現代自動車さんに聞いてみた!海外バス事情
2回にわたり、現代自動車「ユニバース」の魅力をお伝えしてきました。
3回目は、海外のバス事情についてご紹介していきましょう!
現代自動車、本国でのマーケットトレンドはどんな感じなんでしょう?
「最近の韓国では、安全・高級志向のバスが注目されています」。
韓国ではバスは24時間運行されており、バス専用道路が整備されているので、短時間かつ正確に運行される乗り物として重宝されています。
「しかし、最近では、日本の高速バスや貸切バスのように、高級シートや個室、TVモニターを備えたプレミアムバスへのニーズが増加しており、これからはそういうバスも増えていくかもしれません」。
韓国では環境保全の観点から2000年より路線バスの燃料はガスになっており、95%が CNG燃料、残り5%がLPG燃料になっています。
「いままでボンベは床下に設置していましたが、最近は屋根に移動し、ノンステップ化を進めています。
現在はこのCNGガスを水素燃料電池バスに切り替える事業を、韓国政府と現代自動車で行っています。
水素エネルギー産業育成のため、全国200カ所余りのCNG車用エコ・ステーションに水素ステーションが併設される予定になっています」。
日本でも標準仕様のノンステップバスとして、座席の色や手すりの色などを定め、認定がスムーズに行われると同時にバス購入時に補助金がつく制度を導入しています。
日野自動車もトヨタ自動車との共同開発した水素電池燃料で走るバスを開発。
東京都では、このバスを試験的に導入し、実証実験を2015年から開始しています。
2015年の東京モーターショーでは、「フューエル セル バス」という、水素を燃料に自ら発電しながら走る燃料電池タイプのバスを発表し、注目を集めていましたね!
環境への負荷を軽減する取り組みは、韓国でも積極的に進められています。
「海外の路線バスの座席がプラスチックなのは、軽量化して燃費の良さを追求するだけではなく、リサイクルしやすいということもあります」。
利用者としては乗り心地は今一つですが、地球環境に優しいという視点ではいいことなのかもしれませんね!
世界で活躍する現代自動車のバス
現代自動車は本国、韓国や日本以外の国々でも売り上げを伸ばしています。
ロシア、バングラディッシュ、サウジアラビアなどなど。
「最近特に伸びているのはベトナムです」。
ベトナムといえば、バイクが道路を埋めつくす映像がすぐ浮かびます。
市民のほとんどがバイクを利用しているともいわれるほど、他のアジア諸国と比較してもその保有率は突出して高いことで有名。
タクシーがわりにも使われ、白タクも横行しています。
ホーチミン市内ではバスもよく使われているようで、長距離路線バスも安くて人気があります。
ベトナム・ハノイでは2002年に「モデルバス政策」が打ち出され、路線バス利用のてこ入れが行われました。
このことにより、利用者は増えており、2012年には78路線、約1,200台が運行され、約5億人が利用するようになってきているといいます。
(運輸と経済 第73巻 第9号「ベトナム ハノイにおけるバスの現状と課題」渡邉亮著より)
そんなこともあり、高品質でリーズナブルなユニバースが人気を博しているのでしょうね。
メッカ巡礼では毎年新しいバスが使われる!?
イスラム教の儀式として有名な「メッカ巡礼」。
信者であれば、サウジアラビアの西部にあるヒジャーズ地方、シーラト山地にあるマホメット生誕地に、生涯に一度は巡礼を行うように義務付けられています。
イスラム教徒が毎年行うメッカへの大巡礼のことを「ハッジ」といい、約300万人の人々が一堂に会する荘厳な儀式です。
「このメッカ(別称:マッカ)を訪れる際に使用するバスを約100台、現代自動車から購入してくれている教徒がいるのですが、毎年必ず新車でなければならないということで、納期にはとても気をつかいます(笑)」。
さすが!神聖な儀式。
そして、お金持ち(笑)。
毎年、100台、ポンと買い替えるとは太っ腹です。
ハッジ(大巡礼)は、毎年イスラム歴12月に行われるということなので、この時期に遅れないように毎年バスを製造しなければなりません。
巡礼に使われた後、このバスはどこにいくのでしょう?
行方が気になりますね。
世界第5位の売り上げを誇る現代自動車グループ
國際自動車工業連合会の資料によれば、2014年度のメーカー別自動車生産台数(乗用車・トラック・バス)第1位は言わずと知れたトヨタ自動車グループ。
第2位はフォルクスワーゲングループ、3位はゼネラルモーターズ、4位はルノー・日産アライアンスと続きます。
そして現代自動車グループは第5位。
日本ではあまり見かけないかもしれませんが、海外では非常にメジャーな車になっています。
現代自動車の大型バスは、もともと三菱ふそうトラック・バス(当時は三菱自動車)から1985年にライセンスを取得し、製造した「ヒュンダイ・エアロ」がはじまり。
「そういう意味で、現代自動車の大型バスには、三菱フィーリングが残されているかもしれません」と福田さん。
国産メーカーの大型バスが約4,000万円前後という価格であるのに対し、ユニバースは3,000万円を切る価格。
以前、三菱ふそうバスさんに取材した際、各バス会社の“こだわりのオーダー”にきめ細やかに対応し、注文住宅を立てるがごとくバスを製造しているため、非常に手間と時間がかかっていることをうかがいました。
これに対し、現代自動車では手作業を極力排した全自動溶接や電装塗装ラインなど最新技術を駆使しして品質を一定に保ちながら、世界最大規模の商用車専用工場で、大量生産を行っています。
その上で、ロシアなど、極寒地での低温、融雪剤による腐食防止対策、東南アジアやサウジアラビアなど温帯・熱帯地での高温・多湿対策など、あらゆる環境に応じた耐久性を発揮できなければなりません。
日本人の厳しい目に応える品質、世界的にも通用する確かな統一基準。
そのために進化してきた新しいユニバースは今後ますます、日本でも目が離せない存在になっていますね!
皆さんももし、貸切バスや高速バス、路線バスでユニバースに乗る機会があったら、そのフィーリングをじっくり味わってみてはいかがでしょうか?
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■取材・写真協力
現代自動車ジャパン株式会社
http://www.hyundai-motor.co.jp/
東京都港区赤坂一丁目11-30赤坂一丁目センタービル12F
■参考資料
運輸と経済 第73巻 第9号「ベトナム ハノイにおけるバスの現状と課題」渡邉亮著
國際自動車工業連合会
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