現代自動車「ユニバース2016モデル」

外国バス最前線!現代自動車「ユニバース」が売れている!!

みなさん、こんにちは!編集部Iです。
今回は、韓国最大手のバスメーカー、現代自動車さんにインタビュー。

日本でもメキメキと売り上げを延ばしてきているそのヒミツを探ってきましたよ!

特に2015年12月に「2016年モデル」を発売開始以来、売り上げ台数がさらに増加。
日本マーケットでの確かな手ごたえを感じているといいます。

このユニバース「2016年モデル」のいちばんの改良ポイントは、安全装置の充実。
先日、大阪で取材した「2016バステクフォーラム」で各社が実演した「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)」で、ユニバースもその実力を披露していました。

ユニバースが採用している「衝突被害軽減ブレーキ」は、ヨーロッパ基準である“完全停止型”が特徴。
運転中にドライバーさんが急病等で、ブレーキ操作ができなくなった場合を想定し、前を走る車や障害物に衝突する前にバスを停止させる“自動ブレーキ”のこと。
さらにこのシステムと合わせて、車線逸脱警報装置(LDWS)、車両安定制御装置(VDC)を標準装備しています。

現代自動車ならではの「値ごろ感」と相まって、導入するバス会社さんが増え、うれしい悲鳴(?!)をあげているそう。

では、さっそく、ユニバース「2016年モデル」の魅力を紐解いてみましょう!

シビアな日本人も納得!の品質を求めて

現代自動車のユニバースが日本マーケットに登場したのは2008年。
先行導入車両として3台が輸入されました。

翌年には24台、2010年には90台と販売台数を増やしてきました。

2010年に施行された平成21年排出ガス規制において、尿素SCRシステムの採用で適合。
12月には輸入大型バスとしてはユニバースが初めての、ポスト新長期排出ガス規制対応適合車として注目を集めます。

その後さらなる改良を加えて「2016年モデル」が登場!

現代自動車・ユニバース
「2016バステクフォーラム」にも出展したユニバース最新モデル

今年は初の販売台数3桁を達成できそうな勢い!とか。

ところで、外国製のバスが、敬遠されるいちばんの理由はどんなところでしょう?

「品質が悪い(すぐ壊れるイメージ)、修理したくても部品がなかなか手に入らない、運転しにくい、乗り心地が悪い、燃費が悪い・・・といったところでしょうか?」と、現代自動車の広報を担当する福田さん。

確かに、インドのタタ・モーターズ製のバスはサスペンションが悪く、長時間乗っているとお尻が痛かったという体験談もあります。

2階建てバスやツインライナーでおなじみのドイツ・ネオプラン製のバスや、ベンツのバス、ボルボのバス・・・。
つい先日、はとバスで導入されたスカニア製エンジン・シャーシに、ベルギーのバンホール社製の車体を組み合わせた新型車両「アストロメガ」は記憶に新しいですよね。

さまざまな輸入バスが導入される中、現代自動車では、きめ細かなアフターケアに力を注いできました。

「せっかくユニバースを購入してくれたのに、お客様が国産車に買い替えてしまうことはとても残念です。
そんな時こそ、お客様の声を丹念に拾い、韓国の開発部門にフィードバックし、改良を重ねてきました。

日本人が求めるバスの仕様や装備、性能など“日本品質”を追求。
日本で認められた品質であれば、海外でも高い評価をいただけると考えたからです」。

現代自動車では日本国内でのメンテナンス拠点を約185か所に拡大し、全国にサービスネットワークを構築。
車両部品のほとんどは国内に在庫しているそうです。
万が一のトラブルにも、15時までのオーダーなら翌日には一部エリアを除き、全国配送してくれます。

もちろん、日常的なメンテナンスも簡単にできるように工夫。
約150万㎞に及ぶ徹底した耐久テストで、丈夫かつタフな走りを実現しています。

高い耐久性とメンテナンスの良さを備えたバス
(写真提供: 現代自動車ジャパン)

“外国製のバスは・・・”という心配はもう過去のことになってきましたね!

乗り心地の良さはもちろん、安全性にも配慮したシート

ユニバースの座席シートはマジカル・テクニカ製

バスに長時間座っていても疲れない、お尻が痛くならない。
実は、日本のバス、海外のものに比べ、しっかりしていて乗り心地がいいものを採用しているといいます。

「海外の路線バスだと、燃費の良さを追求するため、プラスチックの座席を取りつけている例が多くあります。
外国人が日本に来て驚くのは、バスの座席の座り心地の良さだと聞いたことがあります」と福田さん。

最近の観光バスはプレミアム仕様のものが増えてきて、革張りシートや男性でもゆったり座れるタイプのものと進化している印象。
今回撮影させていただいたユニバースの座席も、座面がひろく、包み込まれるような感じでとても座り心地がいいものでした。

ハイグレード・モケット
写真はメーカー純正シート(写真提供: 現代自動車ジャパン)

「ユニバースの独立シートはマジカル・テクニカ製です。
メーカー純正のシートをはじめ、正席には全て3点式シートベルトを採用しています。
万が一、自動ブレーキが作動した場合であっても、前方に投げ出されないようにシートベルトを自動で固定するELR(Emergency Locking Rtotactor)付を採用しました」。

大型観光バスの正席すべてに3点式ELRシートベルトを標準装備しているのは、日本で初めてだそう!

編集部Iも「衝突被害軽減ブレーキ」を体験してきましたが、かかった瞬間、体がかなり前に傾くのを経験しています。
もちろん、急ブレーキはご法度ですが、緊急時にはいたしかたないこと。
乗用車と同じように3点式シートベルトなら、確かに安心感はありますね!

最近の高速バスにも増えてきた「レッグレスト」も付いています。

バス座席にレッグレスト付き

座席の横についたボタンでリクライニングもレッグレストの出し入れも簡単に操作できるようになっていました。

リクライニング&レッグレストカンタン操作

もう一つ、乗り心地と関わってくるのはいわゆる「足回り」。

ユニバースのサスペンションは、ワイドサス・車軸式円形スリーブ空気ばね・ワイドスタビライザ付き。

車軸式なので左右の車輪をしっかり固定し、悪路でもハンドルがとられないように安定性を発揮します。

実施に試乗した時の印象は「フワフワとした柔らかな乗り心地」ですが、
ワイドスタビライザ―が付いているので、高速走行での直進安定性やコーナーリングの施回性能をしっかりサポートしてくれるそうです。

ちなみに、空気ばねは、圧縮空気の弾力性を利用したもので、乗降りする際に空気を抜いて、車高を下げる「ニーディング」機能にも使われます。

柔らかい乗り心地がいいか、固めがいいかは個人の好みによるので、実際に乗ってみるのがイチバン!

高速バスや貸切バスで現代自動車「ユニバース」に乗るチャンスがあったら、ぜひ、体感してみてくださいね。

解放感あふれるインテリアは、観光バス旅行にぴったり!

ユニバースに乗ってみて、ます最初に感じたのは「広々としてゆったり感がある」ということ。

ユニバースの車内は広々

天井ぎりぎりの高さまでつけられたサイドウインドウ、フラットな床。
特に、今回撮影したタイプは2シート×1シートなので、さらにゆったり感じます。

ユニバースのボディは「高剛性モノコック構造」を採用。

「モノコック構造」は飛行機で採用されたことで知られており、いちばんのメリットは車体の軽量化による燃費性の向上があげられます。

ユニバースの場合は、品質のばらつきを抑えるため、自動ロボット溶接などを導入。

自動ロボット溶接を採用
高精度な自動ロボット溶接を採用 (写真提供: 現代自動車ジャパン)

車体とフレームを組み立てた後、エンジンやシャシ部品などを個別に装着して高いボディ鋼性を実現しています。

また、従来のモノコック構造のデメリットだった、騒音・振動・ハーシュネス(NVH)が伝わりやすいという問題を設計段階から徹底対策し、快適な乗り心地を確保。
確かに試乗したときも騒音や振動などの不快感はありませんでした。

もう一つ、バスに乗って感じたのは「とってもシンプルですっきりしてる!」というところ。

一般的な観光バスだと、前の座席のところに冷蔵庫や湯沸かしポット、などいろいろあり、車内の装飾も豪華!というバスも少なくありません。

「本当は何もつけない予定だったのですが・・・」と福田さん。

最低限、湯沸かしポットや冷蔵庫は装備してほしいというリクエストが多かったそう。

冷蔵庫・湯沸かしポット
(写真提供: 現代自動車ジャパン)

「できるだけシンプルに、コンパクトにすっきりとしたレイアウトで収まるよう工夫しました」。

日本のバスについているTVモニターは比較的小さいサイズが多いのですが、ユニバースはフロントに大画面の32インチを採用。

「海外ではもっと大きなモニターを備えていますよ!」とのことでした。

さて、次回は、バス会社やドライバー目線で見た場合のユニバースの魅力をご紹介していきましょう!

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■取材・写真協力
現代自動車ジャパン株式会社

東京都港区赤坂一丁目11-30赤坂一丁目センタービル12F

この記事を書いた人
ちくわ

旅行メディア編集長兼ライター、総合旅行業務取扱管理者、旅行会社勤務経験あり、目黒区ボランティアガイド見習い中。プライベートでも古代史オタクとして年に数回フィールドワークに出かける旅好き。時々バス愛がさく裂!?

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