貸切バスを片道だけ利用したい!料金相場と計算方法、お得に利用できる境目は?

貸切バスを片道だけ利用したい!料金相場と計算方法、お得に利用できる境目は?

空港まで送迎してほしい。会社から宴会場まで行きだけ送ってほしい。

ある程度まとまった人数で移動する場合や、荷物が多い場合は公共の交通機関を利用するのが難しい場合があります。タクシーを複数台お願いするとお金もかかります。

そんな時は貸切バスがとっても便利ですね。でも料金はどのぐらいかかるのでしょうか?

最初に結論だけお伝えしてくと「1~2時間程度の利用なら、貸切バスを片道だけ借りてもさほど無駄にならない!」

そもそもタクシーに定員いっぱい乗車するっていうのはちょっと窮屈ですものね。

今回は貸切バスを片道だけ運転手付きでレンタルした場合について解説。タクシーを複数台借りた場合、公共交通機関との料金比較も併せてご紹介します。

貸切バスを片道利用する場合の料金計算方法

バスの片道利用・料金計算方法について

貸切バスの料金は「移動距離×距離単価」と「移動時間×時間単価」の両方を足すことで算出されます(タクシーを利用した場合と同じ)。“単価”は地域(管轄する地方運輸局)ごとに国土交通省により最低金額の基準が設けられていて、それを下回らないなら特に上限はありません。

バス会社は最低基準を下回らなければ(下限割れしない)自由に料金を設定可能。このため、貸切バスの需要が高まる夏休みや秋の行楽シーズンなどは高め、平日は安めというように季節変動や利用条件・バスの装備・サービスにより、料金が変わります。

同じ条件でもバス会社ごとに異なるのそのためで、見積りをしっかりと取り寄せてサービスを含めて比較することが大事、ということですね。

貸切バスを片道だけ利用でも、バスが営業所まで戻る「回送」分も含めて計算する

貸切バス片道利用の図

例えば「自宅から空港まで送ってもらいたい」「会社からホテルのパーティ会場まで送ってもらいたい」など、片道だけ貸切バスを利用したいということがあります。

お客様が実際にバスを利用するのは、出発場所(バスに乗車する場所)から目的地(バスを降車する場所)までの片道だけですが、バスはその後、営業所までもどらなければなりません。

また、お客様をお迎えにいくため、営業所から出発場所(バスに乗車する場所)まで移動。この回送分も含めて計算されます。

さらに、バスを安全に運行するための点検が法律により義務付けられています。「出発前点検」(1時間)と営業所に帰ったあとの「帰社後点検」(1時間)、合計2時間分を含めて料金計算されます。

その計算式は以下の通りです。

貸切バス料金・片道利用=(バスに乗車した時間+回送時間+運行前後点検2時間)×時間単価+(移動した距離+回送距離)×距離単価

貸切バスを片道だけ利用して「得する場合」「損する場合」の境目は?

バス料金お得と損の境目は?

貸切バス料金は、バスを実際に利用した距離・時間だけではなく、営業所までの「回送」分や運行前後の「安全点検」も含めて計算されます。また、貸切バスの利用時間は「最低3時間から」と定められています

このため、30分だけの利用であっても3時間利用したものとして計算されてしまうのです。「片道だけ」「短時間だけ」貸切バスを利用すると、むしろタクシーを複数台利用した方が安い場合があるので要注意!

特に利用人数が9名以下で、移動時間が30分程度の場合はタクシーの利用をおすすめします。

貸切タクシーの問合せ先>>

貸切バスを片道利用した場合の料金目安

貸切バスの料金計算モデルケース

貸切バス料金の計算方法をご紹介しましたがわかりにくい!実際にいくらになるのかさっぱりわからないですよね。そこで実例をあげてご紹介していきましょう。

自宅から成田空港まで複数家族で送ってもらうケース

親子三世代で旅行を楽しむ。小さいお子さんやご年配者がいる場合、荷物が多いと移動が大変。それぞれリムジンバスや電車で行くのと貸切バスをチャーターするのではどのぐらい違うのでしょうか。

<貸切バス片道送迎料金相場>
■3家族・10名でマイクロバスを借りた場合
二子玉川(自宅1)出発==品川(自宅2)==市川(自宅3)==成田空港着終了
(片道利用3時間・100㎞)
・マイクロバス 63,129円(税込)~
(10名利用で1人当たり 6,313円より)
※バスの回送分(2時間・100㎞)、安全点検2時間を加えて計算。
※高速料金、駐車場代などの実費は含まず。
※2023年8月25日に国土交通省から発表された「新公示運賃額」で計算した最低料金です。バス会社から乗降場所までの回送代は含みません。

参考料金

  • タクシー料金概算:約86,000円(3台分)
    二子玉川から成田空港 約33,000円
    品川から成田空港 約30,000円
    市川から成田空港 約23,000円
  • 二子玉川~成田空港までのリムジンバス代:大人3,200円、子ども1,600円
  • 品川~成田空港までのリムジンバス代:大人1,200円、子ども600円
  • 市川~成田空港までの電車代:大人1,166円、子ども583円

こちらのモデルケースでは、タクシーよりも貸切バスの方がお得。さらにもっとコストを抑えたいなら、各自リムジンバスや電車を利用した方が「断然安い」という結果になりました。

ただし、小さいお子さんがいる、ご年配者がいるということであれば当然貸切バスに軍配があがりますね。

≫空港送迎で貸切バスを利用する場合もっと詳しく
≫空港や駅からの送迎、貸切タクシー・貸切バスではどちらが安い?お得の境目について

都内の会社から横浜中華街まで送ってもらうケース

会社の創立記念行事や表彰式などで社員そろって食事をするなど、ある程度まとまった人数で移動する場合、貸切バスはとっても便利です。移動時間が1時間ぐらいの場合はどうでしょうか。

<貸切バス片道送迎料金相場>
■社員40名で大型バスを借りた場合
池袋(会社)出発==横浜中華街着終了
(片道利用1時間・50㎞)
・大型バス 53,790円(税込)~
(40名利用で1人当たり 1,345円より)
※貸切バス最低利用時間3時間で計算。
※バスの回送分(1時間・50㎞)、安全点検2時間を加えて計算。
※高速料金、駐車場代などの実費は含まず。
※2023年8月25日に国土交通省から発表された「新公示運賃額」で計算した最低料金です。バス会社から乗降場所までの回送代は含みません。

参考料金

  • 池袋駅~元町・中華街駅までの電車代:大人685円
  • タクシー1台:約18,000~20,000円

こちらも公共交通機関利用が断然お得。タクシーは1台に4名無理やり乗車するとして1人5,000円です。

タクシー10台も手配できるかというとかなり厳しいですし、この人数なら片道だけの貸切バス利用でも断然お得ですね。

都内の会社から草津温泉まで送ってもらうケース

忘年会や新年会を兼ねた社員旅行・職場旅行などで温泉旅館で宴会を楽しむ。翌日は各自自由に帰りたい。そんな時は行きだけ貸切バスを利用して送ってもらいたいというリクエストが良くあります。

<貸切バス片道送迎料金相場>
■社員25名で中型バスを借りた場合
新宿(会社)出発==草津温泉着終了
(片道利用3時間・190㎞)
・中型バス 107,448円(税込)~
(25名利用で1人当たり 4,298円より)
※バスの回送分(3時間・190㎞)、安全点検2時間を加えて計算。
※高速料金、駐車場代などの実費は含まず。
※2023年8月25日に国土交通省から発表された「新公示運賃額」で計算した最低料金です。バス会社から乗降場所までの回送代は含みません。

参考料金

  • 新宿駅~草津温泉までの高速バス代:大人3,800円
  • 新宿駅~草津温泉まで特急草津利用:大人4,750円(自由席)+バス700円=5,450円
  • タクシー1台分:約75,000~80,000円

こちらは公共交通機関より、貸切バスをチャーターしてでかけてもお得に利用できそうです!

草津温泉はちょっとアクセスが不便なので、ドアツードアで送ってもらえる貸切バスは利便性も高いといえます。

また、タクシー1台に4名はキツイので3名乗車とすると1人当たり26,700円。タクシーという選択肢はないですね。

ちなみに高速道路料金を調べたい場合は、以下の記事も参考にしてくださいね。

▼貸切バスの種類・大きさ・定員数こちらをチェック!
貸切バスの種類とサイズ比較大型バス中型バス小型バスマイクロバス

片道だけ貸切バスを利用する場合は、時間と距離に注意!

貸切バスは利用時間に注意が必要

タクシーの場合、短時間ならリーズナブルに利用できます。しかし、貸切バスの場合は短時間利用であってもあまり安くなりません。その理由として「大勢の人が同時に移動する」ため。

万が一事故を起こした場合、一度に大勢の人がケガをしたり、命を奪われてしまう可能性が高いからです。運行前後に1時間、必ず安全点検を行うことが義務付けられているのは、事故への万全の体制が求められているということ。

たとえ30分、1時間の利用であっても、1日利用した場合と同等の厳しい安全対策が必要であることをご理解ください。

【結論】12時間程度の利用なら、貸切バスを片道だけ借りてもさほど無駄にならない!

バス乗車人数によっては30分程度の利用でもお得に利用できる可能性があります。まずは見積りを取って比べてみるのがおすすめですよ。

▼貸切バス片道利用の料金について

  • バス料金は国土交通省が公示した最低基準額を下回らなければ、上限はない
  • バス会社ごとに単価を決めているため、見積りを取り寄せない限り正確な料金は出せない
  • 料金には「利用時間」と「走らせた距離」、「安全対策のためのコスト」を含めた設定になっている
  • 貸切バスの利用が片道であっても、バスが営業所に戻る「回送分」も料金に含まれる
  • 移動時間が30分であっても最低利用時間は5時間として計算
  • 深夜早朝(22時~5時)にかかる運行は割増料金になる
  • 運転手が1人で運転してよい時間・距離は決まっており、それをオーバーする場合は交替運転手が必要で割増料金になる
  • 電動リフト付きバスなど、特殊なバスは割増料金になる場合が多い

▼ 関連コンテンツ
≫送迎バスについてもっと詳しく
≫貸切バスの料金目安
≫貸切バスは乗車人数で選ぼう!バスの種類のご案内
≫貸切バスの予約について
≫貸切バスのキャンセル料について
この記事を書いた人
バス観光マガジン編集部 編集ライター

バス観光マガジンの中のヒト。貸切バスについての基礎知識やバス旅行のヒント、バスファンのための情報など、バスに関する楽しいコンテンツを日々お届けします。

このライターの記事一覧
タグ
関連記事
ランキング
貸切バスの達人は
全国1,100社以上の
貸切バス会社をネットワーク
参加バス会社のロゴ一覧
貸切バス料金を安く抑えるなら
バス会社の比較がポイント!

全国1,100社以上のバス会社参加
お得にバスを借りるなら一括見積

まとめて比較!貸切バス料金お取りよせ