日帰りバス旅行、2か所目のワイナリー「ルミエール」へ
貸切でマイクロバスを仕立て、ワイナリーツアーを企画した編集部I。
7月の3連休初日というやばい日程で出かけたため、大渋滞に巻き込まれ、思うような行程でまったく回れないという大失態・・・。前回から引き続き、その顛末記をお届け済ます。
老舗の貫禄!「ルミエール」ワイナリーへ
さて、程よく(?)お酒も入り、ほろ酔い気分で2件目のワイナリーを訪ねます。
ワイナリーまでは細くてくねくねとした道路が続きますが、スイスイとマイクロバスは進みます。さすがプロのドライバーさん!
受付で手続きを済ませると、さっそく畑に案内していただきました。
前回の盛田甲州ワイナリーの記事でご紹介しましたが、高温多湿の日本風土気候に合わせた風通しのよい「棚つくり式」のぶどう畑を見学しながらお話をいろいろうかがうことに。
畑の土は水はけがよく適度な隙間ができる「花崗閃緑岩」と「砂岩・頁岩・粘板岩」で、ぶどうの根がしっかりと張ることができる土壌。地下15mに伏流水が流れているので、ぶどう栽培に最適だそうです。
勝沼のある甲府盆地は夏は暑く、冬は厳しい寒さ。1日の温度差があり、1年を通して暑い季節・寒い季節があるのもよいぶどうが穫れる条件に適っていますね!
ルミエールさんでは、これとは別に垣根式栽培の畑もありました。(1時間見学コースの場合はこちらも見学できます)
次のぶどうの収穫を待つ、醸造棟へ
ワインを醸造する「醸造棟」へ移動。800~10000リットルのタンク23本と圧搾機、除梗破砕機、選果台等が設置されていました。
残念ながら私たちが訪問したのは7月中旬。秋頃なら実際にぶどうを仕込んでいるところを間近で見学できたのに・・・。
ルミエールさんのスパークリングワインは、炭酸ガスを人為的に混入する製法ではなく、フランス・シャンパーニュ地方で伝統的に行われてきた瓶内二次発酵を採用。
糖分が残った状態で瓶詰して、アルコールが発酵することで自然な炭酸ガスが生まれてくるのを待ちます。
この醸造法では、グラスに注いだ時、きめ細かな泡が立ち上るのが特徴です。
こちらの穴の開いた台は、瓶内発酵でできた「澱(おり)」を瓶口に集めるためのもの。「ルミアージュ(動瓶)」といいます。
その後「ネックフリーザー(冷凍機)」で瓶口に集めた澱を凍らせ、以下の「デゴルジュマン(澱抜き)」という機械にセット。
仮栓を抜くと、瓶内発酵で生まれた炭酸ガスの圧力で凍った澱が飛び出すという仕組みだそうです!
その後、澱が抜けた不足分を「ドサージュ機」で補い、スパークリングワインの量を750mlに調整。
「ブジャージュ(打栓)」する機械でコルクをしっかりと閉めて出来上がり!次回はぜひ、製造過程を見てみたいと思いました。
国の有形文化財にも登録!いまも現役ワイン石蔵醸造設備を見学
続いて案内されたのは石蔵発酵槽。花崗岩を使って作られた100年以上前から使われている石造りの発酵タンクです。
以前は石蔵で仕込むのは通常だったそうですが、その後、中断。再び石蔵でのワイン造りがスタートしたのは1998年からだそう。
石蔵で仕込まれたワインは通常の醸造法とは異なる、独特のフレーバーや味わいが感じられるとのこと。毎年、1つの石蔵でワインを仕込むそうですがその年によってもちろん味わいは違うそう。
収穫し、粉砕したぶどうを果梗(かこう・枝の部分)も付けたまま直接石蔵内に注ぎ入れ、そのままそこで発酵を待ちます。後で試飲できるそうなんで、楽しみです!
ルミエール地下にあるワインセラーが圧巻!
続いて地下にあるワインセラーへ案内していただきました。
ここは現存するヨーロッパ型横蔵式ワイン醸造専用の地下発酵槽・貯蔵庫としては大変古いもので、現在使用している地下発酵槽以外は撤去し、セメントタンクを建造。通路はセラーとして使用しています。
とても暑い日でしたが、地下はひんやりと涼しい!通路側の壁を取り除き、ワインの樽がずらりと並べられています。
壁にしみ込んだワインの色が歴史を感じさせます。発酵槽の前側には出来上がったワインを取り出すためのパイプが設置されており、そこから運び出されていたそう。
ここからどんな味わいのワインが出荷されていったのでしょうね。皆さんもぜひ、見学してみてくださいね!
見学を終えてワイン試飲タイムへ!でも予定はタイムオーバー
予約したのは30分コースでしたが、思いがけず熱の入ったご案内をいただき、さらに時間は押せ押せ状態。(その前から押してましたがね・・・)
そこで残念ですが、ワイングラス館には立ち寄らないことに・・・。
幹事としては実に情けない結果ですが、予定通りに東京へ戻るためには致し方なしと苦渋の決断。
しかも試飲タイムもちょっと巻き気味でお願いしますっ!という状況になってしまいました。
先ほど紹介があった石蔵で仕込んだ「石蔵和飲」もお試しできます。
こちらは有料になりますが、スパークリングワインも試飲できます。
大急ぎでお土産を購入。
こちらは白ワインでつくった梅酒。甘口ですが香りがよく、後を引くおいしさ!娘へのお土産に買いました。この他に石蔵和飲もGet!
追い立てられるようにルミエールさんを後にしました。
トイレ、トイレの緊急事態!
参加者皆さんに、ワイングラス館見学中止を告げます。ホントごめんなさい・・・。
その代わりといっては何ですが、桔梗屋の信玄餅(2個パック)をお土産にプレゼント。盛田甲州ワイナリーで購入しておいたワインをみんなで飲むことにしました。
ぶどう品種と味わい、香りなどのレクチャーを受けながらゆっくりとワインを味わうのは至福のひととき・・・。
と、ここで何故か?寅さんクイズを開催することに。映画「男はつらいよ」にまつわる様々な問題を出題するダンナ・・・。意外に盛り上がる車内。
ふがいない幹事でしたが、皆さんに楽しんでいただけたようでちょっとホットしました。ところがここで大きな落とし穴が・・・。
帰りはさほどひどい渋滞はなく、スムーズだったのですが、バス車内で飲んだワインの量が多かった・・・。トイレ休憩は途中、1回だけサービスエリアで取ったのですが、高速を降りるあたりから皆さんソワソワ。
急きょ、トイレ休憩を入れることになりました。
緊急事態ということでコンビニ前で数人おろし、バスは回送。終わったころに迎えに行くという荒業をやってのける恵美観光バスのドライバーさん。本当にご迷惑をおかけしてすみません。
皆さん、くれぐれもこのような事態にならないようお気を付けくださいね。
無事、出発場所である九品仏・旭屋酒店に到着。渋滞あり、行程変更あり、緊急トイレありと、波乱万丈なツアーでしたが、皆さん快く楽しかったとおっしゃっていただきました。
また、最後に訪問したルミエールのガイドを担当していただいた方からも、楽しいグループでついつい熱のこもったガイドをしてしまいましたというお言葉まで!
これに懲りず、皆さま、ぜひワインのある生活を楽しんでくださいね!また、度重なる変更や渋滞に負けず、最後まで安全運転で送迎いただいた恵美観光バスさん、ドライバーさん、ありがとうございました!
[バス日帰り旅行幹事の注意点まとめ]
1.見積もりは仮の予定でも取れるので、それをもとに日程や予算を調整
2.混みあう時期はバスの予約を早めに
3.立ち寄り先、駐車場は幹事さんが自分で予約
4.旅行保険に加入する!
5.バス車内で行うレクを多めに準備(渋滞した場合対策)
6.お酒を飲むときはトイレ休憩の回数に注意
7.渋滞等で計画通りに運行できない場合は相談して行程変更する
8.ひとり幹事は辛いので、何人かで役割分担を決めて協力して進める!
正直、自分たちで全部手配してでかけるバス旅行は大変です。幹事は楽しめない(酔えない)と覚悟が必要。自分も楽しみたい場合は、旅行会社さんにお願いするのが一番だと思いました・・・。
<個人で初めて貸切バスを借りてバスツアーを企画してみたシリーズ>
・個人でバスを借りてみた!~初めてのバス旅行幹事~
・初めてのバス旅行幹事、やらなきゃいけないコトはこれ!
・いよいよ山梨へ出発!ワイナリー巡り日帰りバス旅行
・日帰りバス旅行、2か所目のワイナリー「ルミエール」へ
・個人でバスを借りる!古代史オタク山梨日帰りバスツアーの旅行幹事体験談
・個人でバスを借りる!古代史オタクが山梨へ日帰りで「ヤマトタケルバスツアー」に出発編
※記事内の情報は取材当時のものです。最新の情報は公式ホームページで必ず確認してください。
■取材協力
株式会社ルミエール
山梨県笛吹市一宮町南野呂624番地
TEL:0553-47-0207
<ワイナリー見学について>
●30分コース 14時~ 1日2回(2名以上~) 1人700円(税込)
※前日15時までに要予約、定員20名まで
申し込み方法/電話もしくはメール、平日9時~17時30分受付
■団体(15名以上)は希望の時間に合わせて催行可能(30分コース:600円)です。7日前までに要予約。
ただし、15名未満の場合は通常の見学料金、コースになるのでご注意を!
※バスは中型バスまで駐車可能です。あらかじめ相談、予約を。
▼貸切バスお役立ちコンテンツ
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