ローマ唯一のトロリーバス「路線バス90番」
こんにちは。ローマ在住のHです。
ここ最近、地球温暖化が深刻な問題となっており、二酸化炭素の排出制限や省エネなどの対策の実施が求められています。
イタリアはエコ先進国とは言い難いのですが、そのイタリアでも、10年ほど前から二酸化炭素の排出の減少を見込める、消費の少ない省エネのトロリーバスが復活しました。
ローマには30年代からトロリーバスが導入され、当時ではかなり画期的なものだったそうです。40年代~60年代には20の路線があり、トロリーバス最盛期でした。
その後、通常のバスの車両への切り替えが始まり、70年代初頭には廃止にまで追い込まれました。
しかし、ローマ市内の大気汚染問題が深刻になったことへの対策として、2005年にトロリーバスが一つの路線のみ復活しました。
それが路線バス90番です。
ポーランドのソラリス・バス&コーチ社(Solaris Bus & Coach)製で、車両名はソラリス・ガンツ・トロッリーノ(Solaris Ganz Trollino)です。
以下の写真は、バス前方部。
そしてバスの後方部がこちら。
電線のない区間は上方、トロリーバスの後方部の写真のように電線と接続するアームを倒して燃料で運転。
このアームを上下させるのは運転席から操作するのですが不具合が多く、うまく接続しない場合は、運転手が降りていって紐を引っ張り、手動で操作します。
運転席の中はこんな感じ。
トロリーバス内部の様子。
2005年の就航当時は最新式でしたこの緑の車両も、12年ほど経ち、古めかしくなってきました。
電線への接続用のアームの不具合も多く、今日も私が乗った90番の路線バスも、2回ほど運転手が手動で接続していました。電線に接続していない区間はわずかですが、バッテリーの老朽化が進み、消耗が早く、立ち往生するトラブルも多発していました。
新しいトロリーバスが導入!アヴァンシティHTB
そんな中、まさに今週から新しく15台のトロリーバスが導入されました。
イタリアのブレダメナリーニバス社(BredaMenarinibus)のアヴァンシティHTB(Avancity HTB)です。
実はこのバス、8年前に45台購入済みだったそうですが、色々購入先との契約上の問題があり、今年になってやっと15台のみ、日の目を見たんだそうです。
バス車体の前方
バス車体後方
バス内部はこんな感じ。
広々とした車椅子、ベビーカースペース。
そしてこちらが運転席。
前の緑の車両も、この新型車両もさすが電気で走っているだけあり、とても静かで乗っていて快適です。
エコなトロリーバス、もっとローマで活躍してほしいです。
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