将門様、ごめんなさい!はとバス・怪談ツアー後編
さて、はとバス夏の恒例「怪談バスツアー」に参加した編集部I。前回は、お岩稲荷と幽霊画鑑賞までの道行きをご紹介しました。
今回はその後編!平将門首塚と日本橋「怪談クルーズ」をお届けしましょう。
オフィスビルがひしめく大手町、平将門首塚へ
加門七海さんが書いた「平将門魔法陣」は私の愛読書。大手町には何度も足を運んではいるものも、実は一度も訪れたことがありませんでした。
日本三大怨霊の1人といわれているマサカド様。もう二人は崇徳天皇、菅原道真になります。
お若い方だと(私も覚えてない・・・)ご存じないかと思いますが、NHKで放映された大河ドラマ「風と雲と虹と(1976年放映)」の主人公は加藤剛演じるマサカド様です。
この首塚を動かすと祟りがあると恐れられたきっかけは、関東大震災後に大蔵省の仮庁舎を建てようとしたときに関係者が次々と不審死したこと。「祟り」ではないか、と噂されるようになります。
さらに第二次世界大戦後、GHQが区画整理のため、この首塚を取り壊そうとした際に、不審な事故が相次いだため、取り壊されずに今にいたります。
塚そのものは関東大震災後、大蔵省再建の際に崩されたため、灯篭と碑があります。この灯篭も、東日本大震災の時に崩れてしまったらしく、補強された姿になっています。
近隣の企業や地元ボランティアなどが参加する「史蹟将門塚保存会」が維持管理を行っているのですが、その筆頭だった三井不動産が会を抜けたところ、フィリピン・マニラの支店長・若王子さん誘拐事件が起こります。
その後、あわてて会に復帰したといわれていますが・・・。
境内にはたくさんのカエルの置物が奉納されていますが、地方へ左遷になっても無事に本社に復帰できるように(無事に帰る)という意味と、誘拐されたり、行方不明になった子どもが無事に帰るよう備えたものだとか。
いまでも出世を願うビジネスマンやOLさんが熱心にお参りする姿をみかける場所です。
現在、首塚の周りに合ったビルは取り壊され、新しく建築中。以前は高層ビルに取り囲まれ、昼でも暗く、怖い場所だったそうです。
ビルからは首塚にお尻を向けたり、見下ろすことがないよう窓の場所や机のレイアウトに配慮したものになっていたとか・・・。今回はどのようにビルを建てるのでしょうか?興味深いです。
さて、このとき、あまり気にしてなかったんですが・・・。原稿を書いてて気づきました。
実は、平将門征伐の祈祷を行ったのが成田山新勝寺。成田山に参拝すると、将門の加護が受けられないといわれています。
先ほどの「風と雲と虹と」の出演者は、成田山の節分豆まきには出席しなかったそう。逆に成田山を屋号にする市川海老蔵さん一門は、将門を祭祀とする神田明神にはお参りしませんし、将門を題材にした歌舞伎は演じません。
やっちゃった・・・。
私とダンナ、今年の初めにバスツアーで成田山にいっちゃったし・・・。
神田明神には足を踏み入れていませんが・・・首塚にはお参りしてしまった。
厄払いでいったはずなのに、マサカド様ににらまれてしまう結果に・・・。とほほ・・・。
どうか、お許しくださいませ、マサカド様・・・。
さて、後半は日本橋“夜の怪談クルーズ”へとまいりましょう。
日本橋でポケモンゲットだぜ!
最後を飾るのは日本橋クルーズ船の上で、講釈師さんの怪談話を聞くというもの。今回のツアーのラストを飾るに相応しい、体験です。
「日本橋」の柱にかかれている文字は、十五代将軍・徳川慶喜公が書いた文字だとか。
と、ここ、日本橋の上で小娘が私の写真を撮ると申す。なぜ??
ポケモン(コダック)ゲットだぜ!あっ、そう・・・。と、もう一枚、パシャリ。
どうやら、コイキングはいっぱいいるようです。この後、約1時間30分はトイレに行けないので、トイレを済ませて最集合となりました。
異界の扉が開く!?怪談クルーズいよいよ出発
日が落ち、あたりは夕闇に包まれる頃。いよいよ船に乗り込み、出発です。
お約束の親子自撮り写真。怖く撮れてる!!!
今回は株式会社ジールさんのチャーター船です。以前、目黒川のお花見クルーズでも乗船したことがあります。
日本橋船着場を出発すると、船はゆっくりと日本橋川を進み、日本橋水門をくぐって亀島川へ向かいます。首都高速道路が頭の上をくねくねと走っている様子は、SF映画の世界みたい!
写真の腕前がイマイチですが、月が上り、ライトアップされた橋とビルが美しく広がります。
この日は、比較的涼しく、川面をなでる夜風がとても気持ちいい!みんな夢中でカメラを向けていました。
中央大橋、永代橋を抜け、隅田川へ
※船上で撮影したのでカメラが揺れています!酔わないようにご注意
屋形船でも人気の隅田川。
スカイツリーを正面にとらえるできるビュースポットということで、たくさんの屋形船が通り過ぎていきます。
美しい東京の夜景と船上からの眺めを堪能した後、船は再び日本橋へと戻ります。
帰りは隅田川の永代橋手前から霊岸橋の方へ。
さあ、いよいよ、講釈師さんによる怪談話が始まりますよ!
巧みな話術で恐ろしくも悲しいお岩様誕生の世界へ
橋の下で船を停め、講釈師さんが船の前方にしつらえた舞台へ登壇!
ちゃんと懐中電灯で下から照らし、雰囲気たっぷり!!
お話しの内容は「お岩様」ビギニング!という感じです。詳しくは・・・来年参加する方へのお楽しみとしてとっておきましょう!
と、ここで隣に座っていた子娘が突然「ひぃぃぃーーー!!」と小さく叫んでいます。
「んんん???」
どうやら、講釈師さんのお話をこっそり、録音していたらしい。ところが、突然、iphoneの画面が真っ暗になり、電源を切ることも、再起動することもできなくなったらしい。
電池に接続すると、リンゴマークが繰り返し表示される「リンゴループ」状態になってしまっている模様・・・。
祟りだ・・・。こっそり録音とかしてるからだ・・・。
お岩様が著作権を厳しく主張しているに違いない。
反省するように!
ちなみに私は、今回のバスツアーに参加するにあたり、ちゃんと塩を持参してきました。だって、怖いんだもん!
日本橋には何頭のライオンがいる?
さて、恐怖の怪談話も終わり、舳先にデカプリオ様のように?講談師さんを置いたまま、船はゆっくりと日本橋に戻ります。
この日本橋には獅子の像や麒麟の像があることで有名です。
麒麟の像は東野圭吾さんの「麒麟の翼」でおなじみですよね。獅子の像には「守護」を、麒麟の像には「繁栄」を願い、置かれているとか・・・。
そして日本橋には獅子の像は32頭いるそう。橋8×4=32だって・・・ダジャレかよ・・・・。
船は一度、日本橋をくぐり、ぐるりとUターンして着岸。橋の下をくぐる際に、関東大震災の火事で焼けたところを見せていただきました。
橋は修復されたのですが、一部、当時の記憶をとどめておくためにそのままにしてあるそうです。
名残惜しいですが、無事、怪談ツアー終了。いえいえ、家に帰るまでは遠足です!気を抜いてはいけません!!
この怪談ツアー、以前は午前中からスタートの昼催行だったそうです。まさに真夏の太陽が照り付ける炎天下の中で、お墓巡り・・・。別の意味で怖いことになっていたようです。
今年は14時20分発、21時終了ということで、暑い盛りを過ぎてからの運行。曇り気味でほどほどに涼しく、とても楽しいひと時を過ごせました。
普段はまず行かない、ディープな東京の顔を知ることができてよかったです。
皆さんもぜひ、来年は、参加してみてはいかがでしょうか?
また、神田明神にお参りの際は、成田山にお参りなさらないよう(逆も同じ)、くれぐれもご注意を!
※取材は2016年8月14日現在のものです。
■取材・撮影
●はとバス
「講釈師と行く夜の怪談クルーズツアー」
●平将門首塚
東京都千代田区大手町1−2−1
●株式会社ジール
東京都港区海岸3丁目21番35号 芝浦岸壁ビル2階
Tel: 03-3454-0432
※貸切の他に、乗合プランもあります。
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