旅の安全を祈って!

名鉄観光バスに納車された豪華貸切中型バス「Zion(シオン)」をレポート

今回は、三菱ふそうトラック・バスが開催する名鉄観光バスへの豪華貸切バス納車式に参加。
名古屋市の「熱田神宮」で行われた式当日の模様とともに、納車された中型貸切りバス「Zion(シオン)」についてレポートします。

納車式当日、今にも雨が落ちてきそうなあいにくの空模様の中、熱田神宮の東門駐車場にやってくると・・・、

ありました!

今回、名鉄観光バスさんに納車される「Zion」。
緑、赤、青のきらびやかな車体3台が、大きな東門の前に並ぶ光景は、なんとも壮観です!

名鉄観光バス「zion」

ところで、名鉄観光バスさんといえば、ゆったり3列シートの特別車「ゼウス」があります。

すっぽりと包まれるようなワイドシート、足元ゆったりのシートピッチ、そしてハイアングルから見る車窓・・・・・・。
まさしく「おもてなし」をテーマに極上のくつろぎを約束してくれる最高級車です。

今回、三菱ふそうから納車された「Zion」も、この最高級車「ゼウス」を意識して作られた中型車とのこと。
一体、どんな装備が付いているのか、内装はどうなっているのか。
期待に胸を膨らませながら、早速車内を見学させてもらいました!

4列シート・27席、でも、通常の中型バスよりもゆったり座れる!

車内に足を踏み入れると、まず目に付いたのが、名鉄観光バスの車両に標準装備されているプラズマクラスターイオン発生装置。
さらに、運転席の後ろには、シルバーの空気清浄器を発見!
どうやら空気清浄器は、エンジン停止時にも作動するとのこと。
これでイヤな匂いを気にせず、快適なバス旅が満喫できそうです!

プラズマクラスターイオン発生装置
プラズマクラスターイオン発生装置は標準装備
運転席後ろの空気清浄機
エンジン停止時にも作動する空気清浄器

次に、天井から視線を落としてシートを確認。
ゼウスと同じく3列シートでは?・・・と予想していましたが、そこは残念、これまでの中型バスの仕様を踏襲して乗車人数27名を確保すべく、やむなく4列シートに・・・・・・。

中型バス仕様で4列、27席の座席
シックな車内のインテリア

そうか~と思いながら、シートに腰掛けてみると、ん? なんだか、ゆったり座れる気がする!

座席はワイドシートでゆったりめ!

聞いてみると、前向きの4列シートは、シートピッチを変えられない分、ワイドシートを採用していて、従来の車両よりも1席あたり2.5cm幅が広いんだとか。
2.5cmという数字だけ見ると、なんだか微々たる変化に思えますが、長時間のバス旅行を考えると、このゆとりは結構大きそうです!

後方にはゆったりくつろげるサロン席

広々くつろげるサロン席

さて、バスの後方、サロン席の方に向かってみると、通常の中型車両では最前部にしかないテレビが、もう一台!

ZIONのサロン席

サロン席の最後列にあるコンソールボックスには、100VコンセントとUSBポートが併設されています。
さらに、サロン用の簡易ボトルクーラーも設置されていて、楽しい旅のひとときを快適に過ごせそうです。

ドリンクを取り出しやすい簡易クーラーボックス

豪華さだけじゃない。名鉄観光バス独自の安全へのこだわりが随所に!

今回納車された「Zion」は、豪華装備だけでなく、安全装備が充実しているのも大きな特徴です。

三菱ふそうが独自に開発した運転注意力モニター「MDAS-Ⅲ」が搭載されているだけじゃなく、大型車と同等の衝突被害軽減ブレーキや、車両逸脱警報装置、車間距離警報装置などを装備。

さらには、名鉄観光バス独自の取り組みとして、ドライブレコーダー機能付きのデジタコは5つのカメラを接続。
運転者の疲れを未然に防ぐため、休憩時間になると声で知らせてくれる機能なども付帯しているそう。
また、歩行者からの視認性を高めるために、デイライトも装着されています。

名鉄観光バスの安全へのこだわりが随所に

そのほかにも、名鉄観光バスでは、扉と連動して「シートベルトを締めて下さい」と流れる案内放送装置を開発。

車種ごとに3分ほどの案内用DVDを作成するなど、徹底した安全対策を行っているようです。

乗り心地の点では、大型車と同様の電子制御サスペンションを装備しており、従来の中型車よりも快適性がアップしているとのこと。

緑が岡崎、赤が名古屋、青が一宮の各営業所に納車され、基本的には貸切のみで使われるようですが、例えば、「どうしてもZionの赤に乗ってみたい!」といったお問い合わせがあった場合には、運行上の無理がなければ、フレキシブルに対応していきたいとのこと。

名鉄観光バスが展開している「ドラゴンズパック」で、Zionで行くバスツアーなども考えているそうで、今後が楽しみです!

旅の安全を祈って!

<名鉄観光バス・中型新造車「Zion(シオン)」>
「Zion(シオン)」の仕様

定員27名を確保しつつ、リビングにいるような豪華さ、寛げる空間を提供できる仕様を追求。
愛称の「Zion(シオン)」には「桃源郷」、「ユートピア」という意味があり、旅行に出かけ、日常とは違う空間で大いに愉しんでいただきたいという意味が込められています。
ベースになった中型バスは三菱ふそうトラック・バス株式会社「エアロエースMM」です。

【Zionの主な設備】
●ワイドシート(前向き4列)
前向きの座席は、従来車両より1席あたり2.5cm座席幅が広いワイドシート。

●空気清浄器
エンジン停止時にも作動します。特に運転終了後の消毒・除菌に効果的。

●中間テレビ
通常の中型車両では、モニターは最前部の1箇所のみですが、サロン席前にも設置しています。

●プラズマクラスター
標準装備のプラズマクラスターイオン発生装置。消臭・除菌に効果的。

●コンセント(サロン席右側)
最後列右のコンソールボックスに100VコンセントとUSBポートを併設。

●背裏テーブル
シート背面にはテーブルを設置。

●ステップ灯
乗降口ステップには足元を明るく照らすステップ灯を埋め込んでいます。

●コンセント(腰板)
最前列の左右と最後列の左側腰板には、100VコンセントとUSBポートを併設。

●フラット床
段差のない車内とするため、通路部分をかさ上げしてフラット床に。

●後部サロン用簡易ボトルクーラー
最後列左のコンソールボックスに簡易型冷温蔵庫を併設。

●蛍光灯カバーに装飾
電球色の柔らかい明かりに浮かび上がるように和紙を貼り付け、竹・桜・紅葉の柄で日本の美しい季節を表現。

●電球色LED
落ち着いた空間を目指し、車両の照明は電球色を採用。

◎大型車と同等の衝突被害軽減ブレーキ、車両逸脱警報装置、車間距離警報装置、運転注意力モニターを装備。
◎大型車と同様の電子制御サスペンションを装備し、快適性、乗り心地を向上。

■取材・撮影協力
三菱ふそうトラック・バス株式会社

名鉄観光バス株式会社
名古屋市熱田区神宮三丁目6番34号

熱田神宮
*駐車場は東門、西門、南門3か所にあり、普通自動車は約400台駐車可能。
納車式は東門駐車場で行われましたが、通常は西門に大型バス用の駐車スペースがあります。
観光バスでお出かけの際は事前に問い合わせのこと。

豪華仕様の貸切観光バスについてはこちらもご覧ください。

この記事を書いた人
バス観光マガジン編集部 編集ライター

バス観光マガジンの中のヒト。貸切バスについての基礎知識やバス旅行のヒント、バスファンのための情報など、バスに関する楽しいコンテンツを日々お届けします。

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