中型観光バスいすゞ自動車ガーラミオ

安全性がさらに向上!いすゞ自動車の中型観光バス「ガーラミオ」

いすゞ自動車が販売する中型観光バス「ガーラミオ」の改良モデルが、2021年9月29日(水)より全国一斉販売されました!日野自動車の中型観光バス「メルファ―」との統合車種として、2004年からジェイ・バスが製造しています。

ガーラミオは2017年7月に排ガス後処理装置としてPM除去装置と尿素SCR(NOxを無害な水・窒素に分解する仕組み)を採用。平成28年排出ガス規制に適合させています。また、トランスミッションに6速AMT(自動変速式マニュアルトランスミッション)を全車両に取り入れ、ドライバーの疲労軽減に応えています。

5気筒・排気量6.4リットルから4気筒・同5.1リットルにダウンサイジング。エンジン特性に合った自動変速化により、燃費向上にも貢献するモデルです。

そして今回の改良では、衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)・ドライバー異常時対応システム(EDSS)などの先進安全装備の大幅な拡充でさらなる安全性向上へ、ハード面からのサポートを実現しました。

歩行者や自転車などとの衝突回避に貢献!「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)」

衝突被害軽減ブレーキ
(画像提供:いすゞ自動車)

衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)は、先進技術を利用してドライバーの安全運転を支援するASV(先進安全自動車)技術のひとつです。歩行者や自転車、他車などと衝突する危険性があると察知した場合に自動で作動するシステム。

いすゞ自動車「ガーラミオ」に今回装備された衝突被害軽減ブレーキシステムは、ミリ波レーダと画像センサーの両方を組み合わせて停止車両や歩行者、自転車を検知しています。

検知後、衝突の可能性が高まると警報ブザーとディスプレイ表示で運転者に警告。それでも運転者がブレーキを踏まなかった場合は、衝突被害軽減ブレーキが作動します。

道路や車両、天候、ドライバーの操作状態などにより作動しない場合も。あくまでも安全運転を補助するシステムとして活用が原則ですが、近年増えつつある健康起因による事故を考えると、安心材料のひとつになっています。

健康起因による事故を軽減!ドライバー異常時対応システム(EDSS)

ドライバー異常時対応システム
(画像提供:いすゞ自動車)

運転者の突然の体調不良により、事故を起こすケースが絶えません。心不全や脳内出血などで意識を失い、追突事故などが発生しています。各バス事業者側でも健康管理を徹底するなどの対策は行っていますが、完全に予防するのは難しい状況。

そこで、ドライバー急病などの異常が発生した際に、ドライバー自身もしくは乗客がスイッチを操作することで、非常ブレーキがかかり、安全にバスを停止させるドライバー異常時対応システムを開発。今回、ガーラミオにもこの仕組みが導入されました。

「バステクフォーラム」「バステクin首都圏」などのバスイベントで実際に何度か体験していますが、ドライバーに異変が起きた際にスイッチを押すことで非常ブレーキが作動。車内に非常ブザーがなるとともに、赤色ランプが点滅して車内の乗客にシステムが作動したことを知らせます。

車外に対してはホーンで知らせ、ストップランプとハザードランプを点滅させて車内で異常が起きたこと、バスが停車することを知らせるようになっています。

ブレーキは最初にガツンときき、その後、ポンピングするように減速して停止していました。

乗客がスイッチを操作した場合は、ドライバー側でキャンセルすることができるので、勘違いやいたずらを防止することもできます。

バスのスピンやドリフトアウト回避をアシスト!車両安定制御システム

車両安定制御システム
(画像提供:いすゞ自動車)

カーブを曲がる際にスピードを出し過ぎて侵入すると曲がり切れずに外側に飛び出してしまうこと(ドリフトアウト)があります。また、急ブレーキによりスピンしたり、横転してしまう場合も。

車両安定制御システムは、このような状況の際に役立つシステム。警報・エンジン出力制御・自動ブレーキが作動し、ドライバーの回避操作をサポートしてくれます。

居眠り運転などに有効!車線逸脱警報

車線逸脱警報
(画像提供:いすゞ自動車)

車両前方に搭載されている画像センサーが、走行車線を認識。バスが車線から逸脱していると認識すると警報音とインジケーター表示で運転者に注意喚起するシステムです。

よそ見や居眠り運転などによる、バスのふらつき運転を予防してくれます。

この他にもオートライトやオートハイビーム、SRSエアバッグなどきめ細やかな安全設計を積み重ね、運転者の疲労軽減や安全性の向上、乗客の安心・安全に応えていますよ。

安心性能を高め、グレードアップしたいすゞ自動車の中型観光バス「ガーラミオ」。新しくバス購入を検討しているバス事業者の方、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

「ガーラミオ」はシンプルな送迎タイプから観光タイプまで3種類

一般的な中型観光バスの定員数は27名。補助席を付けずにシートとシートの間も広々と設計されているものがほとんどです。

観光などで高速道路を利用して移動することを想定して、座席数を29席以下におさえた仕様にするバス会社が多いのがその理由。

一般的な中型観光バスの座席レイアウト
27名乗りの座席レイアウト例

しかし、スクールバスなどで大人数が同時に移動する際、大型バスよりも値段が安い中型バスは魅力的!座席数を出来るだけ増やしたタイプは人気があります。

中型バス・33名乗りの座席レイアウト例
33名乗りの座席レイアウト例

左右に2席1列ずつ増やし、後部座席を4席から5席に増やしたた33名乗り、さらに左右にもう1列ずつ増やした片側9列シートなら40名以上も乗車することが可能です。

ガーラミオでも8列~9列シート、補助席を含めて最大45名まで乗車できるタイプがあります。

「ガーラミオ」はシンプルな送迎タイプから観光タイプまで3種類

ガーラミオは足元広々の35名乗り(8列シート)タイプから、45名乗り(9列シート・補助席付き)まで3種類。それぞれをダイジェストにご紹介していきましょう。

ガーラミオ M-Ⅲ 35名乗り(8列シート)

いすゞ自動車・中型観光バス「ガーラミオ」
(画像提供:いすゞ自動車)

M-Ⅲは乗務員席2席、正座席33名、補助席なしのタイプ。観光旅行に最適なゆったり空間となっています。乗降は前方からでスイング扉です。

ガーラミオM-Ⅲのシート
(画像提供:いすゞ自動車)

長時間座っていても疲れない大型観光バス並の幅広シート(880㎜)を採用。座席用シートベルトの最前列はELR3点式、2列目以降にはELR2点式で、ベルトの色を左右で買えることで掛け間違いを防止できます。

ガーラミオ M-Ⅱ 41名乗り(9列シート)

ガーラミオ M-Ⅱ 41名乗り
(画像提供:いすゞ自動車)

M-Ⅱは乗務員席1名、正座席37名、補助席3名のタイプ。

いすゞ自動車・ガーラミオM-Ⅱの座席
(画像提供:いすゞ自動車)

長時間座っていても疲れない大型観光バス並の幅広シート(880㎜)を採用しています。乗降は前方から折れ戸タイプの扉です。

※オプションで補助席を増設する場合は、シート幅が830㎜となります。

ガーラミオ M-Ⅰ 45名乗り(9列シート)

いすゞ自動車・ガーラミオM-Ⅰ
(画像提供:いすゞ自動車)

M-Ⅰは乗務員席1名、正座席37名、補助席7名のタイプ。

ガーラミオM-Ⅰのシート
(画像提供:いすゞ自動車)

シンプルな装備で大人数の送迎などに大活躍。シャトルバスやスクールバスのような使い方にも便利です。

「ガーラミオ」のトランクルーム、大きさはどのぐらい?

中型観光バスの場合、貫通式トランクルームが2スパン付いていることが多くあります。

しかし、ガーラミオは1スパンが貫通式で、1スパンが片側のみになります。

いすゞ自動車・ガーラミオのトランクルーム
(画像提供:いすゞ自動車)

ホイールベース間の空間を最大限に活用してトランクルームを確保。

ガーラミオトランクルームのサイズ表
(画像提供:いすゞ自動車)

2スパンが貫通式というトランクルームに比べると、どうしても積み込める荷物量に制約が出てしまいます。合宿の移動などで道具が多い、ゴルフや空港送迎でゴルフバッグやスーツケースなどの荷物が多い場合は要注意です。

ちなみにいすゞ自動車の観光バスにつけらられた“GALA(ガーラ)”の意味とは?

いすゞ自動車・ガーラミオの名前の由来について
(画像提供:いすゞ自動車)

いすゞ自動車の観光バスシリーズには“GALA(ガーラ)という名前が付けられています。

「GALA(ガーラ)」は英語・仏語で”お祭り・陽気な”、スペイン語で“花形・華麗な”という意味。そして、「GALAXY」は、ギリシャ語でミルク(=Gala)が語源で、宇宙から見たミルクの円、つまり銀河を意味します。

“GALA”はGALAXYの頭文字からからとられており、“GALA”の意味とともに「明るく、楽しい旅を期待させるようなバス」「銀河を走り回るような、美しく、壮大な旅へと導いてくれるバス」をイメージしたネーミングということですね。

また中型観光バスにつけられた“mio”ですが、こちらは英語の「mimi=小さい」「miocene=中新世」ということばと、フランス語の「mioche=子供」などを合わせた造語だそう。中型というサイズ感をイメージしているそうですよ。

貸切バスの移動や旅を安全・快適に!

いすゞ自動車・ガーラミオで安心・快適なバスの移動を
(画像提供:いすゞ自動車)

貸切バスを借りる場合、値段だけでバス会社を選ぶだけではなく、安全運行に力を入れているかどうか、新型バスを導入してハード面からのサポートにも気を使っているかなどにも注目してみてはいかがでしょうか。

大型バスよりも少ない人数で移動する場合、とてもリーズナブルな中型バス。マイクロバスよりも車内空間が広く、移動中もゆったりくつろげます。

貸切バスは窓を開けなくても換気能力に優れ、コロナ禍でも安心して利用できる移動手段。学校行事や町内会のイベント、合宿、観光旅行など、さまざまなシーンで便利に活用してくださいね。

▼中型観光バス情報まとめ
≫中型観光バスの貸切手配もっと詳しく
≫バス製造メーカー紹介

■画像提供
いすゞ自動車株式会社

≫ガーラミオ製品情報はこちら

この記事を書いた人
バス観光マガジン編集部 編集ライター

バス観光マガジンの中のヒト。貸切バスについての基礎知識やバス旅行のヒント、バスファンのための情報など、バスに関する楽しいコンテンツを日々お届けします。

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