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カンボジアをバスが行く⑤ ロリュオス遺跡群「ロレイ」を目指して

さて、カンボジア観光2日目。

すっかりおなじみになったヒュンダイ製のバスに乗り込み、
ホテルを8時半に出発。

bus_outview

ここから約15キロ弱の距離にある
ロリュオス遺跡群の「ロレイ」を目指します。

888年にアンコールへ移る前、
王都はロリュオスにありました。

ロレイは、ヤショバルマン1世が祖先を祀るため建てたもので、
4本の塔が並ぶヒンドゥー教の寺院です。

cambodia_morning

この時間になると車の交通量も増え、
市街地では対向車に注意しながらバスはゆっくり進みます。

bus_suburbs

しかし郊外にでればそこはのどかな田園地帯が広がります。

cambodia_countryside

そして幹線道路から外れ、未舗装露に入り、
しばらくするとバスは停車。
赤土とバスのベージュのカラーリングがなじんでますなー

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ロレイ遺跡に到着です。

バスを降り、しばらく歩くとお決まりの階段。

step_step

階段を登ると、敷地の四隅に配された赤い砂岩で作られた祠堂があり、

red_shrine

その壁には保存状態の良い金剛力士像のデバターが刻まれています。

0130
kongourikishi2

遺跡に隣接して学校があり、
ここでも屈託のない子どもの笑顔に癒されましたー。

school
school_children

さすが南国!

普通にバナナがなっていました。

banana

そんな風景を見ながらバスに戻って次なる目的地へ向かいます。

アンコール遺跡最古のヒンドゥー教寺院「プリア・コー」へゴー!

しょうもないオヤぢギャグにおつきあいいただき、恐縮です。

ロリュオス遺跡群にはロレイの他に、
「聖なる牛」という意味のプリア・コー、
ピラミッド型の寺院である「バコン寺院」があります。

ロレイ遺跡からプリア・コー、バコン遺跡まではとても近く、
バスを少し移動させる程度でプリア・コーに到着です。

preah_ko

プリア・コーにも先ほど見学したロレイと
同じ材料で作られた祠堂が見られます。

祠堂はロレイが4基であるのに対し、
プリア・コーは前に3基、後ろに3基の合計、6基建てられています。

6_shrines

ロレイ遺跡もプリア・コーも祠堂が赤いのですが、
これは元々は漆喰が施されて白かったものが風化して
下地の砂岩が出てきてしまったからだそうです。

preah_ko_wall

プリア・コーは879年に
インドラヴァルマン1世がアンコール王朝の創始者である
両親のために建てたものだそう。

祠堂の前にはシヴァ神の乗り物である聖牛「ナンディ」の像が並び、
祠堂の中から神が出て来るのを待っているのだそうです。

nandi

こちらの祠堂にも金剛力士像のデバターが刻まれています。
またあちこちに細かい彫刻が施されています。

preah_ko_relief
preah_ko_relief2

祠堂の入口にある獅子像。
きりりとしたお姿ですが、短足?

lion

そして、バコン遺跡までは徒歩で移動します・・・。

bakong

巨大な蛇神「ナーガ」がお出迎え!

緑の多い参道を進むと、その先に高い塔が見えてきました。

road_to_bakong

バコン遺跡はハリハラーラヤ王都の中心となる寺院で、
アンコール王朝時代の初のピラミッド型をしています。
その大きさは東西900m、南北700mと大きな面積を有する寺院です。

bakong_style

寺院に向かう参道には巨大な蛇ナーガが鎮座しています。

bakong_naga

よっこら、よっこら、
すっかりおなじみになった石段登り・・・。
登り切った先には素晴らしい風景があらわれ、
疲れを癒してくれます。

bankong_step
bakong_view

寺院中心にある中央祠堂には、
よく見ると細かい彫刻やデバターが施され、
それが風化していることが分かります。

ガイドのビーさんよると、
建設当初はレンガ造りだったそうですが、
12世紀に砂岩で造り直されたとのこと。

bakong_relief

このバコン遺跡は派手さはないものの、
大きさが体感できるサイズなのか、
アンコールワットよりも身近なスケール感です。

五階層の最頂部から下りながら遺跡を振り返ると、
その大きさとダイナミックさが目に飛び込んできます。

dynamic_bakong
bakong_scale

名残惜しい気分ですが地上に降り立ち、バスへと向かいます。

goodby_bakong

次は本日のメイン、
バンテアイ・スレイ(女の砦)で「東洋のモナリザ」鑑賞です。

と、その前にツアーバスの宿命というべき、
お土産ショップへ立ち寄ります。

「Khmer Art Carving Skin
(クメール・アート・カービング・スキン)」

孤児たちがなめした牛革に神々や象、
鳳凰などを丁寧に彫り込んだもの(スバエクコー)を販売し、
収入を得ています。

khmer_art_caving_skin

また影絵で使われる人形や風景を作っていて、
店内で実演して見せてくれます。

kagee_jitsuen

スバエクコーを買うと、
それを作った子供と記念写真を撮らせてくれます。

khmer_art_carving_skin

ちなみにこれが我が家で購入したスバエクコーの1枚です。
そして名前は忘れてしまいましたがこれを作った少年です。

buy_art

クメール・アート・カービング・スキンを後にして、
一路バスはバンテアイ・スレイに向かいます。

と、ところが・・・。

この後、旅の疲れですっかりうとうとして
写真、残ってません(汗)。

バスの車窓からの風景は
想像におまかせしますっ!

「東洋のモナリザ」の微笑みに幻惑されて・・・

さあ、バンテアイ・スレイに到着です。

観光客が多いこともあってか、
広くきれいな待機スペースが整備され、
またお土産やさんもあります。

banteaysrei
banteaysrei2

周囲には水田や緑生い茂る森の中の参堂を歩くのは、
暑いのですがとても気持ちがいいものです。

walk_to_banteaysrei
rice_paddy

寺院の外周壁の手前にちょっと新しそうな石碑が建立されています。
これは1992年にユネスコから世界遺産に指定されたときに作られた
モニュメントで、写真にはありませんが、
裏に日本語で「アンコール遺跡群ユネスコ世界遺産1992」と
刻まれているそうです。
(帰国後そのことを知りました。)

monument

いよいよ外周壁に到着、東門から内部に入ります。

east_gate

こちらの寺院も赤褐色の砂岩で出来ており、
またそれが風化して砕けた砂が地面いっぱいを褐色く染めているので、
全体的に赤の印象が強い寺院です。

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banteaysrei_arrival

バンテアイ・スレイは
「東洋のモナリザ」というデバターが有名ですが、
全体的にこじんまりとした寺院の
そこかしこに施されている破風装飾が見事です。

「女の砦」を意味するバンテアイ・スレイは、
ラージェンドラヴァルマン2世が967年に建設をスタート。
ジャヤヴァルマン5世の時代に完成したヒンドゥー教寺院です。

東門には3頭の象の上に乗っている東を守る方位神、
そして雨を降らす雷神のインドラ神が私たちを迎えてくれました。

indra

東門をくぐり、第二周壁門に向って参道を進みます。
参道の両側にあるリンガ
(男性器を模した崇拝物、シヴァ神の持つエネルギーの象徴)が
壁門へと導いています。

lingam

第二周壁門を抜けると、
明確に参道を示すように石造りの道が第三周壁門に向って延びています。

stone_gate

第二周壁門の中にはヨニ(女性器を模した崇拝物、豊穣多産の象徴)が
鎮座しています。

yoni

本来はこのヨニの中心の穴にリンガが置かれて、
一体として祭られていることが多いそうです。

子孫繁栄の象徴を表すそう。

第三周壁門(第三東塔門)です。

third_gate

もう少しすると雨季になり、参道両側が池になります。
(次の年は洪水で参道も水没していました)

この門も繊細な破風装飾が施されており、
ひとつひとつの絵に意味が込められています。

relief_banteaysrei
relief_banteaysrei2

ヴィシュヌ神の神妃であるラクシュミーが、
象に聖水をかけられている姿や、
破壊を司るシヴァ神が踊っている姿など
いろいろ刻まれています。

monkey

更に中へ。

猿の守護神「ハヌマーン」たちが
(これはレプリカで本物はアンコール博物館にあります)
祠堂を守っている姿はとても愛くるしいものです。

そしていよいよ「東洋のモナリザ」との対面です。
女神のデバターのまわりには、
彼女たちを守るべくドヴァラパーラ(門衛神)が配されています。

toyo_monariza

女神のデバターは2つの祠堂の各面に2対づつ、
合計16体ありますが、現在は近づけなくなり
16体のうち2体は見ることができなくなっています。
どうですか、魅き込まれそうな微笑ではないでしょうか(笑)。

toyo_monariza2
toyo_monariza3

規模こそ小さいですが、
繊細で深くほられた美しい破風装飾が
寺院の至る所に施された「アンコール美術の至宝」を
堪能したのでした。

さて、お次はいよいよ本日のラスト観光地。
「プノンバケンの丘」で夕日鑑賞です。

---(続く)---

この記事を書いた人
バス観光マガジン編集部 編集ライター

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