貸切バスの高速料金を知りたい!大型・中型・小型マイクロバスの料金区分や計算方法について
貸切バスを利用して外出する場合、高速道路を利用することが多いと思います。その場合、高速道路の料金はバス料金とは別に“実費”となるため、あらかじめいくらか知りたいという問合せがしばしば。
しかし道路事情により、高速道路を利用したりしなかったりと条件が変わるため、バス料金にあらかじめ含めて計算するというのは難しいのです。
今回は、事前に高速道路の利用料金を自分たちで計算する方法を伝授。ある程度の概算を把握できるようぜひ活用してみてください。
貸切バスの高速道路や有料道路の料金計算のもとになる車種区分をまず把握!
2005年に高速道路を管轄する会社(日本道路公団・NEXCO東日本・中日本・西日本など)が民営化されました。現在の高速道路料金は国土交通省が「新たな高速道路料金に関する基本方針」に基づき、2014年に決定したものです。
高速道路料金は車の大きさや車種などによって決められており、各高速道路会社が決定しています。首都高速道路の例をあげてご紹介しましょう。
首都高速道路の車種区分
2016年4月より、5車種区分に変更されています。
車種区分 | 該当する車の大きさや条件など |
軽・二輪車 | ・軽自動車 ・二輪自動車 ・小型特殊自動車 |
普通車 | ・小型自動車 ・普通乗用自動車 ・けん引軽自動車等と被けん引自動車(1車軸)との連結車両 |
中型車 | ・マイクロバス、小型バス、ミニバス(車両総重量8t未満、乗車定員数11人以上29人以下) ・普通貨物自動車(3車軸以下、8t未満など) ・けん引軽自動車等と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両 ・けん引普通車と被けん引自動車(1車軸)との連結車両 |
大型車 | ・中型バス(車両総重量8t以上で、車長9m未満、乗車定員数29人以下)、路線バス(車両総重量8t以上で、乗車定員数30人以上) ・普通貨物自動車(3車軸以下、8トン以上など) ・けん引普通車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両 ・けん引中型車と被けん引自動車(1車軸)との連結車両 ・けん引大型車(2車軸)と被けん引自動車(1車軸)との連結車両 |
特大車 | ・大型バス(車両総重量8t以上で、乗車定員数30名以上) ・大型特殊自動車 ・普通貨物自動車(4車軸以上など) ・けん引中型車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両 ・けん引大型車と被けん引自動車との連結車両で車軸数の合計が4車軸以上のもの ・特大車がけん引する連結車両 |
上記の通り、バスの大きさや重さ、乗車定員数により決められています。例えば、中型バスの場合、観光用の仕様では27名定員( 2座席6列×2 、3座席)が一般的。補助席はありません。
このタイプであれば「大型車」の料金区分となります。しかし、中型バスには左右1列ずつ増やし、後部座席も5座席にする送迎用タイプが存在。この場合は乗車定員数が最大で33名です。
乗車定員数が30名以上の場合、大きさは中型バスでも料金区分は「特大車」となるので注意が必要です。
また、マイクロバスでも車長を長くし、乗車人数を増やした“ロングタイプ”というものがあります。三菱ふそうのローザを例にとると、スーパーロングは全長約7.7mで最大33人乗りということなので、乗車人数によっては「大型車」「特大車」となる場合があるのでそちらも気を付けてください。
貸切バスの高速料金区分まとめ
- 大型バスは「特大車」
- 中型バスは乗車人数が29名以下なら「大型車」、30名以上なら「特大車」
- 小型バス・マイクロバス・ミニバス(コミューター)は乗車人数が29名以下なら「中型車」
実際に貸切バスの高速料金を調べてみましょう
貸切バスの高速料金を調べる場合、便利なのがNEXCO東日本の「ドラぷら」や「ナビタイム」などです。それぞれのサイトを使って実際に高速料金を調べてみましょう。
「ドラぷら」を使って調べる
さらに「詳細条件を設定する」をクリックし、車両区分を変更。
「車種区分」をマイクロバスなら“中型車”、中型バスなら“大型車”、大型バスなら”特大車”に変更し、検索するボタンを押す。そうすると通常料金やETCカードを利用した場合の料金が一覧で表示されます。
「ドラぷら」の場合は、3つのルートごとに料金を表示。ETCを利用した場合の料金や所要時間、移動距離もわかるので便利ですね。
高速道路料金一覧もあるのでこちらもぜひ参考に。
ナビタイムを使って調べる
出発地と到着地はわかっているけれど、どの高速道路を利用していくのかよくわからないという場合はナビタイムを利用するのが便利です。
出発地(バスを乗車する場所、駅や具体的な住所を入力)と到着地を入力して検索。仮に「新宿駅」出発で「御殿場」までで検索してみました。
所要時間や移動距離、走行ルートなどが表示されます。移動距離の横に表示される「3,940円(ETC 3,100円)」という料金は「普通車」のものです。
ここをクリックすると、他の車両区分での料金が一覧で表示されます。
こちらを見れば、バスの大きさ別にETCを使用した場合の料金も、一度にすべて見ることができるので助かりますね。
また、ナビタイムの場合は移動距離や時間も表示されるので、見積りをお願いするときにも参考されるといいと思います。
高速道路料金の支払いはどうしたらいい?ETCカード持ち込みはできる?
高速道路料金などの実費(有料道路代、駐車場代、ドライバーの宿泊費など)は、お客様負担となります。あらかじめ参加者から徴収しておくことをおススメします。
高速道路走行中、バス車内を移動することはできないので、あらかじめドライバーに渡しておくか、立て替えてもらい降車後に精算することになります。
バス会社によって対応が異なるので、予約時に確認しておきましょう。後払いの場合、後日バス代と一緒に精算でもOKということもあります。
ETCカードの持ち込みに関しても、バス会社によってOKという場合も。その際はバス降車後にETCカードを返却してもらうのを忘れないようにしましょう。
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高速道路料金を節約したいから“下道使って”はあり?
貸切バスを利用する際によくあるのは「高速道路を使わずに下道にしてほしい」という依頼。原則的に可能ですが、状況によってはかえって高くなってしまうこともあるので要注意です。
というのも、貸切バス料金はバスを走らせた時間と距離で計算します。下道を使うこで距離や時間が伸びてしまった場合、その分バスレンタル料金そのものが高くなる可能性があるからです。
また、大型バスや中型バスの場合、車幅や車高があり、比較的大きな道路を走らなければなりません。このため、普通自動車と同じルートを走れないことが多いのでさらに注意が必要です。
バスの運行上、安全と判断できない場合は下道の利用をお断りすることがありますのでご了承ください。
貸切バス(大型・中型・小型)の高速道路料金の調べ方まとめ
貸切バスを利用して送迎や旅行に出かける場合、気になる高速道路料金について解説しました。バスの運行に関しては、各バス会社の運行管理者が道路状況等を加味して決定します。
バスは2時間ごとに休憩をとるルールになっていますので、どの高速道路を利用し、どのSAやPAで休憩をとるなど、細かい運行表を作り、ドライバーはそれに基づいて運行する決まりです。
「こちらの高速道路を使い、このICから乗ってほしい」「この高速道路のこのSAに立ち寄ってほしい」というリクエストがある場合は、見積りを取る際に事前に伝えておくとスムーズですよ!
高速道路料金を調べることができる便利ツールを活用して、楽しいバス旅行・快適な移動をお楽しみください。
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