登山で貸切バスをお安く利用するコツ!1日目と2日目で違う場所へ送迎する場合
登山サークルや部活で貸切バスの送迎を希望するケースは良くあります。その場合、山を縦走し、翌日は別の県にお迎えに来て欲しいということがありますよね?
バスをいったん返し(回送)、翌日迎えに来てもらうパターン。翌日、お迎え場所に近いところでバスを待機させて送迎してもらうのでは、どちらがお得なのでしょうか。
また、1日目と2日目、別のバス会社に依頼した場合は?
今回は実際に依頼のあった岐阜県から長野県まで、登山サークルでバスの送迎を依頼したコースを例にとり、実際のバス料金目安をご紹介。一度バスを返した場合、返さず待機した場合、別のバス会社に依頼の3パターンで計算してみました。
岐阜県出発・長野県の登山口までの送迎モデルプラン(コース)
登山送迎の場合、日帰りで登山口と下山口が異なるケース、1泊2日や2泊3日で縦走する場合などさまざまなパターンが考えられます。今回は岐阜県出発で、長野県の蝶ヶ岳・常念岳への縦走コースで1泊2日の登山、行きは三股、帰りは一ノ沢登山口へのお迎えだった場合で計算してみました。
<岐阜県から長野県へ登山口まで送迎するモデルプラン>
1.バスをいったん営業所まで返す
1日目)
▼03:00 岐阜県関市若草プラザPからバス乗車
※途中、トイレ休憩2回
▼07:30 長野県三股駐車場着・終了
※バスは営業所まで回送
=====
2日目)
▼14:30 長野県一ノ沢登山口駐車場出発
※途中、駒ケ根SAでトイレ休憩
▼19:00 岐阜県関市若草プラザP着・終了
(9時間・460㎞利用・税込)
・大型観光バス 245,896~362,459円
・中型観光バス 204,621~300,945円
・マイクロバス 178,534~256,619円
※ 深夜早朝運行の割増、 バスの回送分を含みます(2往復分)
※高速道路料金 (2往復分)、バス駐車場などの実費が別途必要です
2.バス・ドライバーを2日目送迎場所近くで待機(1泊2日利用)
(10時間・500㎞利用・税込)
・大型観光バス 148,348~221,131円
・中型観光バス 123,617~183,949円
・マイクロバス 107,694~156,959円
※ 深夜早朝運行の割増、 ドライバー宿泊費(1泊2食付き、約8,000円前後)、バス駐車場などの実費がかかります。
3.バス会社を行き(岐阜県)と帰り(長野県)で変更した場合
1日目:岐阜県のバス会社に依頼
(5時間・230㎞利用・税込)
・大型観光バス 125,985~188,813円
・中型観光バス 104,873~156,878円
・マイクロバス 91,469~133,804円
※ 深夜早朝運行の割増、 バスの回送分を含みます(往復分)
※高速道路料金 (往復分)、バス駐車場などの実費が別途必要です
2日目:長野県のバス会社に依頼
(5時間・230㎞利用・税込)
・大型観光バス 128,076~187,891円
・中型観光バス 107,502~161,971円
・マイクロバス 94,370~134,594円
※バスの回送分を含みます(往復分)
※高速道路料金 (往復分)、バス駐車場などの実費が別途必要です
2日間合計のバス料金
・大型観光バス 254,061~376,704円
・中型観光バス 212,375~318,849円
・マイクロバス 185,839~268,398円
登山送迎の場合、深夜・早朝の料金時間帯にかかることがほとんど。そのため、バスをいったん返すよりも、2日目の登山口付近でドライバー・バスを待機させて利用するのが最もお得!という結果になりました。
また、最も高くなるのは、バス会社を行き・帰りで変更することでした。ぜひ、参考にしてくださいね。もちろん、登山口までの移動時間や距離などによっても料金は変わってくるので、見積もりをとって比べるのがベストです。
岐阜を含め、中部エリア出発の貸切バス料金の目安は以下の記事も参考にしてください。
登山の送迎用に貸切バスをチャーターする場合のポイント
登山で貸切バスを利用する場合、荷物の量に注意です。特に縦走するなどでテントや食料などを持っていく場合、大きなナップザックが人数分となります。
マイクロバスには荷物室がありませんので、座席をつぶすことになります。この場合、定員数より少ない人数での利用なら可能ですが、20名乗車となると荷物を置くスペースがとれません。座席と座席の間の通路に荷物を置くことはできませんし、座席の上の棚に乗せることも不可。
また、小型の観光バスタイプにもトランクスペースがほとんどないので、人数が多い場合は中型バスがおすすめです
送迎バスの費用にはレンタル代(車両・運転手・ガソリン代・車両保険代)以外の経費(高速道路通行料金、駐車場代など)が実費となります。登山口付近にバス駐車場があるかどうか、ない場合は近隣でバス乗降場所、駐車場を事前に探しておきましょう。
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▼貸切バスの大きさ・定員数について
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長野県で人気の山と登山口駐車場情報
長野県は日本でも有数の山岳地帯。約8割が山といわれています。登山好きの方には魅力的な山とバス送迎に利用できる駐車場や乗降場所の情報をお伝えします。
大人気の観光スポット・千畳敷カールがある「木曽駒ケ岳 」
長野県駒ケ根市の中央アルプスに位置する木曽駒ケ岳は標高2,956mの山。ロープウェイを活用すれば山頂まで往復4時間程度、初心者でも楽しめるとあって日帰り登山にも人気です。
人気の景勝地・千畳敷カールは約2万年前の氷河がゆっくりと浸食して生み出した半円形の窪地で、畳を1,000枚敷いた広さがあることからそう呼ばれています。美しい高山植物や桜など初夏の美しい季節を始め、雄大な自然の驚異を楽しめる人気スポットです。
環境保全のため、一般の車は菅の台バスセンターまで。そこから先の駒ケ岳ロープウエイ「しらび平駅」まではシャトルバスを利用することになります。菅の台バスセンターの駐車料金は大型バス1日1,500円、マイクロバス1日1,000円です(ホテル千畳敷で団体食事や宿泊した場合は無料)。
木曽駒ケ岳を縦走する場合は、空木岳から木曽駒ケ岳、空木岳から宝剣岳、木曽駒ケ岳の1泊2日ルートが一般的。駒ケ根高原の「駒が池バス停」でバスを下車し、下山後は菅の台バスセンター駐車場で乗車というのが便利なルートです。
木曽駒ケ岳登山・下山で利用できるもう一つの駐車場は黒川平駐車場。こちらは登山口まで約1.3㎞歩きます。
<基本情報>
中央アルプス千畳敷カール
住所:長野県駒ヶ根市赤穂759-489
問い合わせ先:0265-83-3107
バス駐車場:菅の台バスセンター(大型バス1日1,500円、マイクロバス1日1,000円)、黒川平駐車場(1日800円)、駒ヶ池西駐車場(1日800円)
<貸切バス送迎料金相場>
1.バスをいったん営業所まで返す
1日目)
▼04:00 岐阜駅北口・西駐車場前からバス乗車
※途中トイレ休憩
▼07:00 菅の台バスセンター 駐車場着・終了
※バスは営業所まで回送
=====
2日目)
▼14:00 菅の台バスセンター 駐車場 出発
※途中トイレ休憩
▼17:00 岐阜駅北口・西駐車場前着・終了
(6時間・340㎞利用・税込)
・大型観光バス 181,752~267,978円
・中型観光バス 151,243~222,499円
・マイクロバス 131,963~189,728円
※ 深夜早朝運行の割増、 バスの回送分を含みます(2往復分)
※高速道路料金 (2往復分)、バス駐車場などの実費が別途必要です
2.バス・ドライバーを2日目送迎場所近くで待機(1泊2日利用)
(6時間・340㎞利用・税込)
・大型観光バス 99,667~147,470円
・中型観光バス 83,039~122,637円
・マイクロバス 72,355~104,632円
※ 深夜早朝運行の割増、 ドライバー宿泊費(1泊2食付き、約8,000円前後)、バス駐車場などの実費がかかります。
岐阜県と長野県にまたがる北アルプス南端にある「乗鞍岳」
岐阜県高山市と長野県松本市にまたがる飛騨山脈にあり、3,026mの主峰・剣ケ峯をはじめとする23の峰を有する乗鞍岳。日本百名山のひとつでもあります。
初心者向けの日帰りコースもあり。1泊2日で乗鞍岳の剣ケ峯・朝日岳・摩利支天岳を縦走するコース、白馬三山(乗鞍岳~小蓮華山〜白馬岳)を縦走するコースなどがおすすめです。
岐阜側から乗鞍岳への登山口へはほおきの平で下車後、シャトルバスに乗り換えて畳平で路線バスにさらに乗換え、乗鞍高原・乗鞍観光センター下車になります。
長野側からアクセスする場合は、乗鞍観光センター、すずらん橋駐車場、三本滝駐車場、休暇村乗鞍高原駐車場の利用が可能です。
白馬岳までの縦走で下山する場合は、猿倉駐車場、八方尾根ゴンドラリフト駐車場などまでお迎えに来てもらうのがベストです。
<基本情報>
乗鞍岳
住所:岐阜県高山市
問い合わせ先:0577-78-2345(飛騨乗鞍観光協会)
バス駐車場:岐阜側から登山し、バスを待機させる場合は乗鞍畳平 鶴ヶ池駐車場(大型バス10,330円、マイクロバス4,650円)を利用のこと
<貸切バス送迎料金相場>
1.バスをいったん営業所まで返す
1日目)
▼04:00 岐阜羽島駅周辺でバス乗車
※途中トイレ休憩
▼07:15 ほおきの平駐車場着・終了
※バスは営業所まで回送
=====
2日目)
▼14:00 ほおきの平駐車場出発
※途中トイレ休憩
▼17:15 岐阜羽島駅着・終了
(7時間・360㎞利用・税込)
・大型観光バス 192,433~283,444円
・中型観光バス 160,131~235,336円
・マイクロバス 139,718~200,673円
※ 深夜早朝運行の割増、 バスの回送分を含みます(2往復分)
※高速道路料金 (2往復分)、バス駐車場などの実費が別途必要です
2.バス・ドライバーを2日目送迎場所近くで待機(1泊2日利用)
(7時間・360㎞利用・税込)
・大型観光バス 151,546~224,462円
・中型観光バス 125,635~185,517円
・マイクロバス 110,073~157,938円
※ドライバー宿泊費(1泊2食付き、約8,000円前後)、バス駐車場などの実費がかかります。
北アルプスを代表する「槍ヶ岳」
槍ヶ岳は長野県・岐阜県の県境に位置し、槍のようにとがった穂先が特徴的な標高3,180mの山。東西南北に尾根と沢があり、日本百名山・花の百名山として選定されています。
上高地は自然保護のため、マイカー規制が行われています。シャトルバスに乗り換える場所として沢渡駐車場、あかんだな駐車場から上高地バスターミナルへ移動して登る他、新穂高温泉から登るコースもあります。
新穂高温泉の登山口なら、右俣ゲート付近、市営新穂高第3駐車場、穂高公共駐車場、穂高温泉登山者駐車場、中房登山口第一~第三駐車場が利用可能。1泊2日だとかなり厳しいため、2泊3日で計画するグループが多いようです。
<基本情報>
槍ヶ岳山荘グループ
槍ヶ岳山荘事務所 0263-35-7200
バス駐車場:有
※県大会開催時などは筑後川河川敷リバーサイドパーク利用可能
<2泊3日登山コース・貸切バス送迎料金相場>
★バスをいったん営業所まで返す
1日目)
▼03:00 大垣駅周辺でバス乗車
※途中トイレ休憩
▼07:00 平湯バスターミナル着・終了
※バスは営業所まで回送
=====
3日目)
▼15:00 平湯バスターミナル 出発
※途中トイレ休憩
▼19:00 大垣駅 着・終了
(8時間・360㎞利用・税込)
・大型観光バス 157,329~231,202円
・中型観光バス 130,515~191,211円
・マイクロバス 114,265~162,822円
※深夜早朝運行の割増、バスの回送分を含みます(2往復分)
※高速道路料金 (2往復分)、バス駐車場などの実費が別途必要です
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山登りは体力を使いますし、道具も重くなるので、バスで送迎してもらえるのはとても助かりますね。貸切バス会社は各社とも感染症対策を万全に、現地まで送迎できるよう工夫を重ねています。
貸切バスは窓を開けなくても「外気導入固定運転」をすることで、約5分程度(マイクロバスで約6~7分)で車内の空気が換気可能。これは、窓が開かない新幹線と同等の換気能力を持つ移動手段。
各バス会社とも、新型コロナウイルス感染症対策に一生懸命取り組んでいますので、どうぞ安心してご利用ください。
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