韓国のバス事情

【お隣韓国の路線バス事情】韓国ソウルの電気バスに乗ってみた!

バスはもちろん海外にもあるわけで、なかなか知ることができない海外のバス事情は気になりますよね?

そこで今回は韓国在住経験のある両国投資研究会のはるぴょんが、お隣の国韓国の電気バスについて紹介します。

日本でも導入するバス事業者が増えつつある電気バス、韓国では一体どのような背景で導入されたのでしょうか?

韓国ソウルでは電気バスを路線バスとして積極的に採用

韓国で路線バスとして電気バスが導入されている

投資の世界などでもESG投資など、環境(Environment)に配慮した投資や企業経営が求められている近年。お隣の国韓国ソウル市では環境問題への配慮として、大気汚染物質を排出しない電気(EV)バスを見かけることが多くなりました。

電気バスはガソリンの代わりに電気を動力源とする為、マフラー(ガスの排出口)がなく限りなく環境に優しい乗り物ですね。

電気バスと聞くとガソリンよりもエネルギーの持ちが悪いようなイメージも受けますが、ソウル市で採用されている電気バスは1回20分で充電完了。 

電気バスの車体自体も、鉄板の代わりにカーボンを使い車体自体が軽量化されていることもあり、1回の充電で120kmを走行可能だそうですよ!

韓国内ではどの都市で“電気バス”に乗れる?

2021年8月現在ではソウル・京畿道市内で走行しているようですが、観光で訪れた際に是非チェックしたいのが南山(ナムサン)を走行する電気バス。

車体には大きなEVのロゴとともに、ソウルの名所南山タワーやケーブルカーなどのモチーフがプリントされていて素敵です。

日光のいろは坂を彷彿とさせる南山の急な坂道を、電気の力ですいすい登るナムサンを走行する電気バスは必見ですよ。

韓国ソウルの電気バスに実際に乗ってみた!

韓国ナムサン公園からの眺望
ナムサン公園からの眺望(画像はイメージです)

コロナ禍で日本からの渡韓が厳しい今、特別に韓国の友人に依頼しナムサン電気バスの乗り心地をレポートしてもらいました。以下、友人からの感想です。

  • 走行の音が静かでほぼ無音
  • 走行がなめらかで、揺れが少ない
  • バスと地上の段差が少なく、足腰の悪い人でも安心

一部では「まるでジェットコースター」との呼び名もある韓国の路線バスですが、電気自動車は揺れが大変少なく乗っていて安定感が違うとのこと。

韓国ソウル市では現在も税制上での恩恵などを与えるなどし、電気バス、電気自動車の導入を急速に進めているそうです。

導入費用面、充電場所の設置等の理由から、なかなか日本では導入が進んでいない電気バス。2018年に国土交通省が「電気バス導入ガイドライン」を発表し、積極的な推進をサポートしています。

日本の場合は、トヨタ自動車×日野自動車が開発した水素バス、いすゞ自動車とユーグレナが取り組んでいるミドリムシを使った燃料開発など、環境負荷を軽減するための施策がいろいろ。今後の国内で環境に配慮したバス普及に期待が寄せられています。

水素使った燃料電池バス「都営バス」
水素使った燃料電池の都営バス(バスまつり2019より)

海外での取り組みの一例として、韓国を訪ねる事があればぜひ現地の電気バス事情をチェックしてみてはいかがでしょうか。

おまけで韓国の路線バスをご紹介!

最後に、韓国の街を走る路線バスの写真を大放出。市民の足となる路線バスは、地域や用途により色やデザインが異なっているのをご存知ですか?

下の写真は汝矣島のバスセンターの写真。赤色⇒広域/空港バス、青色⇒幹線バス、緑色⇒地線バス、京畿道/仁川バスと書いてあります。色でおよその行き先が区別されているというわけですね。

汝矣島のバスセンター

さてみなさんは、もう韓国語が読めなくとも下の3台のバスがだいたいどちらの方面に向かって進むかおわかりいただけるのではないでしょうか?

赤色バスは空港からの移動で利用した人も多いはず

また、韓国旅行の経験があり、仁川国際空港からソウル市内まで空港バスで移動された方には赤色バスは馴染み深いでしょう。

さらに韓国のバスの特徴の一つに側面に大きな広告がシーリングされていることがあります(日本でいうところのラッピングバス)。 下の写真の広告は、中古車アプリの広告です。

中古車アプリの広告がラッピングされたバス

美容クリニックや最新のアプリやサービスなどその種類は様々で、目の前を通るバスのキャッチーな広告を見ているだけで楽しいですよ。

そして最近では通退勤の道路混雑を避けるために、郊外と首都圏を結ぶ2階建てバスの導入も行われています。日本では高速バスで2階建てバスを導入するケースやはとバススカイバスで2階建てバスが導入されていますね。

また、東京ヤサカ観光バスでは貸切バスでアストロメガの2階建てバスを導入したことでも話題になりました。

郊外と首都圏を結ぶ2階建てバスを導入

長時間の走行になりがちの2階建てバスにはUSBポートや読書灯が設置されており、無料Wi-fiも使え快適に通退勤できます。見た目だけでなく、乗車者の快適さまで考えられている点は是非見習いたいポイントです!

さて、ここまでお隣の国韓国ソウルの電気バスから最新の路線バス事情までレポートしてきました。

日本の路線バスとはまた一味違う、環境や用途に合わせ乗車者思いのサービスが提供されており大変に興味深いですよね。

韓国は地理的にも近い国ですから、 韓国を訪れる事があれば韓国の電気バス、路線バスを是非チェックしてみてくださいね!

■寄稿者:両国投資研究会 はるぴょん

学生時代に韓国ソウルに一年間の留学経験有。韓国でも日本でも大学までは毎日バス通勤。現在は某金融機関に勤めながら、マネーリテラシーの啓蒙や韓国文化について発信しています。

両国投資研究会

この記事を書いた人
バス観光マガジン編集部 編集ライター

バス観光マガジンの中のヒト。貸切バスについての基礎知識やバス旅行のヒント、バスファンのための情報など、バスに関する楽しいコンテンツを日々お届けします。

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