バスツアーといえばコレ、貸切大型バスに詳しくなろう!
バスツアーといえばやっぱり大型観光バスですよね!
旅行会社が主催するさまざまなバスツアー。土日の新宿、東京駅あたりにはたくさんの大型観光バスが停まっているのをよく見かけます。
今回は大型の貸切バスについて詳しくご紹介していきましょう。
貸切バスで人気のバスタイプ第2位は「大型観光バス」
先日、貸切バスで人気No.1は小型マイクロバスとご紹介しましたが、直近1年間で二番目に人気のバスタイプは「大型観光バス」でした。
貸切大型バスの利用目的は「送迎」もしくは「観光」。3年前に調査したときは7対3の割合で送迎が多かったのですが、今回の調査ではさらに送迎利用が増えて、8割以上になっていました。
【貸切バスの達人事務局調べ】
大型観光バスをチャーターしてみんなどんな旅行を楽しんでる?
最も多いのが日帰り旅行で、次いで1泊2日旅行。3番目は日帰りレジャーで、BBQや海水浴、キャンプなどのついでに観光や買い物などを楽しむために利用するケースが多かったです。
【貸切バスの達人事務局調べ】
送迎利用で最も多かったのは結婚式や法事などの送迎!
小型マイクロバス同様、大型観光バスも結婚式送迎や法事送迎など冠婚葬祭系の送迎がトップ!
よく式場で小型マイクロバスを利用して送迎してくれることが多いですが、人数が多い場合は大型観光バスが断然便利。荷物が多い時もラクラクです。
1番目に多い交通手段ですが、空港や駅までの送迎で大きな荷物があるときは、やはりトランクルームが大きい大型観光バスになります。
続いて多いのが合宿の送迎。一度で大勢の部員が運べるのでとても便利な移動手段です。
ここで注意が必要なのは、合宿の日程!最も集中するのが7月末~8月にかけての週末。例年手配しにくくなっていますので、この時期に限っては5か月~3か月以上前から、早め早め予約がおすすめです。
バス料金については、現地で2泊以上する場合、行きと帰りの送迎のみで、いったんバスを返す方が安くすむことが多いと思います。
もし、現地で宿泊先と利用施設が離れており、滞在先で送迎に貸切バスを利用したい場合は、返した場合と借りっぱなしの場合で両方見積りを取り、比べることもできますので、気軽に問い合わせてみましょう。
また、練習試合や交流試合、大会遠征などの送迎を頼む場合は注意が必要です。
勝ち進んだ場合と負けてしまった場合で、バスの利用終了時間が異なる時は、部活送迎で貸切バスを利用するポイントについてまとめた記事を参考になさってくださいね。
要注意!大型観光バスは運転手なしではレンタルできません!
毎年、合宿シーズンになると「貸切バスの達人事務局」に問合せがあるのは「大型免許を持っているので、大型バスだけ借りたい」という依頼。
普段は大型トラックの運転をしていて「大型一種免許」を持っている。昔、バスの運転手をしていて「大型二種免許」を持っている、など。
バスだけ借りて、自分たちで運転していけば安く済むし、行程やスケジュールなども自由になるし!と思うのでしょうが・・・。残念ながら、大型観光バスだけ(運転手なし)のレンタルはできません。
その理由は、レンタルしてもよいバスは「自家用マイクロバス(乗車定員29人以下、車両全長7m未満のもの)」までと道路運送法第52条や「自家用自動車有償貸渡しの許可基準」に定められているから~。
大型観光バスは乗車定員数が30名以上(最近では30名よりも乗車人数が少ない豪華仕様のバスもありますが・・・)、全長12mあるのでレンタルバスとして貸し出すことはできません。
白バス行為(自家用バスを貸切バスとして料金をもらって運行する行為)を防止するのが主な目的ですが、大勢のお客様を一度に運ぶ責任はとても重いものです!
安全にバスの旅を楽しむために、運転はプロのドライバーさんにお任せするのがイチバンですよ。
チャーターが難しいタイプの大型バスは?二階建てバス!
たまに問合せがあるのは、2階建てバス(ダブルデッカータイプの大型バス)の貸切。都市間高速バスや観光路線バスなどでよく使われているのを見かけますよね!
こちらの写真は、はとバスの日帰り観光ツアーで使われている三菱ふそう・エアロキング。
1階と2階に座席があるので、大勢のお客様を一度に運ぶことができるのと、2階からの眺望の良さが人気です。
エアロキングは、国産唯一の2階建てバスとして製造されていましたが、2010年8月に生産終了。現在では一部のバス事業者さんが所有するのみで、貸切バスとして手配できる可能性はほとんどありません(例外として小野観光さんが貸切用に所有)。
ちなみにはとバスでは「アストロメガ」という新型2階建てバスを2016年4月に導入し、話題になりました。現在都心周遊の定期観光コースでその姿を見ることができます。
スウェーデンのスカニア社(エンジン・シャーシ)、ベルギーのバンホール社(車体)、はとバスの3社で共同開発したオリジナル仕様です。
つい先日開催された「第2回バステクin首都圏」で展示されていましたが、とても大きくて迫力がありました。
東京ヤサカ観光さんが、貸切バスとして導入されていますが、今後爆発的に増えるる可能性はとても低いかも。
というのも、車体が重く、燃費がとてもかさむというのがあります。バスの購入価格も当然高いです。通常の大型バス1台の2倍~2.5倍ぐらいでしょうか?
定期的に運行する高速バスや観光路線バスならいいのですが、貸切バスとしての稼働率を考えると厳しいきがします。
それから天井が開く「オープントップ」タイプの2階建てバス。
都内では、スカイバス東京(日の丸自動車興業)や、はとバスの「オーソラミオ」が代表的です。最近では大阪や福岡、広島、京都でも市内観光の目玉として走っていますね!
条件はある(高速道路は走れないなど)と思いますが、スカイバス東京では貸し出しもあるようです。興味がある方は直接問い合わせてみてはいかがでしょうか。
これはチャーター無理!の大型バスは?
貸切できないバスの代表格といえば、こちら!水陸両用バス。
2016年10月には横浜でも運行開始。この他、山中湖や大阪などでも運行され、話題になっています。
水陸両用車を安全に運行するためには、国土交通省の許認可が必要。大型二種自動車運転免許に加え、2級以上の小型船舶免許がないと運転ができません。陸上、水上運行の安全規程や事業計画などを作成し、ルート等の許認可が必要なため、貸切で自由に走らせることはできないということですね。
ツアーとして運行しているものを大人数で予約して乗ることはできると思いますので、ツアー催行会社に問い合わせてみましょう。
大勢のお客様をいちどに輸送できる、バスの車体が2台分の長さになっている超大型の路線バスです。
長さは18m~19mあり、110~190人ぐらいの乗客を乗せることができます。ドイツのネオプラン・セントロライナー、ボルボB10Mの他、2016年10月に三菱ふそうから右ハンドルの新型車、メルセデス・ベンツ「シッターロG」が発売されました。
導入しているのは、京成バスや神奈川中央交通(かなちゅうバス)、岐阜乗合自動車、西鉄バスなどがあります。
いずれも、混雑が激しい路線バスでの運用で、道路運送法に基づく国土交通省運輸局の特例措置を受け、許可された路線のみでの運行となるため、一般的な貸切バスとして借りることはできません。
そういえば、つい先日、ボルボから全長30mある世界最大バスをブラジルで発表というニュースがありました。
バス3台分の長さで連節部分が2か所、一度に300人の乗客が運べるそう!こうなるともはやバスではなく、電車ですね・・・。追い越しはほぼ不可能??
ちなみに連節バスを運転できるのは大型免許で可能ですが、けん引自動車の運転と同等の技能が求められるので、両方の免許取得者が担当しているそうです。
大型観光バスの長さや大きさ(サイズ)は?
大型観光バスで出かける場合、通れる道なのか、駐車場に入るのか心配ですよね。実際にどのぐらいの大きさなのかを調べてみました!
大型観光バスの長さをそのまま小さくした、中型観光バスや小型マイクロバスと比較してみましょう。
バスタイプ | 長さ | 車幅 | 車高 | 乗車定員 |
---|---|---|---|---|
小型マイクロバス | 約7m | 約2.1m | 約2.8m | 21~26人(補助席あり) |
中型観光バス | 約8m | 約2.5m | 約3.5 | 27人(補助席なし) |
大型観光バス | 約12m | 約2.5m | 約3.5~3.75m | 41~45人(補助席あり) |
※サイズはメートル単位で四捨五入、各メーカー最新モデルでの比較になります。
大型観光バスでよく使われる車種「三菱ふそうエアロエース・エアロクィーン」・「日野自動車セレガ」・「いすゞ自動車ガーラ」、「現代自動車ユニバース」
三菱ふそうからは、ハイデッカータイプの「エアロエース」とスーパーハイデッカータイプの「エアロクィーン」の2車種。
スーパーハイデッカータイプは、車高が3.52mで、3.46mのハイデッカータイプよりも6㎝高くなります。
日野自動車といすゞ自動車はJバスで製造されているのでサイズは同じ。
セレガ・ガーラのハイデッカータイプは車高が3.5mで、スーパーハイデッカータイプは車高が3.75m。三菱ふそうに比べて25㎝高くなっています。
現代自動車のユニバースは、車高が3.54mのハイデッカータイプになっています。
大型観光バスの長さや大きさ(サイズ)についてもっと詳しく>>
大型観光バスにはどんなメーカー・車種があるの?
修学旅行や遠足などで、最低でも1度は乗ったことがあるはずの大型観光バス。旅行会社が主催するバスツアーや高速バスなどはほぼこのタイプですよね!
国内では3社。
三菱ふそうのスーパーハイデッカータイプ「エアロクィーン」とハイデッカータイプの「エアロエース」。
日野自動車「セレガ」(ハイデッカータイプとスーパーハイデッカータイプ)。
いすゞ自動車「ガーラ」(ハイデッカータイプ・スーパーハイデッカータイプ)。
海外では現代自動車「ユニバース」、スカニアジャパン「アストロメガ」です。
いずれのメーカーも全長12m未満、車幅2.5mのものが主流。道路交通法(運転免許の分類に同じ)では「大型自動車」で、車両総重量8トン以上、最大積載量5トン以上、乗車定員11以上と定義されています。
貸切観光バスタイプは、高速道路の通行区分では「特大車」(乗車定員30人以上のもの、もしくは、車両総重量8トン以上で車長8m以上のもの)になりますので(路線バスについては「大型車」)、高速料金を計算するときは要注意です。
ちなみにアストロメガのヨーロッパ仕様では、「車幅2.55m、高さ4m、長さ13.1m」ですが、国内の基準に適合させるため「車幅2.5m、高さ3.78m、長さ11.99m」になっています。
高速道路の料金を調べたい場合は以下の記事を参考になさってください。
大型観光バスの座席数は?何人乗れる?
大型観光バスの一般的な座席の数ですが、正座席で45人が最も多い仕様(2席×10列×2列)で、次いで多いのが左右1列ずつ少ない41人(2席×9列×2列)でした。
よく60人乗りの大型バスを借りたいというリクエストがありますが・・・正座席数は49席で補助席11席を加えたパターン(2席×11列×2列)になります。
このバスを多く所有しているバス事業者さんは北海道が最も多く、主に郊外の新興住宅地から大都市への通勤・通学に使われてきたため「ラッシュバス」ともいわれたりしたそうです。
最寄り駅から工場までのシャトルバスやスクールバスでの利用がメインで、貸切バスとしては台数が少なく、手配しにくいタイプになっています。
同じ長さのバス車内に、座席が9列・10列・11列とレイアウトされているため、当然60人乗りのバスはかなり窮屈です。男性の場合は長距離はかなり疲れるかもしれません。
大型観光バスのトランクルームは、荷物をどのぐらいの量を載せられる?
大型観光バスのトランクルームは、貫通式で2本~3本あります。スーツケースやゴルフバッグ、スキー&スノボー、BBQなど、荷物が多い場合はとても便利です。
しかしながら、インバウンドのお客様でスーツケースが1人2~3個ある!という場合は要注意!大型スーツケースは36個まで、特大サイズなら32個までが限界ですよ~。
大型観光バスの貸切料金ですが、国土交通省がエリア(各運輸局)ごとに最低基準額(2023年8月25日に発表された新公示運賃額)を決めており、1キロ当たりの運賃と1時間当たりの運賃の2本立てで計算されます。
実際はバス会社ごとに単価が異なるため、正確な料金は見積りを取らない限りわかりません。
また、運転手が2名必要な場合(長距離・長時間運行)や深夜早朝運行(いわゆる夜行バスなど)、特殊なバス(電動リフト付きなど)では料金がプラスされます。
自分たちの利用方法がどのぐらいの料金になるのか知りたい場合は、気軽に見積りを取り寄せてくださいね!
■写真協力
はとバス
https://www.hatobus.co.jp/
スカイバス東京
http://www.skybus.jp/
京成バス
http://www.keiseibus.co.jp/
ぽると出版「バステクin首都圏」
http://www.portepub.co.jp/
▼大型観光バスお役立ち情報
大型観光バス貸切手配|大型観光バスまめ知識|大型観光バスの定員数|大型観光バスに乗せられる荷物の量
▼観光バスの新型コロナウイルス感染症対策について
・三菱ふそう観光バス・マイクロバスの換気性能
・ジェイ・バス製(日野セレガ・いすゞガーラ共通)の換気性能
・ヒュンダイユニバース・日野セレガR・リエッセⅡの換気性能
バス会社の比較がポイント!