ローマの新型コロナウイルス感染症現在の様子をレポート!路線バスの感染対策は?

こんにちは。イタリア・ローマ在住のHです。

現在、新型コロナウイルスで世界中が予期せぬ事態に陥っています。イタリアも未曽有の被害に見舞われ、たくさんの死者を出してしまいました。

2020年3月9日に全国的にロックダウン。5月18日までロックダウンは続き、そこから徐々に段階的解除。

2020年7月末現在、殆ど制限は解除されましたが、欧州諸国以外の国で、リスクの高いとみなされた国からのイタリア入国禁止措置などは続いています。

現在イタリアでは、1日当たりの全国新規感染者が200~300名ほどに、死者も10人前後に抑えられています

新型コロナウイルスさが猛威を振るっている時でも、公共交通機関は通常運行

足元はスニーカーで運転しやすく

ロックダウン中も働き続けたエッセンシャルワーカー(医療従事者や食品などの生活必需品を販売するスーパーなどの店員など)のために、州の外に出ない公共交通機関は通常運行していました。

公共交通機関での新型コロナウイルス予防対策は、被害ピーク時も、規制緩和が進む現在でも、ほぼ同じで一度に乗れる人数規制以外はかなり慎重に行われています。

ここでは、ローマの路線バスの新型コロナウイルス予防対策を具体的にご紹介していきましょう。

ローマ路線バスの新型コロナウイルス対策

ローマ路線バスの新型コロナウイルス対策

バス停や車内の窓ガラスに規則の案内が貼られています。日本語に翻訳すると以下の通りです。

  • 定められた乗車・降車専用口を使用(もしくは降りる人が先に降りてから乗車)
イタリア路線バスの乗車導線
  • 運転手・乗客ともにマスク着用必須(マスクをしていなければ、乗車拒否されます)
  • ソーシャルディスタンス確保のため、乗車率を50%内に抑える、十分な距離を確保できない場合は乗車しない
  • 1mのソーシャルディスタンス確保のため、座席を一席おき、または対面する座席を使用不可にする
  • 運転手横の一番前の乗車口は閉鎖、運転手と距離をとるために前方を進入禁止
コロナウイルス対策路線バス
閉鎖されたバス前方部

対面、密着を避けるため、使用禁止の張り紙が貼られた座席。

使用禁止の張り紙がされている座席

この他の新型コロナ対策として、車庫にて、出発前にバス内部の消毒がされているとのことです。

職員の毎日の出勤前の検温、職員同士のソーシャルディスタンスの確保や手洗いの呼びかけを強化しています。

なお、5月には、11,000人の全ての従業員のうち800人をランダムに選び、新型コロナウイルスの抗原検査を実施。

陽性反応が出ればPCR検査を行うスクリーニングプログラムを行ったところ、全従業員が陽性である確率は0.06%という低いパーセンテージが出ておりました

イタリアでは現在、感染拡大が抑えられている

イタリアでは感染拡大が抑えられている

5月中旬のロックダウンが開けてからの感染拡大が懸念されておりましたが、第2波と言われる波はまだ来ていないようです。

政府の新型コロナ対策が功を成したのもあるのですが、一般の人々の意識の変化も新型コロナ抑制に一役買っているのでしょう。

コロナ禍前のイタリアは、マスクをする人は誰一人いませんでした。マスクをしていると重病人だと思われて避けられるほどだったのですが、ここ数か月でその価値観はガラリと代わりました。

義務になってからスーパーなどの屋内施設はマスクの使用が義務付けられ、マスク無しでは入店できません。それもあってか、ほぼ100%のマスク使用率で、ルールが守れない国民性のイタリアの人々が守っている現状は信じられないことです。

ピーク時で1日1,000人弱の死者を出していた事態を経験して危機感が生まれたのでしょう。

バカンスシーズンでちょっと気が緩んでる?イタリア人

ヴァカンスシーズン突入のイタリア

最近はバカンスシーズンということもあり、慎重さが無くなってきている印象。

ローマの公共交通機関内では殆どの乗客がマスクをしていますが、携帯電話で話すときにマスクを顎の下にずり下げたり、鼻の頭だけマスクから出している人などがチラホラいて、マスクの正しい使い方をしていない人もいます。

しかし、ローマの市バスの運転手のマスク率は70%くらいでしょうか。

運転席が個室になっている、もしくは前方スペースをかなり広く立ち入り禁止にしているため、マスクをしなくてもいいと解釈している運転手もいるようです。

実際、警察にマスク不使用のため、罰金を取られてしまった路線バスの運転手もいました

あと、乗客同士の1mのソーシャルディスタンスも通勤の時間帯になると必ずしも守られてはおらず、通勤する乗客はやむをえず乗っている状況です。

国もローマ市も公共交通機関混雑緩和に努力

公共交通機関緩和に努力する国

政府や市は、路線バスなどの公共交通機関の混雑を回避する対策を行っています。

リモートワークができない人々のために、職種ごとに営業時間をずらして設定。一定の時間に利用者が集中しないように配慮しています。

また、公共交通機関の代わりとなる自転車や電動キックスクーターでの通勤を奨励するために、これらの購入に助成金がでる制度も実施しました。

9月からイタリアの学校の新学期が始まるのですが、このままの新型コロナが抑えられている状況が続けば開校します。

3月上旬のロックダウンからイタリアの全ての学校は閉鎖されていて、通学する学生の数が抑えらていました。

9月の開校で路線バス利用者数が増える中、車内でのソーシャルディスタンスをどう確保するかがこれからの課題となっています。

全世界の一刻も早いコロナ禍の収束を願っております。

≫貸切バスの「新型コロナウイルス感染予防対策」についてはこちら

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バス観光マガジン編集部 編集ライター

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