バス運転手のシゴトってどんな感じ?新求人ポータルサイト「バスギアターミナル」誕生
「貸切バスの達人」事務局がバス会社に空きバスの問合せをした際、よく聞くのが「バスは空いてるんだけど、運転する運転手がいないんだよね~」。
そうなんです。バス業界は、慢性的、かつ、深刻な人材不足に困っているんです!
今回はそのバス運転手が不足している実態について詳しくレポート。
「バス会社」の困ったを解消し、バス運転手として活躍できる人を増やしたいとオープンさせた新求人ポータルサイト「バスギアターミナル」についても併せてご紹介しちゃいますよ。
■どのバス会社も深刻化してる、バス運転手不足
■イマドキの子どもたちはバス運転手にはなりたくない?
■バスを運転するシゴトって、実際のところどうなの?
■給与や待遇だけではなく、どんな環境で働けるかって大事!
■女性のバス運転手さんも増えている!
どのバス会社も深刻化してる、バス運転手不足
バス運転手が極端に不足してしまった背景のひとつに、2002年に行われたバス事業参入への規制緩和があります。
このことでバス事業に乗り出す事業者が約5倍に増え、ドライバーの育成が間に合わない中、過酷な価格競争が始まりました。
そして、規制緩和の5年後に「大阪府吹田市貸切バス事故」が起きます。
ドライバーは、法律で定められた労働時間を大幅に上回る過労状態で、2マン運行が必要な距離だったにもかかわらず、ワンマン運行していたことが判明。
運行を依頼した旅行会社は、「乗務員不足でバスの運行ができない」というバス会社からの回答を無視し、不当に安い運賃で運行を強要していた実態などが明らかになりました。
その後、法整備が行われたのにもかかわらず、同じような背景で「関越自動車道高速バス事故」、「軽井沢スキーバス事故」が発生。
「給料が安い」、「長時間・長距離運行で疲労が慢性化」、「運転スキルがないのに無理やり大型バスを運転させられる」など。
まさに、バス運転手の過酷な労働環境が浮き彫りになった事故といえるでしょう。
これらの重大事故を受け、国交省では、貸切バス事業者だけではなく、旅行業者も含めた安全確保を最優先に協力・連携。ルール順守の環境整備を進めてきました。
法令遵守の状況を確認するため、民間の調査員が一般の利用者として、実際に運行する貸切バスに乗車する覆面調査も実施しています。
バス事業者が、バスの安全運行に積極的に取り組むことは、優良なバス運転手を確保することにもつながります。
ドライバーにとって、安心して働ける職場整備は、今後ますます進められていくことでしょう。
イマドキの子どもたちは、バス運転手になりたくない?
貸切バス業界に限らず、路線バスや高速バスでも同じ。どのバス会社もドライバーの高齢化が進み、若い世代でバス運転手を目指す人が少なくなっているといいます。
株式会社クラレが同社のランドセルを購入した新小学1年生2,000人に行ったアンケートによると、男の子が将来就きたい職業の1位はスポーツ選手、2位は警察官、3位は運転士・運転手と回答しています。
2007年もトップ3は同じでした。
多くは電車の運転士かもしれませんが(笑)、バスイベントなどに出かけてみると、バスの運転に憧れる男の子は決して少なくないようです。
以前、日立自動車交通に取材した際、バス運転手という仕事の魅力についてのお話をうかがいました。「大型2種免許はプロドライバーの頂点」、「大きな車体を自在に操るだいご味」などが上がっていました。
「バス運転手になりたい!」という希望を持っていても、なかなかなれないのはなぜでしょう?
そこには、大型二種免許取得の壁があるように思いました。
「大型二種免許」取得条件としては、満21歳以上で、運転期間が通算3年以上が必要です。
どのバス会社も即戦力が欲しいため、若者をゼロから育て、運転手にということができにくい環境にありました。
そこで、平成29年3月に新たに「準中型自動車免許」制度がスタート。
18歳以上で初めて免許をとる人でも、車両総重量7.5トンまでの車を運転できる準中型免許を取得できるようになったのです。
大手のバス会社さんなどではすでに、高校卒業して将来バスの運転手になりたい!という学生を積極的に採用。若年層のドライバーを増やす取り組みを始めています。
バスを運転するシゴトって、実際のところどうなの?
皆さんは、バスを運転するシゴトって、どんなイメージですか?興味はありますか?
「普通免許はもってるけど、大型免許取るのって大変そう」
「給料はいいのかな?休みはちゃんととれる?」
「最近の事故のニュースとか聞くと、心配になるね」
みんな様々な印象を持っていることでしょう。
でも、実際に現場を体験しなければ、本当のところはよくわからないですよね。
そこで、「バスを運転するシゴトってどういう感じ?」、「バス会社はバス運転手として働きやすい環境をどんな風に整えてる?」、「安全運行のために具体的にどんなことに取り組んでる?」などを取材して紹介。
バス運転手というシゴトに興味を持ってもらい、「やってみたい!」と思った人を後押しするような新しい求人ポータルサイトが誕生しました。
それが「バスギアターミナル」です。
「バスギアターミナル」では、バス業界の気になるニュースやユニークな取り組みを行っているバス会社の取材記事を定期的に配信。
バスを運転するシゴトのほんとのところをわかりやすく伝えてくれます。
「バス運転手のシゴトって、意外に自分に合ってるかも!」と興味を持ったら、気になるのは各バス会社の採用状況。
「バスギアターミナル」には、会社ごとに作成した採用ページを束ねて紹介もしているので、すぐに求人ページへアクセスすることができます。
給与や待遇だけではなく、どんな環境で働けるかって大事!
バス運転手の給料や待遇、ボーナス、休日の取得状況など、表面的なことは、どの求人サイトをみてもわかります。
では実際に求人サイトを見て、バス会社の給与や待遇にひかれて、転職してみたいバス会社候補を選んだとしてその後、みなさんは何をしますか?
おそらくほとんどの人は、そのバス会社のホームページを見に行ったり、インターネットで「口コミ」や「評判」を検索するのではないでしょうか。
大手のバス会社であれば、自社ホームページを持っていて、すぐにどんな会社なのか調べることができます。
でも中小のバス会社の場合、ホームページを持っていない、簡素な紹介しかされていないことってよくあります。
中小のバス会社であっても、誠実にバスの運行に取り組み、ドライバーさんの仕事環境をきちんと整えている会社はたくさんあります。
セーフティバスを取得するバス会社も年々増加。2017年度の貸切バス事業者安全性評価認定制度では、約3割強のバス事業者が星マークを取得しています。
安全対策のために、新型バス購入や後付けで衝突被害予防装置を導入、健康診断やドライバーの運転技能向上のための講習をこまめに実施したり・・・。
「バスギアターミナル」では、そういったバス会社側の努力や取り組み、会社の事業方針、職場環境などもきちんとレポートし、職場環境の「見える化」にも取り組んでいます。
バス会社側も、欲しい人材や自社の魅力をしっかりアピールできる「採用ページ」をサイト内にリンクすることができるので、とっても便利ですね。
女性のバス運転手さんも増えている!
「貸切バスの達人」を利用したお客さまアンケートによると、女性ドライバーさんが担当してくれて、きめ細やかな配慮をいただいて嬉しかった!という声をよく聞きます。
私がよく利用している路線バスでも、女性ドライバーさんが2名活躍されています。
バスの運転免許取得について取材させていただいた「飛鳥ドライビングカレッジ」でも、大型二種免許をとりにくる女性が増えているとおっしゃっていました。
普通免許を持っていて、大型トラックなどの運転経験はない方がほとんどだそうです。
大型の観光バスも進化していて、普通自動車を運転する感覚で操作できるようになっています。
編集部も、以前、三菱ふそうトラック・バス株式会社さんのご厚意で、大型観光バスを運転させてもらったことがあります。
高い運転席から広がる外の景色、大きな車体を操り、スイスイ走るのはとても爽快な体験でした。
「車を運転するのが好き!」
「普通免許しか持ってないけど、バスを運転してみたい」
「子育てしながら働ける職場はある?」
そんな女性を後押ししてくれるバス会社さんもきっと見つかるはず。もちろん「イクメン」にとっても働きやすく、長く続けられる職場も!
みなさんもぜひ、「バスギアターミナル」で見つけてみてはいかがでしょうか。
■取材協力
バス運転手の全てが分かる総合サイト「バスギアターミナル」
https://www.bus-gear.com/
■写真提供
シティアクセス株式会社
神奈川県横浜市中区新山下3-8-45
東新観光株式会社
東京都日野市大字上田388-1
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