいますので、どうぞ安心してご利用ください。
バス会社の比較がポイント!